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永井版画教室・銅版画工房・永井雅人の作品

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シルクスクリーン講座について

シルクスクリーン・プロセス・プリンティング (silk screen process printing) を略してシルクスクリーンと呼びます。

型紙や布目を通してインクを刷りとることから、形式名は「孔版」。もともとポスターなどの印刷技術であったシルクスクリーンですが、一般的によく知られているアンディ・ウォーホルや横尾忠則などのポップアーティスト達によって、1960年代以降、アートの手法へと発達しました。

特徴として、油絵のように重厚な感じに盛り上げることができること、布の細かい織り目による統一感が出ることなどがあげられます。インクをダイレクトに重ねて刷るため、表面のインクの厚みは他にない特徴です。

エゴン・シーレへのレクイエム
講師作品「エゴン・シ-レへのレクイエム」シルクスクリーン、アクリル。
A1サイズ。2009年。
エゴン・シーレへのレクイエム
講師作品「エゴン・シ-レへのレクイエム」シルクスクリーン、アクリル。
A1サイズ。2009年。

シルクスクリーンの技法

1 カッティング法

アセテートフィルムにワックスを塗り、その上にニス原紙を密着させます。
下絵にそって原紙を切り抜き、刷りたい部分をはぎ取ります。
切り抜いた原紙の上にスクリーン枠を重ね、アイロンでスクリーンにニス原紙を定着させて版をつくります。
インクを盛り、スキージで刷ります。

2 ブロッキング法
スクリーン枠に張ったスクリーンの裏側から油性のクレヨンなどの描画材で描写します。スクリーンの網目を塞ぐように描きます。
描画が終了したらスクリーンの表側に水性の乳剤をスキージで均一に塗ります。
乳剤が乾いたら油性溶剤を描画部に塗布し、描画した部分が抜けるまでこすり落とします。スクリーンの裏面(油性クレヨンで描画した面)も皮膜が残らないよう布などで軽くこすり版をつくります。
インクを盛り、スキージで刷ります。

3 ミメオグラフ
別名、謄写版です。
ロウ原紙に鉄筆で描画します。
荒めのスクリーンを張ったスクリーン枠にロウ原紙をあて、スクリーンの上からローラーでインクを盛り、ロウ原紙を定着させ版をつくります。ローラーで刷ります。

4 写真製版法
フィルム、トレーシングペーパーなど光を透過する支持体に、インクなどで描画してポジを作成する。プリンターやコピー機で画像を印刷して作成することも可能である。多色刷りの場合は色の数だけポジを作り、1色1版で製版するのが基本である。中間トーンを表現するため、グラフィックソフトウェアやリスフィルムの使用により網点処理を施すことがある。
アルミ製、木製などの枠に張ったスクリーンにバケットで感光乳剤を塗布し暗所で乾燥させる。感光乳剤は主にジアゾ系のものが使用される。
スクリーンにポジを重ね、ケミカルランプを使用した感光機や日光などで一定時間紫外線に露光させる。
乳剤面に水をかけると感光が止まる(現像)。画像のない部分は感光して硬化した乳剤がスクリーンに固着してインクを透過しない幕状となる。感光していない画像部分は水で乳剤が流れ、インクを透過するメッシュ状のままとなる。
印刷後は感光乳剤専用の再生液で硬化した乳剤を溶かし、落版する。落版後のスクリーンは再使用が可能である。



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