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人工妊娠中絶術

人工妊娠中絶術

母体保護法という法律に基づいて行う手術です。

◆人工妊娠中絶とは
胎児が母体外で生存できない時期に、人工的に妊娠を中断させて胎児を母体外に出すことを人工妊娠中絶といいます。胎児の発育がみられなかったり、母体内で死亡してしまって体外に出す場合は、流産または流産処置とよばれ、人工妊娠中絶とは異なります。

◆中絶の理由
希望すれば誰でも自由に中絶できるわけではありません。
中絶を行える条件は、
1)妊娠の維持が母体の健康に著しく悪影響を与える場合、
2)暴行など、抵抗できない状態で妊娠してしまった場合、などです。
「胎児異常」や「経済的に分娩が困難」などの理由で中絶を行うことはできません。

◆同意書
中絶には、相手がわからない場合や、死亡や病気、行方不明などで意志を確認できない場合を除いて、母体保護法という法律で本人と配偶者あるいは相手男性の両方が署名・捺印した同意書が必要です。
未成年でも本人と相手の同意だけでいいのですが、当院では保護者の同意を得て手術を行うようにしています。

◆中絶可能な期間
5~6週と早い時期に手術をするとリスカが高くなります。
また10週を過ぎると不都合が起こる頻度が上がると思われ、
当院では7週から10週未満の間に中絶の予定を組みます

人工妊娠中絶が法律的に可能なのは、妊娠21週6日までですが、妊娠12週以降は簡単に中絶ができません。

胎児が大きくなってきているため、機械的に子宮口を開いただけでは胎児を母体外に出すことは困難になります。入院して、子宮頚管を拡張し、陣痛をつけて、お産をするのと同様な形で胎児を分娩します。

その後死産届を提出し赤ちゃんを埋葬します

当院では中期中絶は行っておりません。

◆中絶手術の実際
(1)外来受診
  妊娠週数を確認して、手術の日程を決めます
  手術に備えて血液検査をします
  同意書をお渡しして、手術に際しての注意を説明します

(2)前日に外来受診していただきラミセルを挿入します

(3)手術当日の注意

  【注意事項】
  ・静脈麻酔をするので、必ず朝から絶飲・絶食で来院します
  ・車の運転は危険ですので、公共の交通手段を使って来院してください
  ・当日は化粧やマニキュアはしないようにしましょう
  ・持ってくるものは、生理用ショーツ、大きめの生理用ナプキンです。
  ・術後は体が不安定ですので、付き添いの人に迎えに来てもらいましょう
  ・同意書は忘れないように必ず持参してください 

(4)手術後の注意
  ・手術後1週間はできる限り無理をしないようにします 
   陰部は常に清潔に保つようにしましょう
   無理をすると回復が遅れたり、子宮内膜炎や卵管炎などを起こす可能性もありま    す。安静にしましょう
  ・処方された薬をきちんと飲んで、ゆっくり身体を休めましょう。
  ・術後、順調に回復しているかどうかを診るため検診がありますので、
   指定された日に必ず受診してください。
  ・出血が長引いたり、発熱、下腹部痛などの症状がある場合は、
   検診の日まで待たずに、なるべく診察を受けるようにしましょう。
  ・医師の許可が出るまでは、セックスやスポーツは禁止です
  ・手術後の月経は1ヶ月~1ヶ月半ほどで来ます。
   月経が来る前に排卵がありますから、避妊を怠ると、
   次の生理を待たずに再び妊娠してしまうということもありますので、
   くれ ぐれも気をつけるようにしてください。

◆人工妊娠中絶のリスク
(1) 妊娠子宮はとても柔らかいものです。
   中絶手術は、子宮の中の胎児や付属物を、手探りで掻き出す盲目的な処置です。
   そのためときに子宮に穴があく(子宮穿孔)ことがあります。
   この場合は、入院して安静にし、抗生物質の点滴などを行うことでふさがることが   多いですが、穴が大きい場合などは開腹手術が必要になることがあります。
(2) 子宮の位置や収縮の状態によっては内容が一部残ってしまうこともあり、再処置   が必要になる場合もあります。
(3) 子宮の中や卵管に細菌感染をおこし、炎症で癒着が起こることがあり、
   中絶後の慢性の下腹痛や、不妊症、子宮外妊娠の原因となることがあります。

◆最初の妊娠は生んだほうが良いといわれる理由
出産をしたことのない人の子宮口は硬いので手術がしにくいです。
手術がしにくいと、手術によってトラブルが発生するリスクが高くなります。
万が一子宮口に傷がつくと、子宮口がゆるくなります。
すると次回妊娠時に予定日まで持ちこたえることができなくて、切迫早産をおこす原因になります。
こんな事情から、まず最初の妊娠は生んだほうが良いと考えられています。

出産をしたことのない方は、あらかじめ子宮口を開く(頚管拡張術)準備をしてから手術します。
ラミセルというスポンジを子宮口に挿入して2~3時間待ちます。
(ラミセルは、硫酸マグネシウムを含んだスポンジで、これを子宮口に入れておくと浸透圧で吸湿性が高く、子宮頚管の水分を吸収して膨らみます)

◆人工妊娠中絶術はどのようにして行われるか

研修医のための必修知識
詳しくお知りになりたい方は、上記ページをご覧ください。

麻酔の上、ソンデを入れて子宮の向きや大きさを確かめてから器具を入れます。
子宮の中身をかき出し、そして掻爬します。

◆人工妊娠中絶術のリスク
・子宮穿孔
妊娠すると子宮は軟らかくなります。その上、子宮の向きも人それぞれ異なります。
盲目的な手術である上に、上記事情から、手術時に子宮が傷つくことがあります。
・麻酔によるトラブル
手術の日は必ず絶飲絶食できてください
・術後の感染症
女性の体は、膣、子宮、卵管を経て腹腔とつながりがあります。そのため女性は上行感染といいますが、ばい菌がおなかの中に入りやすい体のつくりになっています。手術のときには子宮口を開いて道具を入れます。手術自身が感染の原因になるような特殊な手術です。

◆精神的に傷つきます
中絶後遺症候群
どんな女性も中絶をして悲しくない女性はいません。
女性にに取っては中絶も流産も大きな喪失体験です。

突っ張っているようでも、説明を聞くうちに涙ぐみます。
気持ちの整理をつけて手術に臨みましょう。
そして2度と同じ過ちを繰り返さないようにピルを飲む等をして避妊に気をつけましょう。




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