カテゴリ:うたのおけいこ
坂本野原 「短歌人」12月号掲載作品
そこのきみ空気ばっかり読んでるときみも空気になっちゃうんだよ 願掛けに星を見つめる 絶望がしたかったのだかつてのわれは カルダモン求めにゆけばオピオイド分泌されてプチ鬱癒す ぶら下がる鈴に見立てた擬音語か それは素敵だおちんちんとは スイートテン・ダイヤモンドを話題にもしないわたしと妻の分別 S&Bのホンコンやきそば今もなお 四千年間進歩せざりき 食欲の抑制で成り立っている桐谷美玲、笠森お仙 * 10月号掲載作品「三十五超えたら嘘を嘘として楽しんでいる自分がいたよ」が、今月号「作品月評」欄に掲載されました。 【「短歌人」編集委員、歌人・紺野裕子氏選評】 真実はただ一つとは限らず、まして嘘との境は見極めがたい。嘘は騙すこととは違う。切羽詰ってつく嘘や言い訳のための嘘など、ゆとりをもって聞けるようになった。三十五歳は作者にとってそういう年齢なのだ。「楽しんでいる」にはアイロニカルな響きも感じられる。 【自註】 この作品は(ブログ上では註記したが)10月号の詠草締め切り間際だった8月9日深夜(10日未明)に生放送された『オードリーのオールナイト・ニッポン』(ニッポン放送系全国ネット)における、理論派芸人・オードリー若林正恭(36)のお笑い芸の「予定調和・お約束」に関する発言からインスパイアされたものである。 一種の表現論的な趣旨が私の本意であり、若干ニュアンスは異なるのだが、短歌は一旦発表されれば作者の手を離れ、どう読むかは全く読者の自由である。上記のような読み方も十分想定内であり、むしろ普遍的だろうと思う。丁寧な解釈を素直に忝く受け止めたい。 2014年10月作 新仮名遣い 著作権を有します。 (c) 2014 Nohara Sakamoto Daddy Bear All rights reserved. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年12月22日 12時58分16秒
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