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名作落語大全集名作落語大全集本店 (クリックしてね) 落語について知るならココ! 古今東西の落語、タイトルは約2千。パズル、音楽のページもあるよ。 日記の中で落語会・寄席、音楽会などに出掛けた場合は、本店の「日記」に再録しています。 こちらでは紹介しきれなかった写真も収録してあります。 メルマガ:毎週一席を配信中 名作落語大全集(申し込みページへ直通) 越智月久の日記 [全3347件]
「東電はわしのマンションに対して、他の建物よりも高い料金を通告してきた」 「ひどいですね」 「さて、今回は10%の値上げだというが、原発を無くすと2030年には電気料金は2.5倍になると脅しを入れている」 「電発があれば今のままなんですか」 「それもないな」 「どうしてです」 「最初に料金が100分の1にまでなると宣伝した原発導入だったのに、事実はどんどん値上げされて、今や世界で最も高い電気料金になっているじゃないか」 「あ、そうか」 「それで、原発を今より5%減らしても電気料金は2倍になると答えている」 「余り代わりませんね」 「だって、原発は、発電以外に、地域への寄付とか、開発費とか、廃炉、燃料の後処理……他の発電の何十倍もの料金が掛かるのじゃ」 「あ、そうか」 「例えば、青森県。毎年5億円くらいの寄付をしていた。それがなぜか……言うまでもなく理由も分かっているのだが……2011年の震災以後、それが2倍半にもなる13億7千万円も寄付している」 「ええっ……」 「さあ、10%値上げして、会社として何に使うかという、来年度予算が出たのでチェックしてみよう」 「どうなりました」 「まず、その原発の推進費用が今まで通りの1千億円。しかし、原発をやめろという動きもあるから、新しい代替発電所を作る費用が別に1千億円」 「あれ……」 「JALは社員の3分の1をリストラしたのに、国によって会社は倒産させられた」 「ああ、そうでしたね」 「東電は、来年度の見込みとして、500人の新規採用を計画」 「ええっ……ふざけてますね」 「すごいな……リストラした社員を再雇用する道を開いているという話もあるが……わしゃこの計画書、冗談で作っているんだと思ったぞ。ところが、更に驚く数字が……」 「何です」 「会社の利益じゃ。純粋な利益として2815億円が出るように計算されている」 「そんなの許されるんですか」 「そう。賠償は国に任せ、儲けは頂きますという姿勢」 「何か、腹立ちますね」 「はい、以上のうち3千億円を削れば、一般家庭の値上げ分は必要ないということになる」 「東電のひどさが再確認出来ました」 「大阪の知事も妥協した……というが、電気が足りないというのが嘘だと分かっている人だと思っていた。それがここへ来て突然の理解……やっぱり……なのかなあ」 「了解した理由を説明していませんね」 「そこじゃ。それで負けと認めるとか、政府をつぶすというのも理由がなくなったと撤回……電気が足りないのを認めたのか、別の理由があるのか……何を考えているのか一つも伝わらない」 「そうですね」
「さあ、レコードやCDを紹介するシリーズ」 「旅の報告など入って、ダラダラと続いていますね……パガニーニだけで10回もあったし……」 「今日はその続きじゃ」 パダジェフスカ「かなえられた乙女の祈り」 「『乙女の祈り』で人気の作曲家じゃが、この曲は子供の頃に父親の誕生日に贈ったものだという。だから、形式も適当で技術も高くない」 「ひどい言い方」 「そのかわいらしさで人気になり、彼女は生涯この一曲で生活したと言っても過言ではない」 「へえ」 「で、チャプリナが彼女の全作品を演奏したCDを入手」 「他にもあるんだ」 「そう。タイトルもその一曲。他に『乙女の感謝』『第二の乙女の祈り』などの題名も見える。彼女の作品14曲を収録」 「珍しい資料ということですね」 バッハ:管弦楽組曲(マゼール) 「さあ、大作曲家バッハの登場じゃ」 「これも長くなるでしょうね」 「とりあえず管弦楽ってことで……なぜか第2番とヘンデルの『水上の音楽』のカップリング。演奏は素晴らしい」 音楽の捧げ物(パイヤール団) 「古いレコードじゃが、この曲が大ヒットしたきっかけの名演奏。