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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会2011
試写会の主権はぴあ映画生活さんだ。今回の試写会はぴあ映画生活さんが前回開催した「タイタンの戦い」に続きワーナー試写室で行われる男性限定試写会である。前回は若干女性が混ざってしまう失態を犯してしまった反省か、試写状にしっかりと「同伴者も男性に限る」と注意書き付きの為、今回は見事に100%男性ばかりになった、客入りは8割くらいだ。
映画の話 初ベビーの誕生を5日後に控えるピーター。仕事先のアトランタからあわててロス行きの飛行機に飛び乗った彼だが、たまたま出くわした俳優志望のイーサンのせいで搭乗拒否に遭い、車で向かうハメに。だが、彼は次々とトラブルを引き寄せる最悪の疫病神で……。 映画の感想 本作は「ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」の大ヒットにあやかり、トッド・フィリップス監督にとってご褒美映画と思われる作品だ。今回は豪華一点主義に突っ走りロバート・ダウニーJr.を投入して、相手役には「ハングオーバー!」でお馴染みのザック・ガリフィアナキスと組み合わせた前作同様に下ネタ、薬物、障害者ネタなど下品極まりない、まったく笑えないコメディ作品に仕上がってしまった。改めてアメリカコメディ作品の難しさを感じる作品であり、ダウニーjr.が出演していなかったら、間違いなくビデオスルーになってしまう作品であろう。 まず、私はこのブログで何度か書いているが「映画と言うものはサジ加減が大事」なのだ。本作を見ると何もかもサジ加減が大盛過ぎてドン引きしてしまう。キャラクターを見てゆくと、ダウニーJr.演じるピーターが常にガリフィアナキス演じるイーサンにイライラしているように、観客もピーターと一緒にイライラが同調してしまい、主演二人共にまったく感情移入が出来ないのは映画として致命傷であり、ダウニーjr.とガリフィアナスキのコンビバランスも非常に悪い。二人の出会いもかなり強引で「そんなことありえないだろう」と言う不自然な設定で、冒頭から映画にまったく乗れないのと、イーサンの行動が天然なのか?計算づくなのかも不明で、彼の本当の気持ちがまったく読めないのは致命傷であろう。 以下ネタばれ注意 ピーターとイーサンの出会いは空港前の路上で車同士の物損事故に始まり、飛行機内でのピーターのテロリスト騒動で二人とも空港会社から搭乗拒否になり、ピーターの財布などモロモロが飛行機と共に飛んでいってしまい、あえなくピーターはイーサンがチャーターしたレンタカーに同乗してアメリカ横断をする、と言う設定で物語は進行する。 ここから先は所持金を所有し、レンタカーのチャーター主であるイーサンが主導権を得て、はじめに向かうのが薬物売買する家に向かうわけだが、そこで搭乗するのがジュリエット・ルイスだ。個人的に久々に見た彼女の姿は無残に変貌してしまい驚いてしまった。まぁ、この薬物購入でイーサンの所持金は残りわずかとなり、ピーターが激怒してイーサンを説教する話は、プライベートで薬物依存症だったダウニーJr.への自虐的ギャグであり、彼が言うからこそ言葉に重みを感じた。 その後、金のないピーターが奥さんに電話でイーサン宛に送金する話は、アメリカ文化なので良く判らないが金の受け取りは窓口業務らしい。その窓口の男とひともんちゃくになるエピソードは退役軍人と障害者ネタとなり、窓口男の過剰暴力でピーターは大怪我すると言う展開もまったく笑えないし、あれははっきり言って傷害事件で立件できる案件であろう。あんなに酷い暴行を受けながらも泣き寝入りしてしまうピーターの人間性も見えてこない。 それから車中でピーターの眠るの横で、イーサンと愛犬がやらかすオ○ニーネタはドン引きするは、無駄にジェイミー・フォックスが登場するは、イーサンの父親の遺灰で間違って作ったコーヒーなど笑えないネタのオンパレードに私は凍り付いてしまった。その後、薬物でバットトリップしてメキシコにまで行き、警察のトレーラーハウスごとパトカーに連結にして逃亡とか、ありえない展開で呆れながら見ていたが一点だけ面白い話があった。 それはピーターと奥さんの間に生まれる赤ちゃんの父親疑惑だけは面白く、ラストの病院でのピーターと悪い予感が現実となる赤ちゃんとのご対面シーンだけは良い。まぁ、本作は「ハングオーバー!」が面白かった人にはお勧めするが、その他の方はDVD待ちでOKだと思う作品である。「ハングオーバー!」に続き、私は本作を見て改めてトッド・フィリップス監督作品と相性の悪さ痛感した。 映画「デュー・デート~出産までの5日間!史上最悪のアメリカ横断~」関連商品 【25%OFF】[DVD] ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.01.19 14:57:23
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