カテゴリ:今日のつぶやき
きのう30日、学習指導要領の全面改訂後初めての小学校教科書検定結果が発表された。
文部行政史上、未曽有の大失策・大失態で、一時は破綻と混乱の極に陥っていた「ゆとり教育」路線が、やっと完全に清算されて影を潜めたという朗報は、昨日からの各メディアの報道などで皆さんご存知の通りである。 僕の親戚には学校教師が複数いるので、その混乱ぶりはつぶさに聞いていた。笑いが止まらないのは学習塾ばかりなり、の本末転倒であったようだ。 われわれ保護者、現場の教師などの当事者や、心ある国民各層からも、悲鳴にも似た猛反発が噴出していた天下の愚策が撤回されたことは、まさに「過(あやま)ちて改めざる、これを過ちと謂う。過ちては改むるに憚(はばか)ることなかれ。」(論語)であり、慶賀の念に堪えない。 国語教科書では、日本の伝統文化を重視。小学3・4年から初歩的な短歌・俳句を教えることになったという。全く異論の余地がなく、いいことであろう。 一部の反日左翼勢力やメディアなどは、相変わらずゴチャゴチャとワケの分からん文句を言っているようだが、健全な保守層の国民の一人として、諸手を上げて賛成を表明する。 もう一歩進んでいえば、僕は煎じ詰めれば和歌・短歌こそが日本文化の精髄であり、世界最高水準の文学・文化だとさえ思っている短歌フェチ男なので、反対論などはくだらんノイズにしか聞こえない。 ちなみに、実際に教えられる短歌・俳句は、例えば下段に引用したような名作であるという。 僕たちが子供の頃は、こうした名句・名歌の類いは普通に読む文章にも出てきたし、周辺の大人たちも自然に口にしていて、「門前の小僧、習わぬ経を読む」式に、誰に教わるということもなく何となく知っていたものだ。 ・・・が、今はこうした社会的素地というか、環境が失われている。学校で一律に教えるほかはないだろう。 レベルとしても、この段階では古典文法などの高度な内容が要求されるわけではなく、楽しみながら親しめばいのだろうから、きわめて妥当な線であろうと思われる。 ■ 明治図書・国語教科書立ち読みウェブサイトより(・・・ページ内の「画像で立ち読み」ボタンをクリックすると、実際のレイアウトのポップアップ画面で読めます。) 【俳句】 古池や蛙飛び込む水の音 五月雨(さみだれ)を集めて早し最上川 夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡 ──松尾芭蕉 菜の花や月は東に日は西に 五月雨や大河を前に家二軒 春の海終日(ひねもす)のたりのたりかな ──与謝蕪村 雪とけて村いっぱいの子どもかな 名月をとってくれろとなく子かな 大根(だいこ)ひき大根で道を教へけり ──小林一茶 白魚やさながら動く水の色 ──小西来山 赤とんぼ筑波に雲もなかりけり いくたびも雪の深さをたずねけり ──正岡子規 遠山に日の当たりたる枯野かな ──高浜虚子 赤い椿白い椿と落ちにけり ──河東碧梧桐 木がらしや目刺に残る海のいろ ──芥川龍之介 【短歌(和歌)】 天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも 安倍仲麿(あべのなかまろ) 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを 雲のいづこに月やどるらむ 清原深養父(きよはらのふかやぶ) 月見ればちぢに物こそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど 大江千里(おおえのちさと) 君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな 藤原義孝(ふじわらのよしたか) * 短歌は、すべて藤原定家編「小倉百人一首」より 教科書検定 愛国心、色濃く 【毎日新聞】 30日に検定結果が公表された小学校教科書は、「学力向上」の狙いから分量を増やしただけでなく、日本の伝統文化に関する記述を大幅に増やしたのも特徴だ。「愛国心」を掲げた改正教育基本法の理念が色濃く反映された結果と言え、国語の3年で俳句、5年で古文・漢文も登場。社会では地図上の竹島と韓国の間に国境線を入れるよう求める検定意見が初めて付いた。【加藤隆寛、内橋寿明】 ◇伝統文化の記述拡充 小学3・4年で短歌・俳句 印象派やめ「風神雷神図」 国語では11年度実施の新学習指導要領に基づき、5~6年で古文・漢文の学習と音読が新たに加わり、3~4年では短歌と俳句を学ぶ。これらは一部の小学校教科書で扱われた例はあるが、全教科書に本格導入されるのは初めて。1~2年では「ヤマタノオロチ」「いなばの白うさぎ」などの神話も登場した。 他にも狂言の音読や国宝▽雅楽器▽宇治拾遺物語――など、伝統文化が次々と登場。図工では西洋の印象派絵画を「風神雷神図」「鳥獣戯画」など日本画に入れ替え、算数では江戸時代の和算の紹介ページが増加。東京書籍の家庭科(5・6年)では伝統的な食事として「ご飯とみそ汁」の記述が4ページから6ページになった。 古典をはじめとするこうした記述の拡充について、神奈川県内の小学校女性教諭(30)は「子供は結構、(古典に)食いついてくると思う。普段聞き慣れない言葉に触れることを面白がるから」。ある教科書編集者は「昔も今も人は同じようなことを考えていたのだと知れば、中学で古典を学ぶ時に身構えなくて済む」と言う。 一方、指導歴40年の埼玉県朝霞市立朝霞第十小、三輪民子教諭(62)は「昔の人の思いを知るのは大事なことだが、(古典などの)あえて難しい素材を持ってくるのは疑問。『意味が分からないうちから覚えさせ、愛国心を育てよう』という狙いを感じる」と懸念した。 [毎日JP 3月31日(水)13:00] 小学教科書、ゆとり決別 文科省検定、11年度から25%増ページ 【読売新聞】 文部科学省は30日、2011年度から小学校で使用される教科書の検定結果を発表した。 「ゆとり」が特徴だった学習指導要領を全面改定し、学習内容を充実させた新指導要領に基づく初めての教科書で、学力低下不安から内容を増やした現行教科書と比べ、平均ページ数は全体で25%、算数で33%、理科で37%増えた。基礎の反復や実験、観察も増え、情報を使いこなす力、思考力、表現力の向上も意識された。日本の伝統文化も多く盛り込んだ。 教科書の内容は、ゆとり教育を反映した00年度検定の教科書(02年度供給)で大幅に削減。03年度検定(05年度供給)で要領を超えた「発展的記述」を取り入れて増やされたが、今回の検定で「ゆとり」から完全に決別した。ただ、教える内容の選択が現場に委ねられた面もあり、今後は授業時間の確保や教師の質向上が課題となる。 今回の09年度検定で合格した小学校教科書は9教科の計148点。各教科ともページ数を増やし、特に主要教科で質量とも充実した。00年度と比べると、平均ページ数は全体で43%、理科と算数で67%増。理数、社会では、標準的なB5判より横に長い「AB判」が、現行の7倍の42冊に増えた。 国語では、新聞記事の編集の仕方や書き方に注意して読むことを通じ、言語能力を高めようとする活動が登場。社会では、インターネット上の情報が正確か否かを読み解く力などを身に着けるページが充実した。 [読売新聞 3月31日付] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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