★みっちーずらいふ

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猫の白血病ワクチンについて

■猫の白血病ワクチンについて。

猫の白血病ワクチンができてからの歴史はまだ浅い。
私は今回、まいちゃんの追加予防接種の際、3種混合のみで白血病のワクチン接種はしなかった。
その事について書いてみようと思う。

白血病ワクチンの副作用として、接種部位の肉芽種の報告がされているのをご存知だろうか。
この事のついて調べてみたところ、3万数千頭を追跡調査した結果に行き当たった。

その追跡調査の結果では、猫10000頭に対し0.6頭あまりの猫が、ワクチン接種に関連すると言える腫瘍の発生を認めた、というものだった。
この値は、確立としては0.006%の発生率という事になる。

この結果だけ見ればかなり低い確率であり、ワクチンを打たずに病気になる方がよほど危険なので打たせようという気持ちになる。

しかしながら、我が家が懇意にさせていただいている獣医師は、積極的に白血病ワクチンをすすめる獣医師ではなかった。
立場上、否定もしないが肯定もしない。

猫のウイルス性白血病の感染経路は、ウイルスの排出されている唾液からが多い。
感染している猫と同じ食器を使う事などによって感染する。
垂直感染(母から子への感染)も報告されているおり、血液による感染、喧嘩などによる感染、グルーミングからの感染もある。

私は最初ワクチンで防げる病気は全部防いでいこうと思っていた。
しかし、白血病ウイルスへの感染は、感染経路から考えて完全室内飼いで他の猫との接触もないまいちゃんにはあまり必要性を感じなかった。
猫パルボの様に、乾燥状態でも数ヶ月生き続けると言われる強い耐性をもったウィルスなら、いつ持ち込まれるかは予測が出来ない。

受けさせようか迷っていた時、こういう声を聞いた。
「白血病にかかっていなかった猫にワクチンを打ったところ、すぐに白血病を発病して死んだ。」
・・・恐ろしい話である。

多頭飼いで、キャリアの猫と健常な猫を飼っている方には、感染の予防は深刻な問題となるだろう。
健常な猫への感染を避けるため、ワクチンを接種させる事を考えるのは当然である。

発病していなかった猫が、なぜ発病したか?
しかもワクチンを接種した後に。
問題はここにある。

私の知る限り、アレルギーの問題でもない限り、ワクチン接種の前にそのワクチンで防げる病気の抗体価を調べる獣医は少ない。
抗体価が下がっていると想定して追加接種を<毎年>受けさせるのが<日本では>一般的となっているようだ。
抗原を記憶したリンパ球の寿命や活動性の低下など考えると妥当かもしれない。
私は専門家でもないし、人間でも抗体価を調べてからワクチン接種を受けさせるのは一般的ではないから、病気の予防ができるなら毎年受けさせるべきだと思う。

白血病ワクチンが日本に入ってきた時には「白血病もワクチンで防げるようになったのか」と、嬉しく感じた。
しかし、そのたかが数年で、肉芽種の発生またはワクチン接種性線維肉腫の発生、ワクチン接種後の発病と死亡。これらの副作用(と言っていいか)の問題が起こったとはいかがなものか?

白血病ワクチンは、白血病に感染していない猫に対して行う。
ワクチン接種前に、感染の有無を調べる。
検査の方法としては採血をしてウイルスの検出を行うのだが、この方法でウイルスが発見されない事があるそうだ。
原因は何か?
ウイルスは血液中にのみ多数存在しているわけではないから。
骨髄内などに潜み、普通の検査方法では検出されず、それに気付かれないままワクチン接種を受ける事になる。
また、感染後1ヶ月しないと検査で感染が確認できない事もあるという。

ワクチン接種とは、一度病気にかかったのと同じような状態にして抗体を体の中に作り、病気に対する抵抗力をつくる事である。
白血病ウイルスに感染している事に気付かず接種させてしまうと、潜んでいたウイルスを活性化させる事になる。
すなわち、白血病が発病してしまい、死に至らしめてしまうのである。


新しいワクチンだからこそ副作用の報告が<今>されているのかもしれない。
ワクチンに限らず注射は全て異物であり、厳密に言えば副作用のないワクチンなど存在しないと言えるかもしれない。
白血病ワクチンに含まれるアジュバンドがワクチン接種性線維肉腫の原因ではないかと言われているが、他のワクチンでも注射でも、注射部位の炎症や、その後のしこり、腫瘍への発展がないとは言えない。

※アジュバンドについて
 アジュバント ad-juvant とは免疫助成剤の事。
不活化ワクチン(死んだウイルス)接種の際、生ワクチンによる免疫と同じようにする役目のものが必要になる。
生ワクチンであればアジュバンドは必要ない。
抗原に対する細胞性免疫や抗体生産を増強したり、長時間留まらせたりという役割を果たす。
細胞性免疫への抗原の取り込みを促進するという働き上、炎症やその後の線維肉腫が出来やすい。 




受けさせない事を全ての飼い主さんに勧めているわけではない。
外飼いの猫は、ワクチンを打つ事によって問題を抱える場合よりも、ワクチンを打たずに感染症に罹る可能性の方が明らかに高い。

猫の死亡原因の上位を占めるのも、白血病である。

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