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――何が正義の味方だ! お前が何もしなければ、余計なことをしなければ、誰も死ななかった!
――お前が正義とやらを振りかざさなければ、少なくとも、俺の家族は誰も死ななかった!!
――どう責任をとってくれるんだ!!
――正義とやらの責任を、お前はとることが出来るのか!?
――俺は正義を憎む!! 俺は、正義なんて何も信じない!!
――何もかも全て、クソくらえだ!!!

2.~轟竜迎撃戦~

―渓流<夜>―

ジンオウガ 「………………」

――お前の親父とやらが決めた制度のおかげで、俺達は何もすることが出来なかった!
――今日限り俺は組を抜けさせてもらう!!
――止められるモンなら止めてみやがれ!!!
――貴様の、お得意の『正義』とやらでなァ!!!!

ジンオウガ 「………………」
ジンオウガ (妻よ……我が子よ……)
ジンオウガ (すまない……)

ジンオウガ (俺は、俺の信じる正義のために行動した……)
ジンオウガ (結果、そのせいでお前達を危険にさらし、こんな状況になってしまった)
ジンオウガ (俺は……)
ジンオウガ (俺のしたことは、本当に間違っていなかったのか……)
ジンオウガ (『あいつ』の言うとおり、あの時のように、全て俺が悪いのか……)

ロアルドロス亜種 「パパ、まだ起きていたの?」
ジンオウガ 「……ああ」
ロアルドロス亜種 「ママ達なら、心配要らないわ。旧水没林からここに来た時も、いろいろあったけれど、結局大丈夫だったじゃない」
ジンオウガ 「そうだな……」
ロアルドロス亜種 「お兄様は怒っているけれど、わたくしまで怒る気にはなりませんわ」
ロアルドロス亜種 「パパは、パパの信じる正義のために行動したのでしょう?」
ロアルドロス亜種 「たまたま今回は、人間の方がうわてだっただけよ」
ロアルドロス亜種 「そのような偶然、いつ起きても仕方ありませんわ」

ジンオウガ 「…………」
ロアルドロス亜種 「それに、猫の撃ったバリスタでパパの右目は……」
ジンオウガ 「…………」
ロアルドロス亜種 「海の方の見張りを代わるわ。少しお休みになって」
ロアルドロス亜種 「お兄様が、もうじき海から帰ってくるはずよ。朗報を待ちましょう」
ジンオウガ 「……そうだな(ズシン、ズシン)」

ジンオウガ (妻よ……我が子よ……本当に海の藻屑となってしまったのか……?)
ジンオウガ (しかし、俺が見たあの未来の光景は……)
ジンオウガ (妙な真実味を帯びていた……)
ジンオウガ (何だったのだ、あの禍々しい竜は……)
ジンオウガ (イビルジョーや『あいつ』などとは似ても似つかない、ケタ違いの禍々しさだった……)
ジンオウガ (あの光景を信じるとすると……)
ジンオウガ (我が子は、生きていることになる……)
ジンオウガ (何故人間などといたのかは気になるが……)

ジンオウガ (妻よ……)
ジンオウガ (どうか、無事でいてくれ……)
ドスジャギィ 「…………」
ジンオウガ 「…………?」
ジンオウガ 「ドスジャギィ……?」
ドスフロギィ 「(ふらふら)」
ジンオウガ 「ドスフロギィまで……」

ドスフロギィ 「(バッ)」
ドスジャギィ 「…………チッ(バッ)」
ジンオウガ 「……?」
ジンオウガ 「何用だ」
ジンオウガ 「仮にもドスの者達が、他の組の者に頭を下げるなど、お前達の世界ではあってはならないことなのではないのか?」
ジンオウガ 「頭を上げろ」

