『身毒丸 復活』:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
●公演日程:2008年2月27日(水)~3月4日(火) ●演 出 :蜷川幸雄 ●作 :寺山修司/岸田理生 ●出 演 :身毒丸(しんとくまる)…藤原竜也撫子(なでしこ)…白石加代子父親…品川徹小間使い…蘭妖子仮面売り…石井愃一せんさく…渡部駿太(中曽根康太) ●料 金 :全席11,000円(全席指定・税込) 電話予約も貸切抽選でもチケット取れなくて、ダメ元で当日券並びました。お昼公演は当日券発売の50分前に着いて、すでに8人程並んでる。当日券は3枚とのことなので諦めて、他の用事して、3時にチケット売り場に戻ってきました。2番目だったので、頑張って並びました。発売15分前に夜公演の当日券は5枚とのこと。席は期待してなかったのだけど、2枚だけ6列30番の良い席で見ることができました。藤原達也の舞台は初めて。白石加代子さんの演技にはずっと興味があったのだけど、舞台は『メアリー・ステュアート』以来久し振りの2度目。蜷川さんの演出というだけで興味大です。『身毒丸』は2002年にファイナルを迎えているのですが、米国の首都ワシントンD.C.のジョン・F・ケネディセンターからジャパンフェスティバルのオープニング演目として招聘したいとの依頼があり、今回の『身毒丸』の再演に繋がりました。ロンドン公演で藤原竜也が華々しく舞台デビューした噂は聞いていたのだけど、なかなかチケットを手に入れる機会がなくて。【あらすじ】(ちらしより)母を売る店で買い求められた女・撫子と、死んだ実母を慕い続ける義理の息子・身毒丸。“家”という呪縛の中で、憎しみあい、愛しあい、拒絶しあい、求めあう二人の、宿命の出会いと禁断の恋。【感想】さすが蜷川さん、やってくれますね!いきなりグラインダーの火の粉が飛び散るのにはびっくり防災準備はしてるんだろうけど、怖~いその火の粉を被りながら、舞台の奥のほうからゆっくりといろんな人物が登場します。仮面売りや物売り、大道芸人や狐の嫁入り?一種独特の耽美な雰囲気です。使われている曲もオリジナルなんだろうけど、変ってる~。歌手はうまい人ばかり。藤原達也は初演の時は15歳。今や25歳で、危うげな少年らしさはどうなんだろうと思ってたけど、体の線の細さは十分通用しますね。それに本人も言ってたけど、今度は少年というよりは青年と継母の官能の恋を表現するのもありかなと。性的な部分では、もう大人だからある程度現実に添わないと変な感じになるだろうしね。たらいでの水浴びのシーンは本当にすっぽんぽん(死語だって)になってるんだ~(皆の目が釘付け・・笑)もちろん、私も6列目で双眼鏡使いましたとも。そして、白石加代子の演技は素晴らしい。恵比寿の顔も夜叉の顔もできる女優さんはそうそう居ないよね。能を取り入れた振り付けや所作が綺麗です。せんさく役の渡辺君もしゃっきりしてて、可愛い。お父さんはちょっと勘弁してって感じ。演出のせい?役者のせい?家にこだわる割には、あんまり覇気がないような。しんとくの目が潰れた時の赤い血はリアルでした。盲目の演技は難しいだろうなあ。ちょっと寄り目すぎ?「お母さん!もういちど、ぼくをにんしんしてください!」の台詞には何が?最後は、最初とおなじ雑踏の中を、しんとくと撫子が手に手を取ってどこへ行くのか?