曲順を入れ替え、3声のリチェルカーレから始まり、中央にソナタを配置し、6声のリチェルカーレで締めくくるのも珍しい。更に、編曲も……最初の3声のリチェルカーレでは、いきなりフルートから始まるのでびっくりする。文句なし、大傑作の一枚」 音楽の捧げ物(リヒター) 「これも曲順を多少入れ替えている。6声のリチェルカーレをチェンバロで演奏したり、4世のカノンを違う解釈で演奏した2つを収録するなど、意欲的」 音楽の捧げ物(レーデル) 「こちらは6声のリチェルカーレを弦で演奏」 音楽の捧げ物(有田正広・寺神戸亮・他) 「こちらはチェンバロから入って弦が加わる」 「後半はどんどん手抜きになるね。6声のリチェルカーレの聞き比べですか」 「もちろん、他の曲も、それが面白いからね。因みに市販されている譜面にある解釈譜は明らかに間違っているものがあるから要注意」 「そりゃ大変だ」 「謎のカノンといって、譜面の一部だけを示して演奏するよう求めている。そこで出版社が解釈譜を付けているのじゃが、こうして聞き比べると、それぞれ違っているのも面白い。また、弦でやったり、フルートなどを加えてみたり、チェンバロだけで演奏したり……その面白さを堪能できる曲なのじゃ」 「はい、そういうことで」 「本日は管弦楽と室内楽だけで……」 「え、これだけ」 「他に全集などに入っているのじゃ……またいずれ」 「適当なご紹介」
「東京電力が値上げを通告してきた」 「ああ、夏から上がるって前から言ってますね」 「ところが、またしてもだまされているような感じ」 「何です」 「わしの家も一般家庭と同じ値上げがあるのかと諦めていたら……」 「違ったんですか」 「一般よりも高いのじゃ」 「え……だって……」 「マンションなのじゃ。100件を越える家庭が入っていて、一括で電気を配給しているから、そういう契約になっているというのじゃ。使用料が多いから他よりも高い値段になると……」 「ええっ……それじゃあ、断ればいいじゃないですか」 「企業ならね……一般家庭じゃから断れない。最初に言ったじゃろう。『通告』されたのじゃ」 「ひどいですよねえ」 「さて、よ○うりやさ○けいの身勝手なひどい記事を紹介して来たが、あ○ひが珍しくまともな報道をしている」 「ひどい言い方」 「この新聞社は、新聞を配達しないのに料金だけ徴収に来て、支払わないなら訴えるって脅しを入れてきた。それぎりお付き合いはやめているが……」 「実際には裁判まで行かずに和解しました」 「和解はしていないぞ。向こうは一切謝らず、そんな恐喝のようなことは言ってないし、うちのハンコを押した契約書を証拠として出して来たのじゃから……警察を呼んで、我が家の中に朝日新聞が1枚でもあったら払ってやる、もし無かったらどうなるか分かってるな……と、穏やかに話をして分かってもらったのじゃ」 「あまり穏やかじゃないね」 「神経を疑うのは、本当に古新聞を見に上がって来る……ちり紙交換に出したのをあさっていたという噂もあった。一方契約を断ったのに入れてくれたのがよ○うり新聞……ここは中身はクズでも配達員は気が利いていたのじゃ」 「ほめてないなあ」 「ということで、本日はこれぎり」 「また……大家さん、今日は東電の問題でしょ」 「え……どうして新聞の話題になったのじゃ」 「珍しくちゃんとした記事が出ていたっていうんでしょう」 「あ、そうか……話をそらすなよ」 「誰がそらしているんですか」 「さて、その新聞によると、東電では来年の社員の給与を今年より増やすという」 「え……だって、問題続きで、普通の会社なら倒産……給与カットが当たり前でしょう」 「わしもそう思う。ところが、今年よりも46万円増やして一人あたり571万円にするという」 「それはおかしいでしょう」 「そうじゃな。これは年俸制という奴で、今の給与は代わらないのじゃ。それに実績があった人に上乗せするから、上がるしかない……これは朝日では説明してない」 「だって、我々は……」 「最初に言った家庭向けの電気料金にもちゃんとこれが織り込まれているそうじゃ。