ドスジャギィ 「ケッ。どこまでも気にくわねぇ野郎だ」
ドスフロギィ 「(ドリュッ)」
ドスジャギィ 「あ痛ァッ! キズを抉るなキズを!!」
ドスフロギィ 「……ドスジャギィが、お世話になりました……」
ジンオウガ 「世話などしておらぬ。俺は、渓流に現れた人間を追い払っただけだ」
ドスフロギィ 「それでも、あなた様には多大なる恩がありまする」
ドスフロギィ 「あなた様がいらっしゃらなければ、ドスジャギィは今頃、人間達の村に囚われていたことでしょう」
ドスジャギィ 「…………」

ジンオウガ 「…………」
ジンオウガ 「用が済んだなら、さっさと消えるが良い」
ジンオウガ 「今は、お前達に構っている暇がない」
ドスジャギィ 「ケッ」
ドスジャギィ 「そうさせてもらいてぇもんだが、てめぇに助けられたという義理が、俺にはあるもんでな」
ドスジャギィ 「残念なことにその事実は、煮ても焼いても消えやしねぇ」
ドスジャギィ 「その責任を、てめぇにとってもらわなきゃいけねぇんだ」

ジンオウガ 「ほう……責任か」
ジンオウガ 「例えば、どういうことだ?」
ドスジャギィ 「………………」
ドスジャギィ 「今日から、渓流のドス組一同は、ジンオウ組の傘下に入る」
ドスジャギィ 「オジキもそれは了承してる」
ドスジャギィ 「てめぇには、それを指揮してもらいてぇ」

ジンオウガ 「断る」
ドスジャギィ 「…………」
ジンオウガ 「何度も言うが、勘違いをするな。俺はお前などを助けたつもりは毛頭ない」
ジンオウガ 「結果的にそうなったにせよ、それは俺に縁なきこと」
ジンオウガ 「消えろ。俺の目が青いうちに」
ドスファンゴ 「…………まぁ、そう言わずに、我らの話を聞いてくだされ」
ジンオウガ 「……ドスファンゴ老!!」

ドスファンゴ 「先だっては、ウチの若い衆が無茶をやりまして、ご迷惑をおかけした」
ドスファンゴ 「この老体の顔に免じて、この馬鹿めらの話だけでも聞いてやってくれまいか」
ジンオウガ 「ぬう……」
ドスジャギィ 「(バリ……バリ……)」
ジンオウガ 「! 何をしている、やめろ!」
ドスジャギィ 「てめぇの傘下に入るなら、俺にはもう、この王者のエリマキは必要ねぇ」
ドスジャギィ 「(バリィッ!!!)」
ドスジャギィ 「(バシッ!)……グッ!!!」

ドスジャギィ 「持っていけ…………!!!」
ジンオウガ 「………………」
ドスフロギィ 「どうか……」
ドスファンゴ 「この馬鹿めらは、何の考えもなしに動いているわけではない」
ドスファンゴ 「無論、ワシもジンオウ組に、可能な限り協力をしよう」
ドスファンゴ 「ウチの衆の、魂を込めたエリマキ詰め、受けていただけんだろうか」
ジンオウガ 「………………」

ジンオウガ 「…………分かった。受けておこう」
ドスジャギィ 「…………ハァ……ハァ…………」
ドスフロギィ 「!! それでは…………」
ジンオウガ 「だが、俺はお前達の世話をするつもりも、尻を拭いてやるつもりもない」
ジンオウガ 「今は、それどころではないのだ」
ドスジャギィ 「…………ヘッ。知ってるぜ」
ドスジャギィ 「ヘマァやらかして、奥さんとガキが、海に飲まれちまったんだろ?」

ジンオウガ 「!! 何故それを……」
ドスジャギィ 「先生に頼まれて、ウチの組も総出で、探索をしていたんだ」
ドスフロギィ 「私も……協力をさせていただきました」
ドスファンゴ 「ファンゴ達も各地に走らせ申した」
ジンオウガ 「…………」
ドスファンゴ 「その結果、奇妙なことが分かりましてな」
ジンオウガ 「!!」

