徹底的に勉強する
徹底的に勉強する
質の高い勉強をするために、私が心がけたのは、手を抜かずに勉強することだった。
そんなことは当たり前だと思うかもしれない。
だが、本当にストイックに勉強するのは並大抵のことではない。
私は住み込みの警備員をやりながら、1日20時間近く勉強する日もあった。20時間だ。
食事をしている最中もただご飯を食べているだけということはなく、食べながらも目は参考書を追っていた。
睡眠は1日3時間半。
ふとんにちゃんと寝てしまうと起きられなくなるので、電気をつけたまま、本を何冊か体にのせて、横になった。
しばらくして寝返りをうつと、本がバラバラと落ちる仕掛けだ。
その衝撃で目がさめて起きてまた勉強するという生活を続けた。
われながらよく続けられたと思う。
こういう生活を続けていると、さすがに体がもたなくなる。
私は3ヶ月に1度くらいバタンと倒れて3日くらいこんこんと眠り続けた。
1日3時間半の睡眠で3ヶ月。
3日間こんこんとねむりこけて、また3ヶ月。
こんな繰り返しを1年間続けたのだ。
「そこまでやらなくても」と思うかもしれない。
「そんなにやらなくても受かるよ」と言う人もいるだろう。
だが、やらなくてはならなかった。
なぜか?なぜなら、そこまで徹底的に勉強しておけば、もし万一次の試験に落ちてしまった場合でも、その勉強法が間違っていたことが証明できるからである。
それに、手を抜いて失敗した場合、怠けていたから失敗したのか、勉強法が悪かったのか、見当がつかなくなってしまうことも考えられる。
だが手を抜かずに徹底的にやっていたのなら、もし失敗しても勉強法が悪かったことになる。
次からは勉強法をあらためればいい。
次につながる結果が残せるではないか。
ぜったいに避けたいのは勉強したことが無になってしまうことである。
せっかく勉強したのに、何の結果も残せない。
何の教訓も得られない。
考えただけで。ゾッとする。
だからこそ100%の力で徹底的に勉強して、次につながる結果を出しておく必要がある。
ここを間違える人が多い。
徹底的にやって失敗するのが怖いから、そこそこの力でやってリスクを分散させてしまうのだ。だが逆である。
そこそこの力でやって失敗すれば、結果は無になってしまう。
初めからやらなかったのと同じだ。
しかし100%の力でやりきっておけば、失敗しても次につながる結果を残せる。ここが肝心だ。
勉強は手を抜かず、徹底的にやることである。
そうすればその経験が次に生きる。
私はけっして、1日20時間勉強しろとすすめているわけではない。
自分の最大限の力を出しつくしてやることが、その後につながっていくのだ。
2年目、私は無事合格することができた。
私は自分の勉強法が間違っていなかったことを、幸いにも自らの合格によって証明したわけだ。
ぜったいに手を抜いてはいけない。
今やっている勉強がつらくて苦しくても、徹底してやる。
それが結果的にその経験を無駄にしないいちばんの早道なのだ。
伊藤真 「夢をかなえる勉強法」 (サンマーク出版 より)
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