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古代ギリシアの哲人マロドトスは、その晩年に弟子に語ったという
「わたしの人生で唯一反省すべき点、それは帰宅に注意をはらわなかったことだ」 人生は短い。そして帰宅は毎日のように繰り返される。まさに帰宅は人生の一部なのだ。 「自らの帰宅に意識を傾けない者は、人生を軽んじている者である」マロドトスの言葉で ある。 「帰宅道(きたくどう)」は芸道界の密教と呼ばれている。華道、茶道と同じく芸道であり ながら、その厳しさゆえに触れた者は少ない。 僕のように帰宅道の修験者となると、凡百の帰宅市民にまぎれていても「あぁ、あの人は 違うな」と人は感じ入るのである。 僕の主な帰宅は会社から梅田駅までの約2キロである。しかし僕は2日と同じコースを歩か ない。つまらないからだ。 帰宅途中の道はちょうど碁盤の目のように走っているので、僕はあみだくじのようにジグザグ に歩く。この前はこの世のものとは思えないほど汚いお菓子屋を見つけた。すごく得をした 気分である。 今日僕はコンビニで買ったベビーカステラを食べながら帰宅を楽しんだ。お菓子を食べながら 帰宅するというのは帰宅道の基本である。帰宅そのものを満喫していることを他人にもアピー ルできるからだ。言うまでもないが、空腹では帰宅に集中できない。 ベビーカステラを食べながら、僕は普段より遠回りして中之島を歩いた。道草をくっている としか目に映らない市民はあまりにも感受性が乏しいと言わざるをえない。僕は常に他人より もワンランク上の帰宅を意識しているのである。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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