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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会
客入りは7~8割くらい、ムービープラスさん主催の試写会だ。
【ポイント10倍】クレカで全国送料無料!!ホワイトアウトケイト・ベッキンセール 映画の話 アメリカ連邦捜査官のキャリー・シュテッコ(ケイト・ベッキンセイル)が南極での2年間の任務を終えるまで残り3日。アイスピッケルで襲われた他殺死体が発見される。南極大陸初の殺人事件捜査で、長い間氷の下に埋もれていた重大な秘密を知ったキャリーは、本格的な冬の到来までに殺人犯を探し出そうとするが……。 映画の感想 かなり退屈な作品で全然面白くない。面白そうな題材なのにどうしてこんな作品になってしまったのだろう。アメリカの辛口レビューサイト「ROTTEN TOMATOES」でも100%が満点評価の所、本作はたったの6%しかついていない。メジャー作品でこんなに低い評価を見たのも初めてであるし、私以外にもアメリカ人が見ても面白くなかった事が判明した。 本作は現在公開中のホラー作品「エスター」と同じ、ロバート・ゼメキス監督とプロデューサーのジョエル・シルバーが立ち上げたホラー専門レーベルの映画制作会社「ダークキャッスル」が製作した作品だけに、私はかなり期待をしていた。それも題名は織田裕二主演の雪山アクション映画「ホワイトアウト」と同じであり、個人的には勝手に南極を舞台にした「ダイ・ハード」系のアクション作品と思い込んでいたのだが、まったく違う推理サスペンス映画でした。 以下ネタばれ注意 映画は1957年のロシア輸送機内で何かを巡り仲間同士が殺し合いを始めてしまい、輸送機は乗組員とパイロットもろとも死亡してしまい南極に墜落してしまう。と言う何ともミステリアスで思わせぶりのオープニングで期待をさせるが、話が現在の南極基地に移ると脱力してしまう。主人公の背中をカメラが追いながら南極基地内部を観客に紹介する形で描かれる。しかし、同じ南極を舞台にした駄目日本映画「南極料理人」の悪夢を再び見てしまった。基地内を全裸の男たちがモロ出し状態で走ってくる、しかもノーモザイクだ。基地内では任務が終了記念なのか浮かれまくった隊員たちがアロハシャツでウロウロしているわ、廊下ではバンドも演奏していて、隊員たちは女と一緒に酒をかっくらっている。またもや私のストイックな南極基地のイメージをぶち壊す描写には絶句である。まあ、「南極料理人」と比べると極寒の恐怖は良く描かれている。 そんな浮かれポンチを横目にストイックな主人公がケイト・ベッキンセール演じる米国連邦保安官ステッコだ。映画はいきなり彼女のシャワーシーンと言うサービスショットが入れられている。これと言った事件も無く6ヶ月続く白夜の前にこの地を去るはずだったステッコを引き止める南極“初”の殺人事件が起きてしまう。この白夜で人々が撤退する時期の設定は今年公開のホラー作品「30デイズ・ナイト」とも共通する。 それにしても本作は判りづらい。オープニングの輸送機墜落事故も状況説明も無く突然始まってしまう。まぁ、後々に話の核となる事は予想はつくが情報量が少なすぎる。話も現在に移っても次々と起こる殺人事件が、どう本筋に繋がるのかも見えてこないし、登場人物の掘り下げ方も浅く、フラッシュバックの様に小出しに語られる主人公のトラウマも上手く話に結びついていない。 本作はオープニングで描かれた欲に取り付かれた人々の内乱を場所を変えて、再び南極基地内で起こってしまった、と言う物語をダラダラと推理仕立てで見せられるので性質が悪い。オープニングの簡潔な演出とは相反する本筋の回りくどい演出には眠気さえ感じてしまう。特に後半に判明する犯人の動機もあまりにも安易だ。犯人の背景と心理を掘り下げていない為に観客としては「なんだかなぁ・・・」と言う、ため息混じりの言葉しかしか出てこない。 監督は「ソードフィッシュ」「60セカンズ」のドミニク・セナだ。先の2作品の様に力技で押し切るタイプの監督であり、この手の伏線を張り巡らさす推理物には不向きな監督の様に感じた。とにかくセナ監督は台詞に頼りすぎで、観客に見せなければならない映像を割愛してしまった為に、観客は物語の背景を漠然としたイメージしかつかめないのが難点である。 本作のエンドロールで「オーメン」で知られる編集者で映画監督のスチュアート・ベアードの名前を見つけた。それも彼にはスペシャル・エディターなる見慣れない名目が付けられている。これは推測であるが、出来上がった作品を見たプロデューサーのジョエル・シルバーが作品の出来の悪さに憤激をして、シルバー作品でも手腕を発揮したベアードを呼び寄せて、出来上がった作品を改めて彼にハサミを入れさせ、映画をシェイプアップさせて現在の作品が出来上がったのではないだろうか?しかし、いくら名編集者がタッチしても駄目映画は駄目映画のままと言う、何とも不甲斐無い作品に仕上がってしまったのが悲しい・・・・。 追記 かなり駄目映画でもひとつだけ良い所がありました。以前、私が「南極料理人」レビューの際に指摘した「台詞で言ったオーロラが描かれていない」件が、本作では台詞で出てきたオーロラがその後にちゃんと描かれていました。これでこそ映画のセオリーです。 映画「ホワイトアウト」関連商品 オリジナル・サウンドトラック『ホワイトアウト(原題)』/サントラ[CD] [期間限定][限定版]ソードフィッシュ 特別版/ジョン・トラボルタ[DVD] 60セカンズ ディレクターズ・カット版(期間限定)(DVD) ◆20%OFF! まったく関係無いが題名が一緒の映画 ホワイトアウト(DVD) ◆20%OFF! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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