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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:劇場2011
平日の昼間、客入りは407席のチネ11に2割弱くらい。
★アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップ共演★■先行告知Ver■ [映画ポスター] ツーリスト (THE TOURIST) [ADV-DS] 映画の話 傷心を癒やすためイタリアを訪れたアメリカ人のフランク(ジョニー・デップ)は、ベニスに向かう車中で上流階級の美女エリーズ(アンジェリーナ・ジョリー)に声を掛けられる。魅力あふれるエリーズに誘われるがまま、アバンチュールに酔いしれるフランク。しかし、それはすべて仕組まれたわなだった……。 映画の感想 アンジェリーナ・ジョリー&ジョニー・デップという二大ビッグスターのネームバリューにおんぶに抱っこし、作り手が面白い映画を作ろうとする事を放棄してしまったような非常につまらない作品である。まず、本作が始まり直ぐに妙に軽快に細かく動き回るスコアが鳴り始めて「これはヤバイかも?」と言う不安な気持ちが湧き上がる。宣伝媒体には“ロマンティックミステリー”となっていたが、蓋を開ければ“ロマンティックコメディ”に近いノリに映画を見ていて違和感を持つ。 物語前半は謎の美女と列車内で彼女に声を掛けられた旅人と言う設定は興味を引くが、なにか緊張感に欠けた作風に見ている私も本腰が入らない。列車からホテルまでは何とか無難な演出で乗り切るが、ホテルにフランクを狙う殺し屋が押し入り、フランクがパジャマ姿で屋根づたいを逃げ回るシーンも緊張感もないゆるい演出を見ていて私は確信した「これはダメだ」。その後の殺し屋とのボートチェイスまでは「まぁ、こんなものだろう」と自分を落ち着かせたが、エリーズの素性が判ってからは「なぁ~んだ」と急に私のテンションも下がり、「そういえば、007を演じたティモシー・ダルトンも出てたしなぁ・・・」なんて、完全に映画から心が離れてしまった。 まぁ、本作はアンジーとジョニーと美しいロケ地を見る映画なのかもしれないが、あまりにも映画としてお粗末である。役者の演技もアンジーはいつもあんな感じなので別にいいが、ジョニーは悲惨だ。役の設定上ああいう演技なのは判るが、こんなに魅力のないジョニーははじめてだ。私の推測であるが本作はアンジーとジョニーの出演料で製作費の大半を持っていかれ、いいスタッフも集まらなかったか、アンジーとジョニーに注文を付けられないYESマン的なスタッフが集まってしまったのだろう。私は本作の監督フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクの監督作品を見るのは初めてであるが、彼はきっとこの手の作品を得意な監督ではないのだろう。 それにしても「何故こんなダメ映画が出来上がったか?」を調べてみると色々判った。まず本作は宣伝媒体ではあまり謳っていないが、ソフィー・マルソー主演のフランス映画「アントニー・ジマー [DVD]」のリメイク作品で、企画段階から出演者や監督の降板したいわく付きの作品らしい。どうも本作を配給したソニーピクチャーズも宣伝が及び腰と言うか、これだけのスター映画なのに試写会も東京ではジャパンプレミアと他にも数回?しかやらないなど、今思えば不安な要素がいっぱいあったわけだが、まんまと私も気づかず地雷を踏んでしまった。レンタルDVDで十分の作品である。 映画「ツーリスト」関連商品 【送料無料】オリジナル・サウンドトラック 『ツーリスト』/ジェームズ・ニュートン・ハワード[CD]【返品種別A】【smtb-k】【w2】 【23%OFF!】善き人のためのソナタ 【Blu-ray disc 専用】 <もっとブルーレイを楽しもう! GET MORE BLU! キャンペーン> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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