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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会2010
客入りは大盛況、補助椅子まで稼動される混雑ぶりだ。今回の試写会はTwitterで「ダブル・ミッション」をフォローするユーザーを招いた試写会だ。
ダブル・ミッション 映画の話 表向きはさえないセールスマンの顔を持つ敏腕CIAエージェントのボブ(ジャッキー・チェン)は、愛する女性との結婚を考えスパイ業からの引退を決意。ある日、恋人の子どもたちの面倒を見ることを頼まれるが、子どもの一人がボブのPCからロシア当局の秘密データをダウンロードしてしまう。やがて、彼らは巨大な陰謀に巻き込まれていき……。 映画の感想 良質なファミリームービーと書けば聞こえは良いが、何ともお子様向けの生温い作品に仕上がってしまった。監督は「ベートーベン」「フリントストーン/モダン石器時代」のブライアン・レヴァントだけに手堅い仕上がりである。そして本作は“ジャッキー・チェン、ハリウッド進出30周年記念作品”と謳っているわりに、ジャッキー以外の出演者にも華が無く「いまさら?」的な内容も陳腐で、30周年記念作品にしては映画のスケールも実に小さい。 以下ネタばれ注意 映画は一応30周年記念と謳っているだけに、オープニングに過去のジャッキー主演作の名場面がセピアカラーで綴られるタイトルに期待をするが、かえって期待させた分ハードルが上がった所で、この内容では脱力するしかない。 映画のベースは「ゲットスマート」「ジョニー・イングリッシュ」なんかのスパイコメディにジャッキーのアクションを加味し、更に「ホームアローン」なんかのジョン・ヒューズ製のホームコメディを足したような内容で時代設定も90年代位に見えてしまうのは何故なんだ? ジャッキーのハリウッドヒット作って、よく考えると皆アクの強く口の立つ相棒が英語圏で苦戦するジャッキーを上手くフォローしていたと思う。クリス・タッカーが相棒だった「ラッシュアワー」シリーズしかり、オーエン・ウィルソンが相棒だった「シャンハイ」シリーズでも、英語がままなら無いジャッキーの喋りの部分を彼らが上手く代弁して、ジャッキーはアクションに専念すればよかった。しかし、本作で相棒になるのは恋人の子供3人では何とも役不足である。相棒が子供なのでその分ジャッキーの負担も大きくなってくる。 本作でジャッキーはアクションとコメディリリーフを全て自分でこなせなければいけない。母国語で製作される作品であればジャッキーには何とも無い作業だと思うが、アウェーな英語圏では大変な作業である。子役と言えば泣く、怒る、叫ぶ、笑うと言った感情表現で一杯一杯で、子役に翻弄されるジャッキーもいささか気の毒にさえ見えてくる。彼らのご機嫌取りにジャッキーが料理をするシーンが出て来るが、これもアメリカの食文化をネタにしているので日本人には判り辛いのも難点だろう。オートミールのギャグも笑えないし、末娘が何かパウダーを食べたらハイテンションで長時間動き回るギャグも元ネタが判らない日本人には辛い所である。 映画は自分の身分を恋人に隠すジャッキーの苦悩と、彼の存在を疎ましく思う子供たちが事件に巻き込まれ、事件を乗り越えた事で生まれる絆と言った定番の物語は実に判りやすい。この辺も子供の観客をターゲットにしている賜物であろう。まぁ、それにしても本作で敵となるロシアスパイ達の間抜けぶりはジョン・ヒューズが作り上げた悪役像から脱皮出来ていないのも難点であろう。 最後にジャッキー作品で恒例のNG集が流れるが、相変わらずジャッキーの台詞の覚えの悪さは「プロジェクトA」で時計台から落下した後遺症なのだろうか?NG映像を見ながら毎度心配してしまう。それから、何でも舞台裏を見せるのは個人的に「いかがなものか?」と思う。特に「こんなシーンでもワイヤーを使っていたんだ!」と思わせてしまうのは映画のマジックが急に解けてしまう瞬間であり、出来れば種明かしをしない方が観客として楽しい気分で映画館を後に出来ると思うのだが・・・。ジャッキーの前作「新宿インシデント」が以外にも骨のある作品だっただけに、本作の不甲斐無い出来にはがっかりである。 映画「ダブル・ミッション」関連商品 ラッシュアワー2/ジャッキー・チェン[DVD]【返品種別A】 送料無料!!【DVD】ラッシュアワー3 プレミアム・エディション/ジャッキー・チェン ジヤツキー・チエン [期間限定][限定版]シャンハイ・ヌーン(買っ得!THE 1800)/ジャッキー・チェン[DVD]【返品種別A】 [期間限定][限定版]シャンハイ・ナイト -コレクターズ・エディション-(買っ得!THE 1800)/ジャッキー・チェン[DVD]【返品種別A】 送料無料!【中古】【DVD MOVIE】新宿インシデント お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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