社員の年収は700万くらいを今年は夏のボーナスカットなどで20から25%減らした」 「平均700万というのは、もっともらっている人もいるんですね」 「停年間近のわしの給与が50歳過ぎてから年俸700万じゃったから……」 「あら、平均が同じ。つまり、東電社員の平均年齢は50歳以上ってことじゃな」 「へえ」 「わしの所でも、震災の影響やら何やらで、2割カットされているぞ」 「東電と同じくらいですねえ」 「停年前の男と、社員の平均が同じなのじゃぞ」 「あ、これはすごいですね」 「因みに千人以上の社員がいる大手企業の平均給料は543万円。東電はさっき言ったカットで、平均が556万円になったとしている」 「やっと同じくらいになったんですね」 「しかし、それを比べるのはおかしい。不祥事があって問題山積の企業が、実績を上げている大手企業と同じ……実際にはもっと多いのじゃぞ」 「そうですね」 「それを更に上げると言うのじゃ」 「これでは生活出来ないから570万円に回復させるというが……そんなお金があったら避難している人に回せないのか。避難して給料をもらえない人もいるし、自殺者は出るし……賠償された割合を見てみろ」 「ううん……どうなるんでしょう」 「その駄目なよ○うり新聞にも出ているぞ。国の補助金でやっている震災の電話相談に1日2万件のアクセスがあるが、実際つながるのは1200件だそうじゃ。失業した、死にたい、誰かと話したいという貧困と孤独……失業中の男性は何日も食べていないと話し、支援員が食料を届けた……」 「震災の影響は大きいですねえ」 「震災じゃないじゃろう。震災だけならもう復興が始まっているじゃないか。原発が原因なのじゃ」 「確かに」 「国民から吸い上げて社員に給料与えるなら、本当に一旦解散してどっかに会社を売り、その売り上げを被災者に贈れ……なんて言いたくなる」 「はい、お爺ちゃん、そろそろ病室に帰りましょうね」
「そういうことで、パガニーニの作品もようやく最終回」 「長い道のりでしたねえ、途中で落語会や演奏会の報告は入るし、東北の旅が続くし……で、パガニーニの主題による大作曲家の作品を20人以上紹介しましたが」 「最後に、ジャズやポップスの編曲をご紹介……というつもりだったが……」 「あれ、何かありましたか」 「ま、こんなもんで……」 「適当の匂いが……」 Gypsy Music Vol2:カタンガ 「『パガニーニ・メドレー』、『ラ・カンパネラ』、『奇想曲』という、パガニーニの主題3曲が入っている。駅の売店で見付けたのじゃが、ちょっとお高めの千円」 Spring Song:オイゲン・キケロ・トリオ 「クラシックをもとにしたジャズトリオのアルバム。『カプリース24番』を収録」 幻想のアダージョ:ヨーロピアン・ジャズ・トリオ 「『24のカプリッチョ』を収録。手に入れて分かったけれど、これ日本人なのね」 天空のソナタ:ヨーロピアン・ジャズ・トリオ 「『ラ・カンパネラ』を収録。ただしリストの作品を元にしたもの」 RISING CROSSOVER:高知尾純 「金野貴明の編曲による『スーパー・カンパネラ』から始まる。高知尾さんが内田奈織ちゃんと共演された折にいただいたもの。もちろんサイン入り」 スカルラッティ編「ラ・カンパネラ」 「スカルラッティ親子じゃが、これは息子のドメニコによる編曲……だと思う。リストの編曲したものを、更に編曲したもの」 「そんなのあるんですねえ」 「ある訳ないじゃろう。スカルラッティは1685年の生まれ、1757年に亡くなっている。パガニーニより百年も前の人じゃ」 「どうしてそんなのが……」 「ビートルズを大作曲家の編曲で人気になったグロリューの作品。ビートルズ1・2、日本の歌、サイモン&ガーファンクルに続いて出た5枚目のアルバムで、何と大作曲家の作品を他の大作曲家のスタイルで演奏したもの」 「すごいね」 「当時の日本ではビートルズを知ってるがクラシックを知らない人が混乱していた。曲の途中でクラシックのお洒落なギャグが出ると客席が受けるのに、知らない人はなぜ受けているか分からないのじゃ……当時はそういう偏った聞き手も多かった。