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2005年01月14日
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テーマ:法律(493)
カテゴリ:民法


民法家族法編 第2章 相続分野

6承認・放棄

相続においては、通常は土地や財産を得られますから相続を承認するのが普通です。

第九百二十条  
相続人が単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

当たり前じゃないかと思うかもしれません。
しかし。もう一度条文をご覧下さい。
「権利義務を承継する」となっていることにお気づきですか。
相続と言うのは財産を得るだけでなく、死んだ人の義務も得てしまうのです。
ということは、もし死んだ人が借金を背負っていたらその相続人は借金を背負ってしまうのです。
死んだ親の借金は子の借金ということになります。それでいいじゃないかとお考えかもしれませんが、親は子の知らないところで借金できるのですから、自分の知らないうちに借金が増えていくのではたまったものでは有りません。
なので、借金を背負わないようにする方法があります。
それが、相続の放棄です。

第九百三十八条  相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

第九百三十九条  相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初から相続人とならなかつたものとみなす。

このように、相続の放棄をすれば自分は相続人でなかったことになり、借金を相続させられることはなくなります。
ただし、いつまでも放棄が出来るとすると借金取りは誰に請求したらいいのか分からなくなりますので、放棄については時間制限があります。

第九百十五条  相続人は、自己のために相続の開始があつたことを知つた時から三箇月以内に、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。

「相続の開始」を知ってからから3ヶ月以内に相続放棄の手続をしなくてはなりません。
そして相続は財産をもった人が死亡した時に開始されますから、ほとんどの場合財産をもった人が死亡したことを知ったときから3ヶ月以内に相続放棄をしなくてはなりません。もししないと、相続を承認したことになり、財産と同時に借金も相続したことになります。

ここで注意していただきたいのは、借金の存在を知ってから3ヶ月以内ではないということです。あくまで死亡を知ってから3ヶ月以内なのです。
とすると、実際に次のような事件が起こりえます。

例えば、妻のある清水君が500万円の遺産を残して死亡しました。残された妻は泣く泣くも清水君の財産を相続して、新しい生活をはじめました。
ところがその3ヵ月後、突然、蒲原達樹がやってきて、「清水君に1000万円貸していた。そこで、相続を承認した清水君の妻よ、1000万円返してくれ」と言ってきたのです。
清水君の妻は借金があることを知らなかったばかりに相続放棄の手続をとらなかったため、1000万円の借金を背負ってしまいました。つまり、差し引きでマイナス500万円となってしまったのです。

どうでしょう。清水君の奥さんはかわいそうですね。「相続放棄をすればいいじゃないか」とお考えの方もいるでしょう。しかし、蒲原が登場した時期をご覧下さい。
清水君の死亡から「3ヵ月後」なのです。
そう、相続放棄の時間制限をすぎており、もはや清水君の奥さんは
相続放棄したくてもできなかったのです。
もし、借金があることを知っていれば相続放棄をしてプラスマイナス0円に出来たのに、相続放棄をしなかったのでマイナス500万円となってしまいました。
蒲原がもっと早く登場していれば、清水君の奥さんは相続放棄出来たのに・・・。

あれ?蒲原はもっと早くに請求できなかったのでしょうか。
実は、蒲原は相続放棄されたくないばかりにあえて3ヵ月後に現れたのです。
別に清水君の死亡を知ったのがたまたま3ヵ月後だったのではありません。借金取りからすれば、相続放棄されるとお金が返ってこなくなる危険があります。なので、借金取りとしては、相続放棄をせず、相続を承認した上で相続人に借金を払ってもらいたいと考えるのです。
ですから、借金取りはあえて相続放棄の時間制限内には登場せず、相続放棄の時間制限がすぎてから登場するのです。

そうはいっても、遺族からすれば知らなかった借金を突然払わされるのですから、非常に困ります。
そこで、判例(最高裁昭和59年4月27日判決 )によりますと、借金の存在を知らないことに相当の理由があれば借金の存在を知ってから3ヶ月となる場合があります。
しかし、「相当の理由」という抽象的な文言でお分かりの通り、実際にはどうなるか分からないというのが実情です。
ですから、家族の死亡で悲しんでいる時にまた心労の種が増え、ご遺族の心労は計り知れない物になります。


とすると、自衛するほうが現実的かもしれません。
つまり、万一これから皆さんのご家族に不幸があった場合は、大至急隠れた借金が無いか調べるようにしてください。大変お辛いとは思いますが、3ヵ月後にもっと辛い思いをすることが無いように借金の有無はお調べください。
また逆に今、借金をなさっている方は、ちゃんと借金の明細を残しておくことです。
たとえ家族にいえない借金だとしても、せめて遺言書と一緒に借金の明細を残しておいてください。
死亡直後に借金が明らかになれば、ご遺族に相続放棄の道があり必要以上にご遺族に苦労をかけることはありません。しかし、相続放棄できなくなってから借金を背負わされたのでは、ご遺族に不要な苦労をかけます。
どうか、自衛手段をとるようにしてください。


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最終更新日  2005年01月14日 00時08分57秒
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