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テーマ:法律(493)
カテゴリ:刑法
第6章 社会に関する罪 8 強制わいせつ罪 さて、問題です。 昨日の強姦罪は、男性が女性に行為をした場合をいいました。 では女性が嫌がる男性を押し倒し、行為に及んだらどうなるのでしょうか。 あるいは、男性が男性に行為に及んだらどうなるのでしょうか。 そこで、もう一度強姦罪の条文をご覧下さい。 (強姦) 第百七十七条 暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。 「女性を姦淫」とありますね。 ですから、強姦罪は女性が被害者の場合のみです。 男性が被害者の場合は強姦罪にはなりません。 では、女性が男性に行為に及んでも無罪なのでしょうか。 そんなことはありません。 強制わいせつ罪になります。 (強制わいせつ) 第百七十六条 十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。 十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。 この条文は「男女」となっていますので、およそ男女にいやらしい行為をすれば強制わいせつ罪になります。 ですから女性が男性に行為に及んだり、男性が男性に行為に及んだ場合は強制わいせつ罪として処罰されます。 しかし、強制わいせつはこんなレアなケースを処罰するために制定されたのではありません。 姦淫に及ばなくても、およそいやらしい行為から人を守るためにあります。例えば、セクハラやいたずら行為。そして痴漢行為にも適用されます。 痴漢というと一瞬だったり、単に触るだけというイメージから「暴行又は脅迫」がないのではないかとお考えかもしれません。 しかし、この「暴行又は脅迫」とは反抗を著しく困難にする程度の 物を言います。 つまり、痴漢行為を反抗するのに困難な状況であれば強制わいせつ罪が成立します。 そうすると、ほとんどの場合、反抗が困難な状況で痴漢がなされるでしょうから、一瞬の痴漢でも強制わいせつが成立します。 一瞬触っただけで最低半年間の懲役生活です。 ちかんもれっきとした犯罪です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年01月08日 10時39分44秒
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