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カテゴリ:出張裏話表話
イズミール、アイドゥンを離れて、ベルガマへやってきた。 ベルガマと言えば、遊牧民系のコットン糸の平面・幾何学モチーフのイーネオヤである。 ベルガマの中でも特定の、この地域は16の村からなり、村というより、集落の大きいぐらいの規模で、何もない山の中に点在する。 16の村で一番規模が大きいと思われるYB村。 ここではほとんどの女性がイーネオヤの技術を知っているらしい。 実際に編んでもいるようだ。 ところが、この地方独特の幾何学オヤを知っている人というのが、不思議なぐらいいないのである。 「おばあさんが持っていたような気がする」 とか 「昔はこういうのがあったらしいわね」 とか なんだか他人ごとなのである。 現在、編まれているのはナイロン糸のいくつかのパターン。 これらもこの地方独特と言えば独特なのだが、私が求めているのはもっと古い時代のコットン糸、平面、幾何学モチーフの3つのキーワードがそろったもの。 「こういうイーネオヤがこの辺りで作られていたはずなんだけど・・・・・・」 と資料を見せても、実際に見たことがない人がほとんどで、もちろん持っている人もいないのである。 とある年配の女性が言うには 「これはここの地方のイーネオヤだけど、50、60年前ぐらいに作られたのが最後で、今じゃ残っていないよ」 村の手芸屋でイーネオヤの取りまとめをしている女性いわく、 「その昔はコットン糸を使用し、一時期シルク糸がつかわれるようになり、今はナイロン糸で作られている」という。 各家から持ってきてくれて、見せてくれたイーネオヤは、全くの新しいものばかりで、でも若い娘さんが作っているというので、伝統は母から娘へと引き継がれていると思いきや 「母は編まないの。私は村で職業訓練講座があって、そこで習ったのよ」と。 う~ん。 今持っている、この地方の古いイーネオヤを大切にしよう・・・・と心から思ったミフリ社長であった。 どこへ行っても伝統としてのイーネオヤは終わり、職業としてのイーネオヤ。 出来上がりの美しさや満足感ではなく、いくらで売れるかの金銭的興味のイーネオヤ。 トルコのイーネオヤは本来の意味では作られなくなったのか・・・・・・と、かなりがっかりしていたところで、衝撃の事実と画像。 続きは次回。 でちょっとだけ予告。 大きなイーネオヤで有名なイズニック。 イズニックにほど近い、K村で。 この大きなイーネオヤを嫁入りで持って行く意味。 そしてこのオヤの使い道を、 話しで聞いていた伝統行事を、 実際に目にすることができたのである。 まだ出張先です。 イーネオヤの旅は続きます。 ご注文のお返事や発送が遅れて、ご迷惑をおかけしております。 日によってインターネットがつなげない状況があります。 月末にはアンタルヤに戻りますので、もう少々お待ちください。 すみませんが、よろしくお願いいたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年06月19日 07時28分50秒
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