ブログを作る※無料・簡単アフィリ    ブログトップ | 楽天市場
068277 ランダム
プチ主バ祭りに伴う投票結果… (趣味・ゲーム)楽天ブログ 【ケータイで見る】 【ログイン】
MILK HOT CAFE

PR

Calendar

March 2012
SMTWTFS
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<一覧へthis monthnext>

Keyword Search

Category

Archives

Mobile

>>ケータイに
このブログの
URLを送信!

 

<< 前のページへ一覧

June 9, 2011 楽天プロフィール Add to Google XML

プチ主バ祭りに伴う投票結果

 当サイトをご覧いただきまして、ありがとうございます。


 トップに記載してある通り、6/30までプチ主バ祭りを実施しており、4/23~6/8まで「更新を期待されているもの」と称して投票を実施させていただきました。

 結果は以下の通りです。


 総数:58票。
 うち管理人のテスト投票が4票の為、54票とします。
 しかし、途中でエラーの為に投票不可とのご報告を頂き、この場で一票投じますので、最終的に55票となりました。

 一位(27票):「あまい主バ」「あまい別主バ」
 二位(1票) :「喧嘩する主バ」
 三位以下無し。
 
 コメントは、お一つ頂戴しました。
 「あまい主バ」に「心の赴くまま、じゃんじゃんやっちゃってください。」です。
 ……ありがとうございます。頑張ります!!

 
 以上です。
 
 一位となった二つにつきましては、祭り期間中の6/30までにアップいたします。
 しかしながら、管理人自身がこのような結果になること自体が予想外でしたので、しばらくお待ち下さいませ。
 なお、別主バにつきましては、トップに記載のとおり別サイトを作成しておりますので、そちらで処理いたします。


 たくさんのご協力をいただき、本当にありがとうございました!!

Last updated  June 9, 2011 21:54:31
コメント(0) | コメントを書く


June 1, 2011

愛の挨拶
[ 長編2:その後 ]    

 暖かな日差しが降り注ぐこの日。


 遥かな昔に建立された歴史ある建物の一室に設けられた部屋で、綺麗に着飾られた自分を何度、鏡に映したことか。

 昨日までとは違う、新しい自分。
 その時をいまかいまかと待っているせいか、柄にも無く緊張している様子がありありとわかるほどだ。

 この日の為に用意された、彼女だけの衣装。
 小柄ではあるが、バランスが整っているラインが綺麗に出せるように計算し尽くされた美しいドレスだった。
 そしてテーブルの上には出番を待つそれが、光を受けながら優しく輝いていた。もう何代も前からのこの日を見守ってきた、証とでも言うべき代物だ。


 ふと窓の外を見下ろせば、大勢の人々がやって来る様子が見て取れた。
 一大行事とも言うべき日だ。近隣エリアからはもちろん、遠路はるばるやって来る者もいるだろう。それだけ、世界中が新しい歴史の第一歩を歓迎しているということだ。

 その主役である自分が緊張しないわけがない。
 嬉しいのにひどく落ち着かなくて、室内を歩き回るだけでは飽き足らず、止められているにも関わらず、外の様子を見に行こうと決心したところ。

 ドアのノック音が聞こえたので返事をすると、入って来たのは長い金髪が印象的な美しい女性だった。まるで彼女が主役なのかと見間違うほどに美しい。
 だが、決定的な違いは、同じドレスでもタイトな装いなのだった。

 彼女は準備が出来たか確認しにきたのだと言う。
 案の定、中途半端になっている部屋の主を見て呆れた声を出した。テーブルに置かれたそれを手にすると、慣れた手つきで定まった位置につけてやる。

 礼を言う頃には、新たな来客があった。その誰もが見慣れた顔の持ち主ばかり。いつもと違うのは、先にやって来た彼女同様に礼装をしているというところだろうか。

 銀髪の青年は、まるであつらえたかのように良く似合っているから問題ない。
 しかし、眼鏡が似合う少年はともかく、大柄な彼が着込むとどうにも変な印象があるのは避けようがない。
 それを思わず口にすると、大男は真っ赤な顔をして彼女を非難した。しかしすぐに、金髪の女性に優しくたしなめられてしまうのだが。


