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テーマ:法律(493)
カテゴリ:憲法
昨日までで、権利のお話は終り、その権利が害される場合は どんな場合なのかをお話しました。 しかし、権利はそれだけではなく、もっとこまごました 権利もあります。 初めは割愛するつもりでしたが、せっかく憲法に 触れたのですから、そのようなこまごましたマイナーな権利にも ちょっと触れてみましょう。 第十六条 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。 まずは請願権です。 誰であっても(外国人であっても)、何についても 国に請願することが出来ます。 万能の権利だ!と思った方もおられるかもしれません。 しかし、この請願権は単にお願いする権利に過ぎません。 つまり、国は請願に応えて何か行動する義務を負うわないのは もちろん、請願について返事をする義務すらありません。 単に受理する義務しかないのです。 それじゃ一体何のために請願があるんだとお考えになるでしょう。 それは、一種のアリバイ作りのためにあります。 例えば、ある地域の人が「裏山が崩れそうだから 国で補強工事をして欲しい」と請願したとします。 もちろん、国には行動する義務はありませんから、 すぐに国が補強工事をしてくれる可能性は低いです。 しかし、受理義務はあるので、国はその請願を 受理しなくてはなりません。 すると、もしその裏山が崩れた場合どうなるでしょう。 請願してなかったら、 「裏山が崩れそうだったなんて知らなかった。 いくら国でも全ての山の危険性までは判断できない」 といって責任逃れが出来ます。 しかし、請願していれば国は請願を受け取っていますので、 「裏山が崩れそうだったなんて知らなかった」と 言って責任逃れをすることが出来なくなります。 このように責任逃れを封じる手段として請願権が 有ると考えられています。 これが請願権の意義なのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年10月06日 10時26分35秒
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