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零戦のエースパイロットから学ぶ残弾10% byサカイサブローCASHFLOW101さんに紹介していただいた零戦のエースパイロット坂井三郎さんの本、5冊読みました。戦記ものは、オヤジが帝国海軍出で自慢話ばかり聞かされたので、どうも好きではありませんでした。ただ坂井さんの本はまったく違った趣で、これまた何度も読み直せる良書でした。特に大空のサムライは秀逸です。 印象に残るのはいろいろですが、その中のひとつ。戦闘後に帰還する場合、弾は10%を残しておくということ。送り狼に狙われた場合、戦闘機が弾切れではまずい。なのでどんな場合でも残弾10%。 これを某戦争カメラマンが、カメラマンの弾はフィルムと。坂井さんの本を読んで、どんな場合でもフィルムを10%残すこと肝に銘じていました。友達のカメラマンが戦場でフィルムを撮り尽くし、その帰り道にシャッターチャンスを仕損じた一方、この人は撮ることができて賞をもらったとか。 さて、投資家にとって弾とはお金!どんな場合でも最低10%のキャッシュポジションは残すべき。1億の借金では1000万のキャッシュは残すべき。絶好の投資機会でも、1000万のうち最低100万は残すべき。となるのでしょうか。 撃つ前に振り返れ by サカイサブロー 空中戦で敵機を照準に捕らえ、引き金を引く瞬間。この瞬間が一番危ないそうです。 その瞬間は前の敵機に息を止めて集中するので、後ろから撃たれやすい。えてして後ろで敵機が、こちらが止まる瞬間を狙っていることが多い。撃つ前に後ろを振り返り、敵機が迫っていないかを確認。特に死角を勘で見る。それから撃つ。 ピンチはチャンスと言いますが、チャンスはピンチでもあるんですね。命のやり取りを何度もしてきた戦闘機パイロットのお話です。失敗したら死です。死んだら再戦はありません。なので生き延びる方法を最重要にしているそうです。 これはまったく投資でも言えることのように思えます。撃つ前に振り返る。相場で仕掛ける前に、キャッシュポジションを振り返って見る。損切りラインの確認をする。クリックは簡単なので、決めてからパソコンの前に座る。不動産で指値を入れる前に、キャッシュポジションを確認する。周囲の入居状況を確認する。 生き延びるための知恵です。 据え物切りがベスト by サカイサブロー 一旦、乱戦、空中戦、巴戦になったら、相手を撃墜するのは容易ではないそうです。相手もプロだし死にたいと思っている者でもないし、こちらに大和魂があったら相手にはヤンキー魂がある。撃った弾にもGが掛かりそれてしまう。特に20ミリ弾は重くてダメだそうです。 最良なのは、相手よりも早く発見する。そして相手の死角から編隊で忍び寄る。そして急接近、一撃離脱。これが一番だそうです。真剣勝負にずるいとか汚いとかせいせい堂々などはない。 そのために見張り能力を平時から鍛えておく。昼間に天頂付近の星が見えるまで視力を鍛える。 自分のポジションを戦いが始まる前に最良の位置に持っていく。相手が気付く前に優位なポジションに自分を持っていく。 投資で言えば乱戦になる前に有利なポジション、有利な建て玉を築く。最初大きく取れたら、一撃離脱。不動産で言えば、有利な情報をいち早くキャッチして現場に行く。有利な情報が手に入るようなネットワークを平時から築いておく。見張り能力を鍛えるトレーニングをしておく。ということでしょうか。 間合いを詰めよ by サカイサブロー 初心者の場合、敵機に迫ったと思って引き金を引いても、100メートルは離れているそうです。なので当たらない。無駄弾を撃つだけ。実戦では間合いがどうしても遠くなってしまう。 ベテランでも大型爆撃機のような大きな機体だと、目測を誤る。敵機にぶつかりそうになってから引き金を引くぐらいでちょうどよいそうです。 竹刀や木刀の稽古では間合いを詰めていても、いざ触れれば切れる真剣に持ち替えた瞬間に腰が引けて、間合いが遠くなるそうです。 この真剣勝負の間合いを身に付けるには、平時から間合いの研究をするしかない。体に覚えさせるしかない。