 しばし談笑が続いた。
 今日の主役は、再び彼らの中に入れることに深く感謝していた。こうしてこの世界にいられるのは、彼のおかげなのだから。

 三度ドアをノックする音がして、入って来たのは今まさに彼女の思考を埋め尽くしていたその人だった。他の者達同様に着飾っているのは同じなのだが、彼の場合は通常過ぎてあまり変化が無いといったところが本音だ。
 その彼は入って来た途端に足を止めてしまったので、皆は不審に思った。しかし、良く見ればどうやら見とれているというのが正解のようだ。

 彼がやって来たということは、時間が差し迫っているという意味だろう。
 しばらくの後、彼らを呼びに来る者が入ってきた。連れ立って出て行く彼らの後に残された二人は、笑顔で二言三言交わした。

 やがて、手に手を取り合って会場へと向かえば、そこには大勢の人々の笑顔。
 二人のために用意された一本の道を歩く途中、彼女は何度も泣きそうになった。そんな彼女をこれまでになく穏やかな表情で見つめながら、彼はしっかりと歩いた。壇上で待つ人の元へ。



 「では、これより神に代わりまして誓いの儀を執り行います」

Last updated  June 1, 2011 22:41:39
コメント(0) | コメントを書く

April 23, 2011

プチ主バ祭りに伴う投票設置

 当サイトをご覧いただきまして、どうもありがとうございます。

 トップにも掲載しているとおり、6/30までプチ主バ祭りを実施中ですが、管理人一人ではなく、皆様と共有したいという思いの元に、投票を実施させていただくこととなりました。

 投票所はこちら

 期間は本日~6/8までとさせていただきます(6=6主、8=バーバラというイメージから笑)。
 内容は、「主バの更新を期待されているもの」です。今回は祭り中のため、主バオンリーとさせていただきました。一位となったものは、祭り期間中の6/30までにアップする予定です。

 選択肢に「別主バ」とありますが、簡単に言えば、DS版を基本とした「積極的な6主と奥手なバーバラ」です。詳細は、トップにリンクを貼ったブログ最上段の目次から設定ページに飛ぶことが出来ますので、お手数ですが、そちらをご覧下さい。

 なお、こういうシチュエーションで、というものがございましたら、一緒に教えていただけたら、嬉しく思います(例えば、長編2のどのあたりの番外編とか。もちろん、本編中でもOKです!)。
 よろしくお願いいたします。

Last updated  April 23, 2011 21:50:37
コメント(0) | コメントを書く

January 28, 2010

過去拍手8
[ 捧げ物 ]    

ウィル(以下ウ)「一年八ヶ月にわたって連載してきた長編が、こうして終わりを
         迎える事になろうとは、果たして一体誰が想像しただろう」

バーバラ(以下バ)「ウィルってば急にどうしたの?」

ウ「いやあ、だって最初は作者ですらわからなかったらしいからな」

ミレーユ(以下ミ)「それは私も聞いたわ。どうやら大筋は完成していたようだけ
         ど、訂正は日常茶飯事だったみたいだし」

ハッサン(以下ハ)「何だと?! それじゃあオレ達の新婚(?!)生活も最初は
          なかったと・・・」

テリー(以下テ)(―――怒)

バ「あ、それはかろうじてあったみたいよ」

ハ「か、かろうじて・・・」

ミ「仕方ないわよね。この話は元々、EDに不満を持ったことから始まったんだも
 の。どうしたって二人が優先になってしまうわ」

ウ「そんなつもりじゃなかったんだけどさ」

テ「あれだけやらかしておきながら、そんなつもりも何もないだろが、お前は」

ウ「だから俺はだなあ!」

テ「最初はヘタレ王子のままだったしな。どっちがどっちなんだか。おい
 バーバラ、本当にいいのか?」

バ「そうねえ。どうしようかなあ」

ウ「バーバラ!」

バ「ふふっ。冗談よ冗談」

チャモロ(以下チ)「・・・皆さんはいいですよ。僕なんか、ほとんど出番らしきもの
         がなかったんですから。せいぜい船を出港させる直前や、ムドー
         の島の崖だとかで」

