カテゴリ:中学受験
作家をしているくせに、息子に中学受験国語を教えるようになって、恥ずかしながら初めて読んだ作品がたくさんたくさんあります。
重松清さん、宮本輝さん、浅田次郎さん、内海隆一郎さん、梨木香歩さん……。 初めて読みました。 受験国語では作品のほんの一部分が載っているだけなのに、その文体の素晴らしさ、情感のこめかた、比喩のかっこよさ……。毎回ほんとうにほんとうに勉強になることばかりです。 息子が受験することにならなければ知らなかった作品がたくさんあったわけで。息子には感謝しなくちゃなあと思うこのごろです。でね、けっこういじめとか、離婚とか、そういう子どもが直面する悩みが出てくる作品も多くて……。素晴らしいなあ素晴らしいなあと思うことばかりです。 そんな私たちがいまハマっているのが文藝春秋から出ている「はじめての文学」シリーズ。 村上春樹さん、村上龍さん、よしもとばななさん、浅田次郎さん、重松清さん、宮本輝さんのシリーズが現在わが家にはあります。まだまだいろいろいろいろな素晴らしい作家さんたちのシリーズが出てるようです。 なんと難しい漢字にはルビまでふられて! 短編を中心に! わりと大きめのフォントで載っているシリーズなのです。 おそらく……中学受験生も意識してのシリーズなのでしょう。受験に出題された作品も収録されていました。 どこの学校の出題で見かけたかは忘れてしまいましたが、宮本輝さんの「トマトの話」はステキでした。命が消えかけた男の最期の望みというもので、とても哀しいお話なのですが、トマトがものすごい効果的に入っていて、まるで映画を観た後のような鮮やかな印象が残るんです。赤の衝撃です。 私は以前「あなたを買った夜」という小説の中で、男の子が着ていた真っ赤な服を脱いだ時に 赤が落ちた って書いたことがあって、ベテランのライターさんに「あの表現はステキだった」と何度も褒められたのですが、今になってなぜ気に入っていただけたのか、わかる気がします。 今までどうして宮本輝さんを読まなかったのか……。 改めて後悔しつつ、最近はちょっと宮本さんのいろんな作品にも手を伸ばしはじめています。 息子は重松清さんや石田衣良さんが好きです。 ああ、私も石田衣良さんの作品は前から好きです(≧∇≦)ハアハア! 息子の受験にぶちぶち言いながらつきあっていますが、実は私は素晴らしい利益をいただいているのですね。 自分が小説を書いているので、作品を書いた作家さんが、どれほどの魂をこめて、どれだけの労力を込めて、その文章を書いたのか、考えると本当に圧倒されます。相当の文章修行をしてこられたことでしょう。自分の作家としての小ささ、志の低さを反省してばかりいます。自分が子ども用プールでちゃぷちゃぷやってるだけだとして、この作家さんたちは大海を悠々遠泳されているくらいの違いがあると思います。 先日、とある文学賞の選考をされているかたとお話をしたのですが、作品を一文読むだけでも、その人の資質や志や人間性というものは出てくるものだというようなことをおっしゃってました。まさに受験国語の試験文章も、ほんのすこしの抜き出しだけなのに、そのキラキラした輝きは、私や息子の胸を確実に打っています。先をゆくかたがたは、なんて素晴らしい文章を書かれているのだろう。正直毎日、目も眩むような感動のなかにいるこのごろです。 ああ、ほんとうに文学って素晴らしい! 最近そう思ってばかりいます。 ・・・この経験が、自分の作品にも反映されるといいんですが(≧∇≦;がんばります・・・。 (≧∇≦)このシリーズ、全部買おうっと・・・。 すごく読みやすく親しみやすいシリーズなので、ぜひみなさんもどうぞ! 内藤みかケータイHPはこちら! http://micamica.net お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年09月15日 10時56分09秒
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