戦闘機なら陸上で飛行機に乗って近くの飛行機を見て、実際の距離と対応させて距離感を覚えていく。真剣では据え物切りを繰り返しやる。 投資では、自分の間合いが来るまでは無理をしない。平時から間合いの研究をしておく。どの辺から試し玉を入れるか見当をつけておく。動きにつられて弾を浪費しない。不動産では、利回りの基準を付けておいて、おいしそうな物件でも、満室でも、綺麗でも、立地が良くても手を出さない。物件が実際に出てくると舞い上がって、基準以下でも手を出してしまうということを防ぐ。といったところでしょうか。 マイナス頭を覚悟しておく by サカイサブロー 上空に上がると、空気が薄くなる、気温が下がる、エンジンの爆音で自分の声すら聞こえない、敵地上空では極度の緊張状態。 そんな環境下では頭は、地上の半分くらいしか働かない。そのマイナス頭でも、瞬間瞬間で的確な判断をしていかなければ、生き延びることはできない。 マイナス頭でもうまく働かせるように、平時から地上でそういう状態を想定した準備をしておくそうです。とにかく上空ではマイナス頭であると認識している必要があるそうです。 投資では、間合いに入ってきてさてという場面、これはかなり儲けられる!と一瞬でも思ってしまった場面で、興奮してマイナス頭になっているはずです。パソコンからとにかく離れる。マウスを握らない。ノートに書いてからパソコンに向かう。試し玉を入れる、一発で大きく取ろうとしない。せめて分割。 不動産では利回りの妙に高い物件を目の前にして、これはいい!と興奮している場面、数字の分析を忘れている、周囲を忘れて視野が狭くなっている場面ではマイナス頭でしょう。そんな時はひと息入れる。何か食う。友達に電話する、後ろを振り返る。 やはり平時の冷静な時に、マイナス頭に自分が陥った時の対処法を考えておくことが必要かなと。 自作航法計算尺 by サカイサブロー GPSの無い零戦、距離を測るのに地図と地形を見ながらの山勘航法だそうです。陸軍の大型機に途中まで来てもらうこともありますが、ベテランになると山勘航法でも帰還できるそうです。まるで伝書鳩です。 坂井氏は自分で工夫して、竹で作った航法計算尺をいつもポケットに入れて出撃。竹の尺に紐を通したもの。 ガダルカナル上空で被弾して目もほとんど見えなくなった時、この計算尺が役に立ちました。わずかに見える片目の血を唾で拭いて、ベッタリ付いた血糊を拭き取ってやっと見えた地図の上に、航法計算尺を当てて、ようやく位置を割り出して帰還へと向かいます。着陸した時には燃料はほとんど空だったそうですから、その簡単な工夫が命を救ったわけです。 自分の道具を工夫する。これはすべてにおいて、非常に大事なことのように思えます。 投資では、自分の手書きグラフ、場帖(ブロック)、玉帖を作る。ボクは透明の定規に、1.4センチピッチで赤線を4本入れて、1週間単位で1ヶ月の長さをすぐにグラフから読めるようにしています(グラフは1日2ミリなので1週間で14ミリ)。不動産では自分仕様の利回り表、DCF表などを作って検討しています。といったところでしょうか。 PS ミカコノコから風邪をもらって、ここ数日、キツイ思いをしていました。道具よりも何よりも、まずは健康!と思った次第です。 運命は分からない by サカイサブロー 前線で働いている搭乗員に、休養のための日本帰還が許されましたが、坂井氏はラバウルへ行くことに。ベテランが足りなかったからです。ここで帰還していた戦友には、ミッドウェーの海が待っていました。もし帰還していたら、生き残れなかったかもしれません。 後に、ガダルカナル上空で瀕死の重傷を負います。目に突き刺さったものを除去するために、日本で入院、手術。片目が見えなくなったので、搭乗できなくなるところを粘って、教官になります。 この時期、ラバウルの基地では搭乗員の戦死者が多く出ます。もしあの時に負傷して日本に送還されなければ、生きてはいなかっただろうと後に述べています。 塞翁が馬の太平洋戦争版です。人間の運命は分からない。いいと思ったことが悪く、悪いと思ったことがいい結果となることも。 ボクのオヤジは大戦末期に海軍に志願。