紆余曲折を経て、今に至る
和裁教室に通い始めて3ヶ月経ちました。
最初、長襦袢の講習だけのつもりで通いだして、その後もしれっと通い続けて今日に至ります。
教室の先輩方を見ると、皆さん実家の母親に近い年代の方々ばかり・・・・
で、思ったのは
“あたしもとうとう、こっち側に来てしまったんだなぁぁぁ”
かろうじて、一人だけ20代とおぼしき女性がいて、あとはあたしと同年代か上の人達。
そりゃそうだよなぁ。
和裁を習おうと思う人ってそう居ないだろう。
でも、最近遥か昔のロングロングアゴー。古い古い記憶が甦る。
自分は手に職を就けたいと思ったのが中3の時。漠然とだけど、和裁士いいなと思った。自分で縫った振り袖で成人式。
良くない
それを母親に話したら、反対された。
高校ぐらいは出てくれと言うことか。
高校行きましたよ。いよいよ進路について考える時期が来て、色々選択肢も増えて、3年の間にあたしも考えることがあって、母親に話した。
とにかく資格を取りたかった。栄養士。
また、却下された。
母親曰く、
栄養士なんか、はいて捨てるほど居る、資格取得しても就職出来ないよ。
・・・ったく、今思えば姉にお金掛けたから、あたしには出したくなかったんだな。
こう言えば諦めると思って、背中押すどころか、足引っ張ること言うかね。
他にも候補があって言ってみたが、ことごとく難癖つけて却下され、
結果、トリマーの道に進んだあたし。
動物は好きだけど、これがかなりの重労働で、体が悲鳴をあげはじめ、5年であたしのトリマー人生は幕を閉じたのでした。
あ、高校3年の時に和裁士は選択肢になかったのか
と言う疑問が残りますね。
それは、和裁の学校に行かないで、和裁業者に直接入ってそこで覚えた方がいいと言う。そんなにお金が惜しいか。
その後、姉と振り袖を買いに行った母親。どうしても母親が気に入った振り袖があったが、姉が却下。これをあたし用に買った。
着る本人を無視して買うか
だいたい、趣味嗜好が全く違うのに、あたしも母親が独断で買った振り袖なんかやだ
この事が原因で、着物を見るのも嫌になった。これが高3の時のこと。
仕立ては叔母の知り合いに頼むとかで、田舎から採寸しに来ましたよ。
その、知り合いの方が言うには、品物は良いらしいが・・・・
出来上がって来た振り袖を見せられて、さめざめ泣きましたよ。
やっぱりやだ。
趣味に合わない着物着るくらいなら、成人式行かないと宣言したのでした。
それから和裁の和の字は一切出ることなく、記憶の奥底に封印。
結婚して、息子君が今年成人して、みほさんが学校卒業して、やっと子育ては一段落して、長襦袢の講習をきっかけに記憶が甦り、今に至る。
めっっっっっっちゃ、回り道したなぁ。あたし。
自分の事は後回しにしてきたあたし。
そう思うと泣けてきた。
本当に、本当に、そんなにやりたかったんだ。あたし。
もう、和裁士にはなれないけど、やっとやりたかった和裁。
やれてるよ。