ドスファンゴ 「海沿いに住むファンゴが、夜、海の潮の流れに逆らって、何か巨大なモノが通過するのを、見たと言うのですじゃ」
ジンオウガ 「巨大なモノ……ですと?」
ドスファンゴ 「うむ。今まで見たこともないくらいに、巨大だったとか」
ドスファンゴ 「話を聞くに、おそらく、ジエン・モーラン様に匹敵する大きさのようじゃ」
ジンオウガ 「馬鹿な! そんな古龍様は存在していない!!」
ドスファンゴ 「若頭よ、ワシは昔、先代から聞いたことがあるのだ」

ドスファンゴ 「海には幾千幾万もの、魔物が潜んでいると」
ジンオウガ 「魔物……」
ドスファンゴ 「陸にいる蟲の種類を、ワシらは全部知らぬように、海に何がいるのかも、ワシらは知らぬ」
ドスファンゴ 「もしかしたら、海に棲む古龍が存在しているのやも知れぬ」
ジンオウガ 「しかし、それと妻子に何の関係が……」
ドスファンゴ 「もう知っているかもしれないが、お前さんの妻子が消えた場所は、ここから半刻ほど離れた岩場の近くじゃ」
ドスファンゴ 「その巨大な影が見られたのも、そのあたりなのだよ」

ジンオウガ 「………………」
ドスファンゴ 「もしかしたら……」
ジンオウガ 「(ググッ……)」
ドスファンゴ 「やめておくのだ(ガシッ)」
ジンオウガ 「離せ」
ドスファンゴ 「いいや離さぬ。付近の海は、ドス組によりくまなく調べている。それに、そちらにはロアル組もいると聞くではないか」
ドスファンゴ 「このような緊急事態の際には、頭はひとところに構えていなくてはならぬ」
ドスファンゴ 「その鉄則を、知らぬお主ではあるまい」

ジンオウガ 「…………」
ジンオウガ 「飲み込まれた可能性がある……と?」
ドスファンゴ 「あくまで推測の域を出ないがな……」
ドスジャギィ 「…………俺らの中で、泳ぎが得意な奴を潜らせて、海中で、何か巨大なモノが移動した痕を追わせてる」
ドスジャギィ 「だが、俺らでは限界がある」
ドスジャギィ 「ロアル組と連携してぇ」
ドスジャギィ 「だから、俺達はてめぇの傘下に入ることを決めたんだ」
ドスジャギィ 「文句は言わせねぇ……!!!」

ジンオウガ 「(ズイッ)」
ドスジャギィ 「…………な、何だよ…………?」
ジンオウガ 「(グイッ)」
ドスジャギィ 「(俺のエリマキを……)」
ジンオウガ 「…………………………」
ジンオウガ 「…………分かった。任せる」
ドスジャギィ 「………………」
ドスジャギィ 「ケッ……!!!」
ドスフロギィ 「ありがとうございます。これから、良しなにお願いいたします」
ジンオウガ 「………………(ズシン、ズシン)」

ドスファンゴ 「お前達は急ぎロアルドロス殿のところに行くのだ。ワシは若頭と話がある」
ドスジャギィ 「ちょ……まだ俺、エリマキ剥がしたから血ィ出てんだけど……」
ドスフロギィ 「つべこべ言わずにきなよ……(ドリュゥッ!)」
ドスジャギィ 「あ痛ァ!! キズをえぐるなキズを!!!」
ドスファンゴ 「待つのだ、若頭」
ドスファンゴ 「これからどうするつもりだ?」
ジンオウガ 「火山のウラガンキンの元に向かう」
ジンオウガ 「奇妙なお守りにより、息子の将来が見えたが、それをドサクサで無くしてしまった」
ジンオウガ 「類似するお守りがないか、聞きに行く」

ドスファンゴ 「ならば、ワシが共に行こう」
ジンオウガ 「ドスファンゴ老自ら?」
ドスファンゴ 「此度はウチの若い衆が世話になった。ワシは、全面的にお主に協力を惜しまぬ」
ジンオウガ 「…………」
ジンオウガ 「……かたじけない」
ドスファンゴ 「礼はいらぬ。行くぞ」
ジンオウガ 「…………ああ」

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最終更新日  2011.01.31 23:34:09
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