空母信濃に乗艦するために呉に行ったら、行き違いで信濃は無く、やむなく館山航空隊に戻る。戻ったら沖合いに信濃が停泊中、ゼロ戦の発着艦訓練中。上官にボートを出してあれに乗せてくれと頼んだら、どうしたわけかダメだ、ここで働けと。その後、信濃は紀伊半島沖で米潜の魚雷を受けて撃沈。 ドラム缶を積んだ飛行艇に乗って大島に行く途中、B29の編隊に遭遇。一機のB29が追ってきて機銃を撃ってくる。海面すれすれを蛇行して逃げる飛行艇の中に機銃弾が飛び込んで、飛行機の鉄骨に当って乱反射。でもB29は途中で諦めて編隊に戻る。 館山航空隊基地に、何度もグラマンが飛来。毎日のような機銃掃射、爆弾投下。右肩に被弾するも生き残る。 オヤジは今だに健在。B29とグラマンの機銃弾を身近に感じた、数少ない生き証人になりつつあります。そのどの場面でも死んでもおかしくなく、死んでいたらボクははなから存在しないし、ミカコノコも存在しません。運命は本当に分からないし、たぶんこれからもまったく分からないでしょう。死ぬまで生きると観念して、毎日楽しく生きるのが一番か。 B17の尾砲に学ぶ by サカイサブロー 難航不落の空の要塞として登場したB17。坂井機に、あっさり撃墜されてしまう。坂井機はB17の背後に肉薄、20ミリ弾で撃墜。この撃墜で戦死した搭乗員は、後にアメリカで軍神として崇められることに。 米軍側は大変なショックだったようで、落下傘で脱出した搭乗員から聴取して、すぐにB17を改造する。背後に肉薄されて落とされたことから、背後の敵用の尾砲を付ける。機銃弾では落とされないはずだったのに落とされた。それに対抗するために、金属の内側をゴムで固める。 このような改造で、B17は本当に撃墜するのに困難な大型爆撃機に。零戦は旋回機銃の弾幕を縫うように機銃を打ち込まねばならず、撃っても撃っても煙も吐かない不気味な怪物となる。 背後はダメ。正面から対面して急接近して機銃を打ち込む方法も、危険な割りに効果が薄い。B17正面上空から、零戦の背中を見せるように垂直に宙返りしながら正面に急接近して、銃撃離脱という攻撃をするようになる。 米軍は悪い所を素直に認めてすぐに改造する。ドライに判断してドライに行動する。これは学ぶべきところかと。日本海軍の航空機は、米軍に比べて改造が遅れる。上の反対やら現場の声を聞かないやらで。山本長官が航空機否定論者とは始めて知りました。制空権下で撃墜されたのがその証拠?陸軍航空機の方が、技術の改良が進んだそうです。 素直に失敗から学び、すぐに改造する。物量の差の他にも、組織の硬軟の差が、敗戦を早めたように思えます。ちなみに坂井氏は、軍神となった搭乗員の息子さんと会い、その家に泊めてもらうほど親交を厚くしています。アメリカ人の美徳のひとつに、優れた者を階級の如何にかかわらず尊敬する点があるように思えます。米軍に何度も呼ばれて、記念式典では米空母にも呼ばれています。戦後は手のひらを翻すように軍人を避ける日本とは違います。 意地を張らずに間違いを素直に認めて、さっさと改造する、損きりする。投資で生き残るための絶対条件のように思えます。 ミッドウェーに学ぶ by サカイサブロー 日本空母4撃沈の大敗北。 米軍雷撃機を全機撃墜したのはいいが、上から艦上爆撃機が急襲。飛行甲板は魚雷と爆弾を付け替えている最中で、それに誘爆。貴重な空母4と貴重なベテラン搭乗員をまるごと失う。 爆弾付け替え作業中に、なぜ零戦を迎撃用に上げていなかったのか?艦爆のドーントレスなど、零戦の敵ではなかったはず。下を雷撃機で襲っておいて、上から爆撃は戦いの常識。例えて言うなら、ボクシングで右ボディーブロー、左フックで上下に打ち分け。キックで左ローの連発の後に、右ハイで上下打ち分け。 爆弾と魚雷の付け替えも無謀。魚雷に付け替えなくても、爆弾でそのまま出撃してもよかったはず。 航空戦の常識を知らない幹部が招いた大敗北。航空戦に幹部が弱かったのはなぜか?それは戦艦、大砲が海軍のエリートコースだったためだそうです。航空機は邪道で、山本長官も当初は航空機否定論者でした。そのため、幹部に航空戦に詳しい者がいず、航空戦作戦ではいつもまずいことをやっていたそうです。