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ソメイが散り初め、桜並木にも若葉が混じり始めた、と思っていたら、見る間に新緑の季節である。 お散歩道の下草、雑木林の若葉の伸びように、日々目を見張って、驚きの声をあげていたその頃が、もう遠い昔のよう。 フジがほころび、ツツジが咲き…見る風景が、朝ごとにくるくる変わって、今、春の野辺は、見渡す限り、命の力にむんむんむせかえっている。 四季はそれぞれ美しいけれど、一輪の花が咲く、その営みの不思議に、これほど深く驚く季節は、やはり春を置いてはないだろう。 殊に今年はそうだった。 災害を起こし、無慈悲にも多くのひとを息絶えさせた同じ地球が、季節を巡らせ、草花の命をはぐくんでいる。春が来る、そのことの感慨を改めて深めたのは、私だけではあるまい。 自然の姿に神を見、畏れた、いにしえびとを想う。 神は人間の道徳・善悪を超えている、ゆえに神。 命に満ちた野辺に立ち、宇宙の(地球の)不思議を想う時、私は目の前に一筋の光明が射すのを感じるのだ。 春!
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