クラシックを聴く人も、ポップス系を蔑視していたりする、変な聞き手がいたのじゃ」 「へえ」 「アンコールでは『待ちぼうけ』のモーツァルトからバルトークへのメドレーや、都はるみの『北の宿から』をショパンが編曲したもの……などを演奏した……実はこれも録音しておいたのじゃが(公式に)パソコンが吹っ飛んで音源を失った」 「残念」 ゲゲゲのカンパネラ 「何ですこのタイトルは」 「『ラ・カンパネラ』のスタイルで『ゲゲゲの鬼太郎』を演奏したもの。ピアニスターHIROSHIの2枚目のアルバム『展覧会のエッ!?』に収録されている。これもなかなか面白いアルバムで、『アイネ・クライネ』に『スーダラ節』などのクレージー・メロディが乗ったり、『水戸黄門』が世界を廻ったり……ビートルズのクラシックもあるが、グロリューとまた味わいが違っている」 「はい、いいですね」 「実は、わしも10年ほど前に『ゲゲゲの変奏曲』を作った」 「どうでもいい話題ですね」 「無伴奏フルートの曲。パガニーニの『奇想曲』24番を始めるが、途中からゲゲゲの鬼太郎になり、これが主題提示。バッハの小フーガ、ベートーヴェンの春、ファリャの火祭りの踊りなどをハシゴして……もちろん、メロディは全部ゲゲゲの鬼太郎……それで最後に『ラ・カンパネラ』に戻ってしめくくる。フィナーレにはパガニーニの協奏曲第四番の分散和音から、鬼太郎旋律で切れるという……」 「変なものやりますねえ」 「ということで、わしの作品で、パガニーニのしめくくりと致します」
![]() 「さあ、心配された天気も無事に……」 「この日は傘を使いませんですね」 「ところがぎっちょん」 「え……降らなかったでしょう」 「福島へ向かうバスが走り出した途端に大雨」 「ええ……」 「サービスエリアでトイレに行くのに傘を使ってしまった」 「ううん……究極の晴れ男が、またしても本領発揮ですね」 「写真は山」 「どうでもいいね」 ![]() 「雲がかかっているが、雪の残った山も……」 「はい、まだ残っています」 ![]() 「こうして無事福島駅に到着。1時間前に着いたので、お弁当とビールを買って……」 「また飲んでるな」 ![]() 「こうして二階建て新幹線で帰ったという次第」 「はい……残念ながら無事に帰りました」 「まあ、無事に帰れなかったらこんな報告出来ないものねえ」 「そりゃそうだ」 「長々やって参りました東北散歩、今回をもって読み終わりといたします」 「チョン」
「原発については、あいかわらずドタバタしている」 「何かありましたか」 「まず事故調査委員会にカン元首相が登場」 「しましたねえ」 「これで疑問に思うのが、質問内容が全て東電の発言に添っていること」 「え……そうなんですか」 「これは前の中間発表でも、東電については想定外だったから責任は問えないという前提で作られていた。カンさんが口を出したから問題をこじらせたのだと……」 「そうですかねえ」 「今回はアリバイ工作のような時系列を示して、14日に撤退するなと命じたのに、翌日撤退はあり得ないぞという電話をし、直接出掛けて行って同じことを繰り返した。これはパフォーマンスに過ぎないと追及した」 「そんなことが問題なんですか」 「S新聞がすごいね。揚げ足取りに終止し、電話で『極めて初歩的な質問』を行い『仕事の邪魔』をした……という。『事故拡大を防げなかったことも、付近住民に適切な避難指示を出せなかったことも』、すべてカンが『人災の元凶』だったと決めつける。更に、この人が脱原発を言い出して国内からも海外からも嘲笑されたという……」 「納得しますね。脱原発を言い出した途端にカン下ろしが始まったんですからね」 「そうじゃな。A新聞とJ通信社はほとんど同じで、事故の原因は国であることを認めて陳謝したということ、電話で2度話したが、適切な情報が上がっていれば必要なかったと、ほぼ同じ内容」 「あれ……電話をして邪魔をしたってのは2回なんですか」 「それが全ての事故の原因ですか」 「S新聞では原発事故の対策本部が出来るまで2時間15分も掛かって、完全に手遅れになったと断言し、東電への『叱責』を『激励』と受け止めた作業員はいなかったと締めくくる」 「何か違うんですか。