日本海海戦に勝ちすぎた余韻が、ここの大敗北を決定しているようにも思えます。 零戦隊の隊長も、仕官学校出の者が百戦錬磨の搭乗員を押しのけてなるそうです。学歴主義、実力を評価しない現場軽視主義。組織の幹部に、高学歴、現場軽視の人間が固まれば、ミッドウェーはいつでも起こる。 やはり柔軟な思考、柔軟な組織、新しいものをすぐに取り入れる進取の気勢、形式よりも現場、実践を重視する方向に変えていかなければいけないかと。今の日本の組織にも個人の投資行動にも言えそうです。 深追いは禁物 by サカイサブロー & サヤ取り仕切り 戦闘機どうしの空戦中は目の前の敵に夢中になって、ついつい深追いしがちになるそうです。ましてや初心者は確実にそうなるとか。 巴戦で敵機を追い回し、銃弾も当たりそうで当たらない。そうこうしているうちに高度はどんどん下がる。地面に激突しそうになり、家屋を飛び越え、木を避けて追い回す。敵地上空では非常に危険な状況です。でも無我夢中の当人には分からない。といったことがよく起こるとか。 深追が禁物なのは戦いの常識ですが、どこまで深追いでどこまで粘りなのか、追撃がいい時もあります。その適切な判断は、やはりベテランにならないとなかなか分からない。 ナンピンすかんぴん、ナンピン地獄は、まさしくこれ。さっさと見切って転進するのがベスト。 まずは生き残ること by サカイサブロー 初心者はへたくそで、一番機にくっついて生きて帰ってくるだけでやっと。敵を撃ち落とそうなどと考えたら撃ち落され、飛行機がもったいない。 何度も生きて帰還するうちに慣れてきて、腕も上がってくる。一番機から譲ってもらって一機撃墜してみる。そのころから腕も上がってくる。何度も繰り返すうちに敵から見ると非常に手ごわいベテラン搭乗員となっていくそうです。 さらにベテランとなると、めったに撃墜されなくなる。坂井氏は硫黄島付近で、グラマン15機に追われたことがあります。1対15。陸ならば塀を背に戦う、水を背に戦うことにより、直接の相手を少なくすることもできますが、空中です。 当時の戦闘機は機体の軸線上に機銃の射線があり、複数機が同時に撃つと見方同士が衝突してしまう。要は1機づつしか撃てないことを考えながら、常に後ろを見ながら横滑りとひねりこみで、射線をぎりぎりで避けていく。最後は硫黄島上空に辿り着いて地上砲火に救われる。 ベテランとなると15対1でも生還できる。そして再度の出撃。これほど相手にとっていやなものはない。玉砕は勇ましくて簡単だけど、何度も出てくる手ごわいベテランほどの戦果が上げられない。 坂井氏も馬鹿な上司の命令で玉砕作戦に参加したことがありますが、結局途中で撃破されて、帰還することに。その作戦の無能ぶりを著書でも書かれています。 まずは生き残って再出撃する。それを繰り返すうちにベテランになって、本当の戦力となる。 相場では文字通りの教訓となります。大きく取ろうと欲張る、深追いする、下手なくせに上手なふりをして無理をする、などは致命傷。生き残れずに、下手なうちに退場となってしまいます。小さく取る、損切りして生き延びることを何度も繰り返して、したたかなベテラン相場師になっていく。 不動産では、大物の1棟を狙い過ぎる。レバレッジを効かせ過ぎる。やはり1棟、1棟を大事に考えて、買い付け、管理を行う。とちったらその1棟は損切りする。などでしょうか。 巴戦よりすえもの切り by サカイサブロー 戦闘機どうしの空中戦で敵1番機を撃墜!といった派手な戦闘は、血気の初心者が目指すもの。手練は、敵より先に発見して、敵の死角より編隊で忍び寄り、腕の悪い2番機・3番機に急接近一撃離脱。すえものを切るような戦い方がベスト。 そのために平時から、見張り能力を鍛える、視力を鍛えるトレーニングをする。空を飛ぶ鳥を数える、真昼に天頂の星を見る。 相場をやると、毎日の動きに誘われて、つい空中戦をやりたくなります。でもそこは我慢で、すえものが現れるまで昼寝して待つ。すえものが出現したらさっと近寄って一撃離脱。長居は無用。 空中戦に誘われないためには、場帖とグラフを毎日落ち着いて付ける。日中は場を見ない。見たくなったら別の仕事をするか昼寝する。 そんなことを考えています。。。 |