ハ「まあ、お前は本編でもそこが一番の見せ場だったからな」

チ「ハッサン! あなたと言う人は、人が気にしていることを・・・」

テリー「お前なんかまだいいだろ。俺の役目って全然いいとこ無かったんだぞ」

チ「うーん、確かにテリーさんはちょっとかわいそうでしたねえ」

ミ「だからもう少し頻繁に顔を出してちょうだいって言ってるのに、聞かないからよ」

テ「いや、全然関係ないと思うんだが」

バ「いろいろ巻き込んで、ごめんなさいテリー。だけどね、本当はあの時私、す
 ごく嬉しかった」

ウ「一体何があったんだ?」

テ「いや、それはだなーーー」

バ「あのねえ、女性のプライベートにまで首を突っ込むのは、いくらウィルでも許
 さないわよ」

ウ「俺はそんなつもりはないんだけど、・・・ごめん」

ミ「ふふふ。確かに女性にはいろいろあるわねえ」

ハ「えっ?! ミレーユもだったのか?」

テ「まあそうだな」

ハ「何なんだよ、二人して!」

チ「まあまあ。何はともあれ、無事に終えたことをゲント神に感謝しなければい
 けませんね」

ハ「よしっ! それじゃあ、最後はビシッと決めてみっか」

ウ「そうだな。それじゃあいくぞ! せーの」

全員「「最後までつきあってくれて、本当にありがとう!!」」

Last updated  January 28, 2010 23:50:57
コメント(0) | コメントを書く

December 27, 2009

過去拍手7
[ 捧げ物 ]    

Merry Xmas 2009 Ver.



 また、今年もこの季節が近づいてきた。おそらく、一年で最も心躍る季節の一つではなかろうか。
 無縁の生活を送っている連中も、近づいてくると落ち着かなくなってくるのは同じこと。
 それは、何気なく訪れている町並みがライトアップされたり、この時期特有の装飾で一杯になったり。
 また、所々では家族連れがプレゼントを吟味していたり、恋人達が肩を寄せ合いながら予定を語らっていたり。
 そういったものを見ていれば、自分達だって加わりたいと思うのも当然のことと言えよう。町がいつもと異なる装いになり始めた頃から、当日の予定を決める思考へと、次第に移っていったのだった。

 「ーーーというわけで、僕はゲントに戻りますね」

 早速口に出したのは、チャモロだった。
 彼はゲント族の長老の孫。つまり、将来的に長老の地位を約束されたものである。
 ゲントの村は、派手な飾り付けや行事はしないが、世界のどの場所よりもこの季節にやることは数知れず、まさに猫の手でも借りたいような状態になるのだ。
 そして当日。
 村人たちは一斉に、ゲント神に一年の無事と新しい年に向けて感謝の意を表現する。
信仰心の厚い一族だけのことはあるのだろう。
 そのような時期に、長の家系のものが顔を出さないわけにもいかないのだという。

 「どちらかというと厳かな雰囲気に包まれるのですよ」
 「あそこはいつでもそういう雰囲気があるよね」

 言葉とは裏腹に、軽い口調で話をしたのはバーバラ。信仰の対象でないゲント神は、彼女にとってどちらでも良い存在なのだ。

 「そうかもしれませんが、この時期はより一層厳粛になるのです。我らゲントの神に忠誠を誓う、とても大事な時期なのです」
 「イメージとはかなり違うな。どんなものか見てみたいものだ」

 テリーが関心を示すのは、非常に珍しかった。さすがの彼も、この時期は傍観するのは難しいのだろうか。

 「いつでもどうぞ」
 「私もあいにくだけど」

 と言いかけたのは、先程からどの仲間たちよりも熱心にチャモロの話を聞いていたミレーユ。

 「その日はおばあちゃんを手伝わなければいけないの」
 「グランマーズの?」
 「ええ。時節柄、ひっきりなしに訪れてくる人がいるものだから、私も微力ながら手助けをしているの」
 「占いってことか?」
 「そうよ。他にもチキンやお菓子を焼いたり、イルミネーションを飾り付けたりで、結構やることはあるの」
 「大変そうだなあ。あ、オレ手伝いに行こうか? 近いしさ」
 「ありがとう。だけど大丈夫よ。今年は強力な助っ人がいるもの。ね?」

 彼女の目線の先にいるのは、つい最近再会したばかりの弟テリー。
 特に何を言うでもなかったが、かえってその態度が勝ち誇っているかのように思えて、ハッサンは少し肩を落とした。

 「そういうことなら、サンマリーノに戻るか」
 「ハッサンも?!」
 「まあ、やることはあるしな。といってもよ、もっぱら高いところの飾りつけなんだけど、親父一人じゃ賄いきれない量なんでな」
 「何だかんだ言って、やっぱり心配なんだね」
 「べ、別にそんなんじゃねえけどよ、後からごちゃごちゃ言われちゃ叶わないしな」

