CLUBまっちょ

溜まってるアニメを順次見る。
とりあえず今回印象に残っている作品で
思うことのある作品があるので紹介しようかと思う。

『イヴの時間』という、
去年の夏くらいから
Yahoo！動画やニコニコ動画で配信されている作品。

あらすじ
未来、たぶん日本。”ロボット”が実用化されて久しく、
”人間型ロボット”（アンドロイド）
が実用化されて間もない時代。（作中の表示より）
リクオは所有するアンドロイド、サミィの行動記録をチェックしていると、
不審な行動記録を発見する。
友人のマサキを誘ってその行動記録の場所に向かってみると、
そこには「イヴの時間」という不思議な喫茶店があった。

「イヴの時間」という喫茶店には、ルールが存在する。
人間とロボットを区別しない…それがこの店のルール。

そしてこの物語の舞台は、ロボットが実用化されている。
農業用ロボット、ハウスロイドなど。
これらロボットは、ロボット三原則に則って行動している。
ロボット三原則は、
第一条 人に危害を加えないこと。
第二条 第一条に反すること以外は、人間の命令に服従。
第三条 自分を守ること。
となっている。

因みにこの舞台のハウスロイドは、
炊事洗濯などの雑務は勿論、家族の送り迎えなども任される。
ある種の奴隷となっている。
性能のいい電化製品程度に思っている人が多いかも知れない。
そんな中で、アンドロイド精神依存症、作中で云うドリ系という、
アンドロイドを人間視する若者がいたりもする。

主人公はリクオ。男子高校生。自宅にはハウスロイドのサミィがいる。
サミィを「便利な道具」とみなし、人間扱いしないようにしている。
…が、基本的にはサミィを信用している。

サミィは、リクオの家にいる若い女性の外観を持つハウスロイド。
リクオの母からは溺愛されているようだが、姉には疎まれている。
ふだんはハウスロイドらしく無表情で無機的な立ち振る舞いだが、
その裏では ひそかに「イヴの時間」の常連客となっていた。

たぶん主軸はリクオとサミィの話になるんだろうけど、
他にもいろんな人物・アンドロイドが登場する。
今回紹介するのは、リクオとサミィが大きく関わる第2話、
『SAMMY イヴの仲間』のワンシーン。


リクオは、サミィの行動記録にあった不審な行動の先、
つまり『イヴの時間』にやってきて、常連客と戯れていた。
密かに現れ、店員のナギと話をする女性。
リクオと女性の目が合う。

リクオと女性は絶句し、しばし見つめ合う。そして…


リクオは、女性の髪飾りを掴み、結っていた髪を解く。
そこにいた女性は―


サミィだった。
普段、家ではハウスロイドらしく無表情の彼女だが、
顔を赤らめて足早に『イヴの時間』を去っていった。

サミィは近頃、コーヒーを変えたようだが、
リクオはサミィの勝手な行動に声を荒げていた。
ハウスロイドが勝手な行動をするなと云わんばかりに。
その変えたコーヒーというのが、『イヴの時間』のコーヒーで、
このコーヒーを買うために、『イヴの時間』へ立ち寄り、
それが不審な行動記録として残ったのだ。


そんなサミィの気持ちに触れたリクオは、
最初は勝手な行動に声を荒げたが、
『最近のコーヒー、ちょっとおいしいかも…』と、
素直な感情を出すのだった。
リクオの感想を聞けたサミィは、
どこか嬉しそうに口元にを綻ばせる。

かなりかいつまんだが、こんな感じの話だった。


この話を見てて思うことは、
作中で云うところのドリ系であるが、
ドリ系というのはつまり、ロボットをロボットとして見れなくなり、
接することも出来なくなり、人間としてみるようになった人のことだ。
作中ではドリ系が蔑視されている。
まぁありていに云えばロボットに恋した人をドリ系というわけだ。
常識的に考えれば『ありえねー！』『キモっ！』となるが、
よーく考えてほしい。
自分に従順で、顔や体型が自分好みな人の形をしたロボット。
手っ取り早く考えるなら…そうだな、
あなたのことが大好きな設定の、
あなたが今好きな人と瓜二つのロボットが手に入ったら？
ということになる。揺れますよね？よね？
これで欲しくない！という人は病気だ。たぶん。
問題点はひとつ。生き物ではない、ということ。
この問題はとてつもなく大きな問題だ。倫理的に。

で、ここで云う問題ってのは、
体が人間でなくロボットだというだけではない。
ロボットに心があるのかどうか…これも大きな問題になるのだ。
仮にロボットが感情を見せたとしても、
それは感情を見せるようプログラムされているからなのだ。
従って、それを感情と云い切るには少々問題がある。

この『イヴの時間』では、どういうわけか、
普段は無表情なロボット達に感情と個性が現れる。
ロボットの“心”に触れることが出来る。
だが先程述べたように、ロボットの感情はプログラムだ。
いや、本当にそうなのだろうか？

ということで、イヴの時間でした。
興味がある人は見てみて下さい。
Yahoo！動画とニコニコ動画で配信しています。
（配信終了した回もあるけど）


因みにアレね、
ドリ系を、リアルな人間とコミュニケーションが取れなくなった人が
現実逃避した姿だ、的なことを云ってたけど、
現実で起こっていることなんだから現実逃避ではない。
ロボットだと今の世ではリアリティに欠けるので云い直すと、
アニメやゲームのキャラに嵌っている所謂オタクのことを、
リアルな人間とコミュニケーションが取れなくなった人が現実逃避した姿、
と云いたいわけだ。
しかしこれは違う。よく考えてほしい。
アニメやゲームを、どんな世界から触れている？
我々が生きる、現実世界から触れているじゃないか。
現実世界でアニメやゲームに触れるという事象が起こっている。
この事象はつまり、現実で起こっていることだ。
つまり、アニメやゲームで起こっている世界は、
現実に存在する世界なのである。
つまりオタク達は、決して現実逃避しているわけではないのである。