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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会2010
試写会の主権はラジオ日本「イエスタディポップス・ウィズ・シネマダイヤリー」さんだ。映画上映前に番組パーソナリティー・石山栄里子さん司会で冠スポンサー様の商品紹介と抽選会が行われた、客入りは8割くらい。
【23%OFF!】マイレージ、マイライフ(DVD) 【発売日お届け!2010年8月27日発売】 映画の話 仕事で年間322日も出張するライアン(ジョージ・クルーニー)の目標は、航空会社のマイレージを1000万マイル貯めること。彼の人生哲学は、バックパックに入らない荷物はいっさい背負わないこと。ある日、ライアンは自分と同じように出張で各地を飛び回っているアレックス(ヴェラ・ファーミガ)と出会い、意気投合するが……。 映画の感想 「サンキュース・モーキング」「JUNO/ジュノ」のジェイソン・ライントマン監督らしい作品で、現在のアメリカが抱える問題を盛り込みながらサラリと描く手腕を発揮した作品だ。映画の主人公は世界的不況の申し子の様な職業“リストラ宣告人”と言う、会社の人間が誰もやりたがらないリストラ対象者に解雇を通達する仕事を、企業を代行して淡々とこなす中年男ライアン・ビンガムだ。 映画は様々なしがらみを嫌い“独身貴族”生活を満喫するビンガムの仕事ぶりとオフの姿が軽快に描かれる。年間出張322日のビンガムは質素なアパート暮らしで、お隣さんの女性とも良い関係みたいだ。そんなビンガムが二人の女性との出会いで少しずつ心境が変化してゆく。一人目が出張先で出会うキャリアウーマンのアレックスだ。初めは後腐れの無い“ワンナイトラブ”の相手だったアレックスであったが、お互いが似た境遇で気を使わないアレックスにビンガムの心は揺れ動く。 もう一人の女性がビンガムの部下となる新入女性社員ナンシーだ。彼女は自社の経費削減の為に出張を廃止してネットを使いリストラを宣告するシステムを提案する。正に主人公までが自分の仕事を奪われリストラ対象者になりかねない状態になってしまう皮肉なストーリー展開が、現代の合理化を進めたがるアメリカ社会を皮肉っているようだ。経験不足なナンシーに仕事を教える為に会社はビンガムの仕事に彼女同行させる。 以下ネタばれ注意 本作は“リーマンショック”以来の世界的景気の冷え込みをダイレクトに物語に反映されているようで映画を見ていて何とも居心地が悪い。特に失業中の方や、会社の経営が上手くいっていない方は、我が身の明日を見るようで恐ろしい作品になるだろう。映画の中でリストラを宣告される社員の方々にはビンガムが“死刑宣告人”に見えてしまうだろう。主人公にリストラを宣告される人々の描写も非常にリアルだ。怒り出す人、泣き出す人など様々リアクションにも柔軟にアドバイスをするビンガムは冷静なプロフェッショナルだ。 そんなビンガムの夢は1000万マイルをためて伝説の機長“キャプテン・フィンチ”と会話をする事だ。会社の経費で出張した分のマイルは自分の物になるので、食事も無理して経費の上限まで頼んでまでしてマイルを貯めている。今までの生活に満足していたビンガムが二人の女性との出会いや、妹カップルの結婚や、仕事での出来事を通して「自分の歩んできた人生が正しかったか?」と言う局面にぶち当たり、改めて人生を見つめなおすのだが、悲しく空虚な現実を持ってくる辺りが本作のポイントであろう。本作の主人公を見ていると私を含めた独身男性観客には実に身につまされて共感を呼ぶ作品になるだろう。 出演者で見るとアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたジョージ・クルーニーをはじめ、妖艶なヴェラ・ファーミガ、初々しいアナ・ケンドリックと対照的な二人の女優がとても良い演技をしている。それからライトマン監督「JUNO/ジュノ」から引き続きジェソン・ベイトマンとJ.K.シモンズ、「サンキュー・スモーキング」で“マルボロマン”を演じたサム・エリオットが再び美味しいキャラクター“キャプテン・フィンチ”を演じている。 映画「マイレージ、マイライフ」関連商品 オリジナル・サウンドトラック マイレージ、マイライフ マイレージ、マイライフ ★光沢あり!ジョージ・クルーニー主演★[映画ポスター] マイレージ、マイライフ (UP IN THE AIR) [ADV-DS glossy] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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