 相方のバーバラに冷やかされて、ついむきになってしまう口調は乱暴だが、本心でないことは、はたから見れば一目瞭然である。

 「あーあ、みんな帰っちゃうのかあ。じゃあ、あたしも帰ろうかな」
 「カルベローナへ?」
 「うん。特にあてもないしやることないし」

 そうではないだろう。長の地位を受け継いだ以上、待ち構えていることは他の誰よりも多いはずだ。全く関係のない雑務だってあるかもしれない。
 本心では望んでいないのだが、このまま一人残されるよりはマシだから、という気持ちが大きかった。

 「ねえ。もし良かったら一緒に来ない?」

 ミレーユに言われ、一瞬バーバラの心は揺れたが、彼女は首を横に振った。何しろ、料理や飾り付けをすると言っていた。自分に出来ることがあるとは、とても思えなかったのだ。逆に足手まといになる可能性の方が高い。

 「ありがとう。だけど、今回は水入らずで過ごして」

 乾いた笑顔であったが、意図を汲んだミレーユはそれ以上何を言うでもなかった。

 「だったら、一緒に来るか?」

 彼らは一斉に声の持ち主を見たので、ウィルは面食らってしまった。

 「いや、深い意味はもちろんないんだけど」
 「あのなあ、別にそこまで追求してないぜ?」

 ハッサンに指摘され、自分が泥沼にはまってしまったことを考えて、彼は顔を赤くした。

 「あははっ! お前ってホント、わかりやすいなあ。そういうとこは昔っから全然変わってないのな」
 「あのなあ!」
 「せっかく盛り上がってるとこ悪いんだけど、行かないから」

 互いに小突きあっていた二人は、そちらを見た。

 「だ、だってさ。行くのってライフコッドかレイドックでしょう? ついていっていい場所じゃないと思うし」
 「そこはこいつなりの思惑があるからだろう?」
 「思惑って?」
 「だーかーらー! さっきも言ったけど深い意味なんか全然ないし!」
 「何でそこで力いっぱい否定するんだ? ますます怪しい」
 「そっちこそ深読みし過ぎだと思う」
 「オレはいたって冷静ですが何か?」
 「冷静ねえ。そうであったなら、いままでどれだけ助かってきたことか・・・はあ」
 「何だと!!」

 いつまでたっても収集がつきそうにない二人の言い争い。彼らは苦笑しながら見ていた。

 「もう。二人ともいい加減にしなさい」

 しびれを切らしたミレーユが、静かだがぴしゃりとした口調で止めに入る。彼女が言うと、たちまち効果が現れるのだ。

 「私は、各自の好きなように過ごしたらいいと思うわ。こういう機会は滅多にないのよ」
 「全くだ。こんな所での言い争いは、無意味なものだぞ。それで? 期間はどうするんだ?」

 テリーの態度にウィルは一瞬ムッとしたものの、三日間とつぶやいた。

 「では、僕は早速行って来ます!」

 言うが早いか、チャモロはルーラを唱えた。テリーも鞄からキメラの翼を取り出した。

 「じゃあ、また会いましょう」

 ふわりと空中に投げると、たちまちミレーユとテリーは空に浮かび上がり、あっと言う間に姿が見えなくなった。

 「オレも同じ方向だから一緒に連れてってくれりゃあいいのに、テリーの野郎!」
 「ハッサンってばほんと、嫌われてるね。まあ、気持ちがわからないでもないけど」
 「それ、どういう意味だ?!」
 「どういうって、ねえ?」
 「まあな」
 「お前まで言うか?! この裏切り者!」
 「いや、だからさ、テリーにしてみれば死活問題っていうか・・・」
 「何だよその死活問題って!! もう、オレは怒ったぞ! 決めた! おいバーバラ。一緒に来い!!」
 「え、それってどういう・・・」

 問いただす前に身体は浮かび上がり、気がつけば二人の姿は目の前から忽然と消えていた。後に残されたウィルは、あんぐりと口を開けるしかなかった。

 「何なんだ一体・・・」

 



Last updated  December 27, 2009 22:15:04
コメント(0) | コメントを書く

December 25, 2009

エピローグ
[ 長編2:全ての終わり:本編 ]    

