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カテゴリ:民法
契約が無事に結ばれ、履行期が来ても清水君は100万円を用意
できなかったらどうなるでしょう。 もちろん、債務不履行ですから三島さんから解除される可能性が有ります。 でも、清水君は解除されたくありません。 そこで清水君は現金百万円の代わりに100万円相当の車で支払いたいと考えました。 このように現金の代わりに物で支払うことを「代物弁済」と言います。 では、清水君は代物弁済できるのでしょうか。 実は条文があります。 (代物弁済) 第四百八十二条 債務者が、債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。 言っていることは単純ですが、念のため箇条書きにしてみましょう。 1、債権の存在 (債権がなければ代物弁済の必要がありません) 2、本来の物と異なる物を引き渡すこと (「本来の物」と言っていますが、「本来の金銭」でもかまいません。 なお本来の物と同じ物は普通の弁済であり、代物弁済ではありません) 3、給付が弁済に代えてなされること (弁済の変わりに物を渡すことが「代物弁済」なのですから当たり前です。) 4、債権者の承諾があること 1から3は至極当たり前のことを書いているだけですから、 注目すべきは4ですね。 結局債権者の承諾が無くては代物弁済はできません。 なぜなら、お金が欲しいと思って契約しているのに、 いくら相当の価値があるとはいえ勝手に別の物にされたら 契約の意味がありません。 なので法律に書いてあるからといって絶対に代物弁済できるというわけではなく、債権者の承諾が必要です。 つまり、いくら清水君が車で払うことを望み、その車が中古車価格で100万円を下らないものであったとしても、三島さんが承諾しない限り代物弁済はできません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年01月13日 17時29分59秒
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