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2010.03.01 楽天プロフィール Add to Google XML

映画「プリンセスと魔法のキス」@一ツ橋ホール
[ 試写会2010 ]    

 客入りは8~9割くらい。ディズニー日曜日昼の試写会と言う事で小さなお子さんも多数来場している。ちびっ子にはちょっと酷な字幕スーパー版での上映だ。

 
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 映画の話
 いつの日が自分の手で夢を実現させたいと願う女性、ティアナ。ある日、ティアナの前に、言葉を話す一匹のカエルが現れる。かつて王子だったころ、のろいによって姿を変えられてしまったと語るカエル。そして、魔法を解くためにキスしてほしいとティアナに告げるのだが……。

 映画の感想
 製作総指揮がピクサーから来たジョン・ラセターだけに意表をついた設定と展開にまずビックリだ。アメリカがオバマ大統領を選んだように本作のヒロインは黒人であり、映画の舞台も黒人文化が根強いニューオーリンズである。

 私は基本的に映画を見る前は予備知識を入れない。その為にオープニングに登場する白人と黒人の少女を見ていて「あっ、この子(白人の少女)が主人公だな」なんて、のん気に画面を見ていたら映画は見事に予想を裏切ってくれた。流石ジョン・ラセターだ、ディズニーアニメも“チェンジ”の時がやってきたのだ。

 以下ネタばれ注意

 本作のヒロインとなるティアナの夢はレストランの経営で、過去のディズニーヒロインの様に王子様の登場を待ち焦がれる受け身の設定ではない自我の確立したポジティブな少女である。それと相対するように、ティアナの幼馴染で金持ち娘の白人少女シャーロットは、まんまディズニーの過去のヒロインをセルフパロディにしたような王子様を待ち焦がれる少女である。なんとも皮肉めいたブラックな設定が面白い。

 意表をついた展開はまだまだ続く。物語冒頭こそ人間の姿のティアナもあっという間にカエルに変わってしまい、カエルに変わってしまったプリンスと共にミシシッピ川を舞台に映画は冒険活劇へと変貌する。カエルを餌とする魚や鳥に襲われ、ワニにも襲われかかるが、そこはディズニーである。狂暴なワニではなく主人公達と友好的なジャズトランペッターを夢見るルイスが登場する。彼の夢は「人間と一緒にジャズを演奏する」と言う設定だ。ジャズの発祥の地・ニューオーリンズをリスペクトしたディズニーのセンスが心憎い。

 映画は王子に魔法をかけた悪い魔術師ドクター・ファリシエや、ミシシッピー川上流の湿地帯で木の上に作られた家に住むブードゥー教を操る老婆ママ・オーディなど、映画のバックボーンとなるニューオーリンズで古くから伝わる魔術と言う文化を上手く物語に上手く盛り込んでいる。本作で面白い映画的なギミックは影の使い方であろう。ファリシエの影は彼の内心をあらわす様に実体と違う動きをして本心を表す。そして彼の操る化身は影で表されている。この辺はちょっと「ハリー・ポッターと謎のプリンス」に登場する、ロンドンの町を襲う恐ろしい影を思い出してしまった。

 映画は中盤から後半になり展開が若干単調になり、画面に写される色彩も暗いトーンが続くのが難点であるが再び意表をついて、主人公達と共に行動をとった仲間の死が描かれる。この辺も今までのディズニー作品でも珍しい展開で、作り手が新しい物を作り出そうと模索しているのが伺える。まぁ、エンディングはディズニーらしいハッピーな着地点で「終わりよければ全てよし」的な主人公達の数々の苦難は嘘の様に見事解決されてしまう。あんまり上手い着地でちょっとウルッときてしまった。

 最後に音楽について書きたい。本作の音楽を担当したのは「トイ・ストーリー」から「カーズ」までピクサー作品の音楽を担当したランディ・ニューマンである。彼の起用はやはりビクサーからの長い信頼関係にあったジョン・ラセターの鶴の一声だったのだろう。劇中使われるニューマンらしい癖のある楽曲がニューオーリンズの世界観に上手くマッチしていた。

 それから、劇中ワニのルイスが演奏するトランペットの音色が実に素晴らしくエンドロールで確認した所、ルイスのトランペットを演奏したのはジャズトランペッターで、スパイク・リー監督作品で音楽を担当する作曲家テレンス・ブランチャードでした。彼のファンとして一粒で二度美味しい作品でした。

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最終更新日  2010.10.22 00:53:33
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