 「・・・・・・、・・・さま、・・・おうじさまっ! お留守ですか? 王子様!」

 突然の大声に、ベッドでうつらうつらしていたウィルは、ハッとしたように起き上がった。声は扉の向こう側から聞こえてくる。

 「いるよ。何か用?」
 「陛下がお呼びでございます」
 「わかった。すぐ行く」

 寝ぼけ眼で答えたウィルは、辺りを見回した。自分の部屋に間違いない。
 あれからいろいろあったはずなのに、それを感じさせるものは一切存在しなかった。身に付けている物も、随分とラフな感じだ。それに、今呼びに来た人は、王子様と呼んだではないか。

 身体は思っていたよりも疲れていたのだろう。剣の稽古が終わり、ジュディから解放されてベッドで寝転んでいるうちに、いつの間にか眠っていたらしい。
 ならば、これまでの出来事は全て夢だったということか。それにしては随分と臨場感溢れていたような気がするのは、果たして考え過ぎなのだろうか。

 ーーーもしも、考え過ぎでないとしたならば、これから自分がすべき事はただ一つしかない。違う可能性もあり得るが、このまま何もしないよりは後悔の度合いが違うはずだから。

 まだぼんやりする頭でそんな事を考えていると、しびれを切らしたのか、再びノックの音が聞こえた。仕方なく一旦中断したウィルが玉座の間へ行くと、王と王妃が難しい顔をして座っていた。

 「何か御用でしょうか」
 「ウィルよ、お前は一体どういうつもりなのだ? せっかく来てくれたジュディを、こんなにも早く追い返してしまうとは!」
 「申し訳ありません。やる事がありましたので」

 返答しつつも、ウィルは夢と現実が似通っている事に、非常に驚いた。その後の受け答えも、ほとんど同じ。あまりの事態に、しばし、言葉を詰まらせてしまった。
 そこへ、兵士が来客を告げたものだから、ウィルの胸は、激しく打ち始めた。やって来たのは二人の女性。流れるような金髪が美しいミレーユと、はにかんだ笑顔が印象的なバーバラ・・・。

 「ふふ。久しぶりね、ウィル・・・じゃないわね。王子様だったわね。大変失礼いたしました殿下。突然驚かせてしまい、申し訳ございません。お元気そうで安心しました」
 「バーバラ・・・・・・」

 あまりの事態に行動に移せないウィルを見たバーバラは、微笑んだ。

 「あら。ここはそういう風じゃないと思ったけど、勘違いだったかしら」
 「バーバラ? 何か知ってるんだな? じゃあ、君も見たのか?」

 しかし、彼女は微笑むだけで、答えなかった。

 「ねえミレーユ、ここで話すのはちょっとためらわれるわね」
 「それもそうね。・・・あのねウィル、バーバラを連れてきたのは、ただ会わせるだけじゃないっていうのは想像つくかしら? 大事な話があるの。場所を変えたいんだけど、いいかしら?」
 「あら、私達にも聞かれてはいけない事なの?」

 王妃はつぶやいた。

 「申し訳ございません王妃様。事情が込み入っておりまして、まだお話出来る段階ではないのです。時期がくれば、きちんとご説明いたしますので、大変恐縮ですが、しばらく王子様をお借りします」

 バーバラは優雅に会釈をすると、ウィルの方を振り向いた。

 「さあ殿下、本当の私の所に連れて行って頂けませんか?」
 「・・・・・・もちろん!」

 ウィルは一瞬唖然としたが、差し出された手を握り締めた。









 それからの行く末は、ウィルが見た夢(あるいは望んだ事)とほぼ同じように進められた。しかし、幸いな事に、ダークドレアムなる悪魔は登場しなかった。
 やがて、彼の子孫が第二第三のデスタムーアと戦う事になったのであるが、それは遙か未来の話なので、ここではやめておこう・・・。



Last updated  December 25, 2009 15:00:32
コメント(0) | コメントを書く

December 14, 2009

15-4
[ 長編2:全ての終わり:本編 ]    

 夢の世界。

 ダーマ神殿からルーラを唱えたウィルとバーバラが向かった先は、ゼニス王の居城、クラウド城だった。そこで二人を迎えたのは、王と二人の大賢者兄弟の困惑した表情だった。
 ゼニス王を良く周知のバーバラは、これほど頭を悩ませている王を見た事がなかったので、彼女の方が不安になってしまった。王は、バーバラの様子を見て、すぐに悩みの種を説明した。

