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来年の靖国神社参拝には言及せず　首相、記者団に　asahi.com 2004/11/22 23:31

小泉首相は２２日、日中首脳会談で靖国神社参拝を中止するよう求められたことを受け、来年も参拝するかどうかについて「日中間は靖国問題だけではない。靖国の問題が（質問で）出ても、何も申し上げないことにした」と述べ、明言を避けた。首相はこれまで年に１度の参拝を公言してきており、参拝の継続を明言しないのは異例。
　サンティアゴ市内のホテルで同行記者団の質問に答えた。参拝問題に対する基本的な姿勢は変わらないとみられるが、中国国内での胡錦涛（フー・チンタオ）主席の立場に配慮するとともに、対中関係改善への意向をにじませたものと言えそうだ。
　首相は胡主席との会談について「中国の立場は理解した。私の立場も申し上げて、理解されたと思う」と説明した。ただ、靖国参拝によって中断している首脳の相互訪問の再開は「今すぐというわけではない」との見通しを示した。
　与党内などに、問題を打開するため靖国神社からＡ級戦犯を分祀（ぶんし）する考えがあることについては「政府が関与する問題ではない」と詳しい言及を避けた。無宗教の国立戦没者追悼施設の建設の是非についても「国民の動向を見ながら判断すればよい」と語るにとどめた。

日中首脳会談、１２時間後に報道＝ＴＶメーンニュースは伝えず－中国　時事通信　2004/11/23 1:01

　
【北京２２日時事】チリで開催されたアジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）首脳会議に合わせて行われた小泉純一郎首相と胡錦濤国家主席の日中首脳会談について、中国の国営新華社通信は２２日夜、会談終了から１２時間以上たって初めて報じた。
　ただ、同日午後７時（日本時間同８時）の中国中央テレビのメーンニュースは伝えなかった。２１日に行われたメキシコやオーストラリア、パプアニューギニアの各首脳らとの会談は、同ニュースを含めて２２日午後に報じられた。　

このいわゆる靖国問題ってやつは、実は有力な日本の対中カードだったりします。何で？って方はとりあえずココを読んで貰うとして、簡単に言うと、日本に経済的に依存している中国は、小泉首相が靖国参拝しようがしまいが具体的に悪影響を与えるような行動を行わない（行えない）ってことです。逆に国内での面子があるので、日本に一歩引いて貰わないと中国政府が困ってしまうわけですね。例えば、新幹線導入したいけど、靖国問題のせいで決められないよ～頼むよ～俺たちの顔を立ててくれよ～みたいな感じですかね。

そういう視点で、今回のニュースを眺めてみると結構面白いかもしれません。朝日新聞的には、中国に小泉首相が配慮したっていうスタンスで報道してますけど、実際は、小泉首相が胡錦濤国家主席に揺さぶりを掛けているように思えます。つまり小泉首相は、「もう靖国問題でぐだぐだ言うのはお互いに控えましょうね」というメッセージを送って相手の反応を見ているわけです。しかも靖国参拝に行くか行かないか明言しないということは、胡錦濤国家主席にとっては、かなり厄介なことでしょう。なぜなら１年間、小泉首相に靖国参拝カードを与えることになるからです。

もし小泉首相が靖国参拝に行けば、日中首脳会談での要請を無視されるカタチとなり、中国国内で面子を潰されることになります。行く、行かないの選択肢を持つ小泉首相は、その他の交渉等で優位に立てるでしょうね。日中首脳会談を中国国内で控えめにしか報道しないのも、この靖国問題を沈静化させて政治問題として浮上させないよう配慮しているとの見方もできます。こうしてみると、小泉首相って本当に外交上手だなぁ～と素直に感心してしまいます。いや、マジで。


-追加-


自民幹事長「首相、靖国問題で中国に貸しつくった」　共同通信　2004/11/23 17:01

自民党の武部勤幹事長は23日、長崎市内の集会で講演し、小泉純一郎首相が日中首脳会談後の記者懇談で、靖国神社参拝方針を明言しなかったことについて「胡錦濤国家主席に大きな貸しをつくっていることになる。今度は中国がどう出てくるか興味深くなる」と述べた。（後略）

オチャメな武部幹事長が素敵な発言をしているようです。わざわざ武部幹事長にこういうこと言わせるところが、まぁアレですな。中国ではなく胡錦濤国家主席個人への貸しと明言しちゃってるし。なかなか楽しいことをしますね、小泉首相も。