日本人の成功感覚●日本人の成功感覚 (“カミ”感覚) 個人資産10億円以上。 これが大金持ちと小金持ちのボーダーラインだ、と言う人がいます。 私もこれに異論はありませんが、実は我々は、それ以外にも「億万長者」という言葉を、自分の中の「豊かさ」や「幸せ」の理想形の最大公約数的概念として使っていることもあるのです。 例えば、ある女性の方で、「ミリオネアになりたい」と、自己啓発系のセミナーに出て目標設定した場合、実はその女性にとっての「ミリオネア」とは、その女性がいくら能力がズバ抜けて高かろうが、年収1億円、個人資産10億円を達成することではないのです。 その女性にとっての“ミリオネア”とは、実は「たった一人でいいから、自分自身を本当に愛してくれる理想のパートナーと出会い、その人と一緒に人生を送ること」なのです。 それを証拠に、女性の方に、「自分の年収は1500万で自分の理想の、自分を愛してくれる完璧なパートナーに出会って結婚する」のと、「自分の年収は10億だけど、死ぬまで生涯一人」とどっちがいい?と聞けば、よほどの変わり者でない限り、前者を選ぶに違いありません。 また、悟りの道を歩む者にとっては、「即身成仏」「新人合一」の境地こそが、その人にとっての「億万長者」かもしれません。 少し哲学的に言えば、その人間にとっての最高概念(アートマン)のことを、現代の我々は「億万長者」と呼ぶのかもしれませんね。 それでもやはり我々は人として生まれた以上、少しでも自分自身を向上させたい、という欲があり、本来、“向上性”とは“向かう上(カミ)の性(ナリ)”のことを言います。 そして日本語で「カミ」とは「根源」を意味し(漢字の「神」は、中国からの輸入語。)例えば、川の根源(上流)のことを日本語では「川上(カワカミ)」と言います。 つまり、ただ単に上に上がる、というUPの意味ではなく、根源に向かう性(ナリ)のこと、根源に向かって成長していくことが本来の「向上」の意味なのです。 (余談ですが、昔から、人々は自分自身の生命の根源のことを考えてきましたが、時間が経つにつれて、その民族や国々の人々の神秘思想の度合いによって、様々な概念が形成され、各民族が様々な名前で呼ぶようになりました。 ただ、中国から輸入されてきた言葉である「神」と、西洋キリスト教圏から輸入されてきた言葉である「GOD」。これらは同義語ですが、かといって、この言葉と日本語の「カミ」とは同意語ではありません。) 部屋に置いてある観葉植物は、日が経つといつの間にか全ての葉が太陽の方へ向かって伸びています。 植物の太陽に向かう性である、向日性と、人間が、自身の生命の完全発揮を求めると、どんな民族の、どんな時代に生まれた人間でも、必然的に、(自分自身の)生命の根源や根本に向かうことになる人間の向上性。 (生命の多様性の常から、その「根源に向かう性」、つまり“カミ(根源)感覚”を自覚できなかったり、すれ枯らしてしまったりする人間も、当然ながら存在します。自然界の植物が、枯れるものとそうでないものとに分かれるのと同じ多様性です。) 植物にとっての生命の根源(カミ)は太陽です。 それでは、我々の生命の上流(カミ)とは何か? 真っ当な人間ならば考えざるを得なくなるこの問いに、昔から様々な民族が(それぞれの神秘思想の度合いによって)、数多くの答え(概念)を出してきました。 ただ、それを考えるにしても、まずは現実世界の生活や幸せが疎かになっては、全てが机上の空論の観念論になってしまいます。 自分自身の社会的成功を目指す欲望や本能を否定してみても、それは何も始まりません。 また、何か新しいものを生み出す、というCreativeな作業には、性エネルギーも必要です。 それは男も女も、どちらも一人では子供を産むことができないように、何か新しいものを創り出すには、どちらか一方のエネルギーだけでは限界があるからです。 きれいごとや、美しくパッケージ化、美化された成功理論からも、実は何も本質は見えてきません。 その境地さえも突破せずに、その先のことや、難しい形而上の概念を考えてもあまり現実には役に立ちません。(筆者経験済み 笑) また、当然ながら、私は「お金」を軽視しません。 それどころか「お金」は大好きです。(^^) 自分は稼いでいないのに「世の中お金じゃない」という人は嘘だと思っています。 (勿論、そういう価値観がある、ということは認めますが。) そして私よりも素晴らしい人生を生きている様々な人生の先輩と出会い、色々なことを吸収していきたい。 そして生きている限り、死ぬまで自分自身を最高度にまで高めて生きたい。 ある意味で私は強欲です。(笑) ビジネスも心の成長も、どちらも究極を目指しているのです。 自分自身の「向上」や「人間の欲望」というものに真正面から向き合い、自己対話を続ける若きプラグマティスト。 そんな人間達が集うミリオネア・カフェへようこそ。 |