 ゼニス王に命ぜられた付人が取り出したのは、行方不明になった伝説の武具一式だった。しかしそれは、二人が知っているような物ではなかった。形は同じなのだが、色が違う。金色にも銀色にも見える、あの不思議な光と同色に染まっていた。
 雰囲気も違う。神々しさが漂っていて、並の人間が触れたりしたらまずい事になりそうだ。武具自らが意思を持ち、拒否しているかのごとく。神々が創り出したというにふさわしい代物に変化しており、ウィルが扱っていた時の雰囲気を、遙かに上回っていた。

 二人はこの変化の理由を、すぐに理解した。
 というのも、以前、デスコッドで出会った男の子が持っていた剣にそっくりだったからだ。ただし、目の前の光の輝きの方が、一段と強烈だ。おそらく、時間の経過と共に弱まったのだろう。
 しかしゼニス王は、ここまで変わってしまった事に納得がいかない様子だった。二人が、自分達の間に起きた出来事を説明しても変わらなかった。

 「あの、俺思うんですけど、多分、バーバラの両親が作りだした光の階段が影響しているのではないでしょうか」
 「光の階段? 何かね? それは」
 「現実と夢をつなぐ階段でしたが、私の幸せと関係があったんです。その階段は、こんな色の光に包まれていました」

 バーバラは、武具を指さしながら答えた。王はうーむ、とうなってしまった。

 「幸せの階段か・・・。その話なら、確かに聞いた事がありますぞ」

 代わりにマサールが答えた。後をクリムトが引き継ぐ。

 「ふむ。だが、おそらくこの時代にはないと思われますが」
 「でしょうね。いろいろと変わってしまったから」

 暗い顔になったバーバラの肩を、ウィルはぽんと叩いた。バーバラが見ると、ウィルはにっこりした。

 「いや、そうではない。歴史が変わったのは、ダークドレアムの力もさる事ながら、お前の両親の力も関係しているからだろう」

 ゼニス王の言葉に、二人は驚きの声を上げた。バーバラは一応否定してみたものの、言葉の力強さはなかった。

 「だけど、バーバラの幸せとこの武具の変化と、何の関係があるんでしょうか?」
 「それはわしにもわからん。しかし悩んだところで元に戻るわけでもあるまい。受け入れるしかないのだよ」
 「一つ提案してよろしいですか?」

 バーバラの声に、その場にいた全員が一斉に彼女に注目した。

 「その武具ですが、天空の剣、天空の鎧、天空の盾、天空の兜、と名付けて頂きたいのです」
 「なぜだ?」
 「私達、いつの時代なのかわかりませんが・・・とにかく新しい勇者に出会いました。その人は同じ剣を持っていて、天空の剣と呼んでいたんです。ですから、ぜひお願いしたいんです」
 「この城は近々、空に浮かび上がるんですよね? だったら、それにふさわしい名前を付けて下さい。その方が、武具も喜ぶと思います。お願いします!」

 バーバラの後をウィルが受け継いだ。
 王はしばらく、考え込んだ。周囲は緊張に包まれた。マサールとクリムトも、事の成り行きを静かに見守っていた。何十分かに感じられた沈黙の一時が過ぎ去った。

 「不思議なものだな。わしも、これを一目見た瞬間、天空の剣うんぬん・・・と付けようと思っていた。運命というのだろうか」
 「それじゃあ・・・」
 「伝説の武具は、これより天空の装備として生まれ変わる! 天空城にふさわしくな」

 たちまち、歓声が上がった。ウィルもバーバラも、皆と喜びをわかちあった。大賢者兄弟は改めて手に取ると、じっくり観察を始めた。伝説の武具は、自分達の運命を知っているかのようにキラキラと、神々しくも美しい輝きを放ち続けていた。



Last updated  December 14, 2009 15:32:34
コメント(0) | コメントを書く

November 29, 2009

15-3
[ 長編2:全ての終わり:本編 ]    

 メイン会場の中庭では、ウィルの知った顔がいくつも並んでいた。その中には、先ほど訪れたライフコッドの人々の姿もあった。満喫していたであろうランドとターニアは、ウィルに気がつき駆け寄ってきた。

 「ウィル! まさかお前がこの国の王子だったなんて、ちっとも知らなかったよ。前はいろいろ言ったりして、悪かったな」
 「王子様だなんて、何だか違う世界の人みたい・・・。本日はお招きありがとうございます」
 「よせよターニア。ランドもだぞ。今までどうりに接してくれないか? 俺は俺なんだからさ」
 「えっ? それじゃあまた、お兄ちゃんって呼んでいいの?」
 「もちろん」