要するに、激励したつもりでも、相手が叱責されたと受け止めたら、それはいじめになるという構図じゃな」 「何だかおかしいね」 「結論、東電には何の落ち度もなかったが、政治判断のミスで大変な事態を招いてしまったということじゃ」 「よく分からない」 「さて、その原発をどうするか」 「2030年の計画が出ましたね」 「そこで原発の発電割合が今25%なのを35%に上げるという案が通過した」 「え……だって……」 「それで、脱原発という方向性があると反論した人がいたが、電気が足りなくなるという理由で押し通した」 「これもおかしいね」 「それで、結局議長の独断でこれは参考意見に回した。つまり必要性があればすぐに戻せるのじゃ」 「消えたんじゃないんだ」 「それで、電気料金がとてつもなく上がると脅しも入った。これも、発電だけの値段で計算したからとてつもない差が出た」 「原発は安いんですね」 「それをごまかすな、本当は幾らになるんだと再計算させたら……」 「どうなりました」 「今9900円の電気代が、原発を0にしたら23400円」 「わ、高い」 「ところが……やり直し計算によると、原発を15%残しても19900円」 「あれ……対して変わりませんね」 「原発0と原発ありでは、原発所在地への補助金とか、確保のためなら更に原発を作る必要があるのだから……今でも税金だけで1兆円を使っているのに……これは電気代ではなく税金から出ているのじゃ」 「おかしいですね」 「まあ、新聞社へも電力会社から相当なお金が動いているのは常識……しかし、こんな記事になるとはなあ」 「新聞も信用が出来ないかも知れない……」
![]() 「さあ、東北散歩もいよいよ佳境」 「ずっと佳境なんだから」 「毛越寺の庭園に出ましょう」 「すごい池ですねえ」 「浄土をイメージした庭園じゃな。大泉が池というが、こちらが現世で向こうが浄土」 「なるほど、お寺などの定番ですね」 「お寺では池は汚くて、蓮の花が咲く。浄化ということをイメージされる」 「はい」 ![]() 「こちらは船を入れてみた」 「何の船です」 「前日、義経が平泉の藤原氏を頼って来たというパレードが行われた」 「前日は大変な雨でしたねえ」 「それでも、昨年震災で中止されたからすごい人出だったそうじゃ。義経を演じたのは溝端淳平さん。90人で3キロをパレードし、ここでこの船に乗った」 「へえ」 「この船に乗った時がすごい雨だったとか……」 「大変ですね」 「しかし、『源義経公東下り』と題されたそうじゃが、これはおかしいな」 「へ、何です」 「まず、『東』というのは方角ではなく関東を意味するのが常識。それに、今日から日本海側へ出て逃げたのじゃから……まあ、東に行かないとこっちには来られないがね」 「うるさいオッサンだね」 ![]() 「向こうに見えるのが開山堂」 「ここを開いた記念の建物ですか……何が安置されているんです」 「分からない」 「きっぱり言うな」 ![]() 「常行堂。この左手に本堂があってしかるべきじゃな。今は金堂の跡がある」 「お寺の作りですか」 「西に浄土があるから、一般の寺では東から入り、西に池を越えて浄土を眺める」 「へえ」 ![]() 「池を回って洲浜から開山堂を振り返る」 「さっきの船も見えます」 ![]() 「さあ、最後に芭蕉の句碑をご紹介。二つともお馴染みの句、 夏草や兵どもが夢の跡 が彫られている」 「句については以前話をしましたね」 「義経や藤原氏が滅びた時代を懐古したもの。人間のはかなさと自然の素晴らしさを対比した傑作じゃ。それから光堂へ行って、 五月雨の降り残してや光堂 で、自然に立ち向かう人間の素晴らしさを歌い上げた。『奥の細道』で最も素晴らしい部分だと思う」 「はい」 ![]() 「こちらも句碑」 「あれ……英語ですか」 「 The summer grass. 'Tis all that's left Of ancient warriors' dreams. 新渡戸稲造が訳したもの。芭蕉の句は多く海外にもあって、わしもロンドンで『Japanese Haiku』という本を買って来た」 「へえ」 「まあいずれご紹介」 「誰も期待しないでしょうね」 「さあ、こうして、東北の旅も全ての予定が終わりました」 「今回をもって……」 「いや、後は関東へ帰るという……」 「あらら……まだ続くの」 |一覧| |
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