 ウィルがうなずくと、ターニアは顔をほころばせた。

 「うわあー! うれしい!! ありがとう、お兄ちゃん!」

 それから会話を交わしたランドとターニアは、他へ行ってしまった。今日はウィルが主役だから、いつまでも占領してるわけにはいかないと考えたのだろう。

 次から次へと運ばれて来る料理やワインの香ばしい匂いが、辺り一面に漂う。王宮付の一流シェフが織り成す料理は、見た目も非常に鮮やかだ。
 しかし、色彩など全く関係ないとでも言わんばかりに、大口を開けて頬張っている男がいた。ハッサンだ。料理に負けないくらいに美しく飾られた女性達には、見向きもしなかった。

 他の仲間達はと言うと、ハッサンを横に置いた形で談笑していたのだが、やがてミレーユは、弟テリーにチャモロを交えて、ウィルの元にやって来た。

 「皆で話し合ったの。誰にだってーーー例え気心の知れた人にだって、言いたくない事があるんじゃないかって」
 「ミレーユ、ごめん本当に。ただ、もう、俺の・・・って言うか、現実の人間が踏み込めるとこじゃないような気がして、それで」
 「わかっていますよ」

 チャモロが大人びた表情で答えた。

 「今までからすれば、何かあるとは思いましたし。ただちょっと、どうしたのかと思っただけです。すみません、ウィルさん・・・おっと、これからは王子様でしたか」
 「あのなあ! 俺は王子である前に仲間じゃないか。元に戻れたのだって、皆のおかげなんだし、今までどうりに呼んでくれよ」
 「まあ、確かにいまさら王子とは呼べないな・・・ところで、バーバラはどうした?」

 笑い合っていた彼らは、テリーの一言で辺りを見回したが、辺りにいたはずのバーバラの姿はなかった。いつの間にいなくなったのだろうか。

 やがて、中央に楽団が登場して、優しい音楽を奏で始める。この地方に伝わるフォークダンスの曲だ。祝い事の時には必ず演奏される。
 皆は思い思いのパートナーを見つけ、楽しそうに踊り始めた。王と王妃も、若かりし日に戻って優雅に舞い始めた。騒ぎに加わらないのは、ハッサンとテリーとウィルのみ。食に夢中のハッサンは別として、テリーとウィルの周りには女の子が集まって来たが、二人が眼中にない事を知ると、そわそわしていた兵士達をつかまえて、城中のいたる所で踊った。
 優しい調べは風に乗って、城下町へも流れていった。あちこちで話し込んでいた人々も、この時ばかりは誰かと一緒に踊りだした。

 楽しそうに踊る人々の合間をぬって、ウィルの足は玉座の間へと向けられた。例によって、階段の下で吟遊詩人に出会う。

 「あ、王子様。今この上に上がっていった子。何だか寂しそうで・・・。こんな日だっていうのにどうしたんでしょうね」

 言葉が終わるか終わらないかのうちに、ウィルは階段を駆け上がった。胸の鼓動が、自分でも驚くほどに速さを増していた。

 バーバラは玉座の間の中央にいた。二年前と違って、パーティーらしいそれなりの恰好だ。足音でハッとしたように振り向く。

 「ウィル・・・」
 「まさか・・・まさか消えるんじゃないだろうな? バーバラ!」

 ウィルの切羽詰まった様子に、バーバラはクスクス笑った。

 「やーね。何で消えなきゃいけないの? とっくに二人に別れてるのよ」
 「それは・・・何だか・・・二年前の再現が多すぎて・・・だったら、何でこんな所にいるんだ?」
 「二年前、私はここにいたんだもの。来たっていいでしょ? ウィルだって来てくれたじゃない」
 「俺はお前を捜して。二年前だってそうだ」
 「ふーん。違う理由かと思った」
 「どうして?」
 「だって、私の事、何でもないって言ってたから」

 ウィルは大きなため息をついた。彼は一歩二歩と近づいた。

 「やっぱ誤解されてたか。父さん、いきなりあんな事言うから、うろたえたんだ。それに俺達は、こんな関係じゃなかった。仕方ないだろ」
 「わかってる」

 バーバラはニコッと笑った。

 「でもね、嘘でもいいから言って欲しかったなって。こんなのぜいたくだよね。私ってバカだな」
 「ほんとにバカだよ。いつまでもこだわって」
 「何よ! 私は真剣に悩んでて、だからこうしてここに来れば、何かわかるかなって思ったから・・・」

 バーバラは最後まで言う事が出来なかった。彼女は愛しい人の顔を手でなぞりながら、やっと解放された唇を動かす。

 「ずるいよ。ごまかすなんて」
 「なあ、時間が戻ったんだ。願った通りになったんじゃないか。もうあれこれ悩むのはやめろ。ずっと側にいるから」
 「ほんとだよ。絶対だよ。もう私・・・」

 突然階下がざわつき始めた。いつまでも戻らない王子に、人々は不審を抱いたのだろう。バーバラは慌てて戻ろうとしたが、ウィルは止めた。


 ラララ~ッ、ラ~ラッ、ラ~ラ~


 ざわめきに混じってかすかに聞こえてくる音楽を頼りに、二人は柔らかなステップを踏み始めた。踊りが得意なバーバラは、どこかぎこちないウィルがわからないように、さりげなく合わせた。ウィルはわからないふりをしながら、バーバラの細やかな気遣いに感謝した。

 探しに来たテリーは、この様子を見て短い息をついた。彼は後からやって来る皆を押し返そうとしたが、無駄だった。押すな押すなのへし合いで、仲間達は見守った。



Last updated  November 29, 2009 13:20:29
コメント(0) | コメントを書く

November 11, 2009

15-2
[ 長編2:全ての終わり:本編 ]    

 天馬ファルシオンは、現実世界を優雅に飛翔しながら、ライフコッドへと向かった。

 ライフコッドには、誰一人として見当たらなかった。村中ガランとしていて、時折、動物達の声がするのみ。人を求めて捜し回るウィルとバーバラの前に、村長が現れた。
 この村に以前起きた事が原因で、村長はウィルに対して強い警戒心を持っていた。しかし、今日ばかりは違った。平和をもたらした勇者というだけあり、かなり友好的になっていた。

 「レイドック城で盛大な祝いが開かれるとかで、娘もランドもターニアも、主だった者は招かれて出かけて行きましたぞ。わしも呼ばれたが、城だとかそういうのは苦手なんでな、こうして留守番というわけだ」
 「そうだったんですか。どうりで誰もいないと思いました」
 「わあ、パーティーなんて楽しそう! 早く行こうよ、ウィル」

 何もかもわかっていた事だったが、二人は同じ返事をした。
 彼らにとっては再現でも、この時代で暮らす人々にとっては初めてなのだ。ややこしくても、忠実でなければならない。



 彼らは再び馬車に乗り、一路レイドックへ。
 
 城下町に集う人々は、果たしてどこから集まってきたのだろうか。
 沿道はあふれんばかりであり、家々の窓からも鈴なりになって、王子の姿を一目見ようと躍起になっていた。一緒にいたバーバラが言葉を忘れたほどの人出だった。
 人々は次々に、我らが王子の栄誉を讃えた。旅人までもが雰囲気に飲まれ、あれが王子か勇者かと、羨望の眼差しを向けた。子供達は、「わーい! 王子さま王子さま!!」と大声をあげた。興奮のあまり、側までやって来る子もいて、慌てた母親に連れ戻されていた。

 歓声の一つ一つに、ウィルは懸命に答えた。留守の間も王国を支えていた人々に対し、感謝の気持ちをいくら述べても足りないほどだった。
 年頃の王子が振り向く度に、若い娘達は大騒ぎだった。バーバラは、全く眼中になかったらしい。大人達は、王子の隣の美少女についてささやき合った。


 人と違って物は消えないので、夢世界レイドック城の所有物だった馬車は、現実の王家が管理することとなった。
 厩番は見事な体格と立派な毛並みの白馬も欲しがったが、一声いなないたファルシオンが背中の翼をはためかせて飛び去って行く姿を見て、腰を抜かした。

 「ありがとうファルシオン! 元気でねーっ!」

 空高く消えてゆくファルシオンに、バーバラは両手を振りながら叫んだ。答えるように、彼方から威勢の良い鳴き声が聞こえた。
 この鳴き声は全世界に響き渡った。どこにいようがいまいが全く関係なく、人々の耳に届いた。招待状を受け取ってレイドックに向かっていたハッサン、ミレーユ、チャモロ、テリーも聞いた。彼らは、ファルシオンとの別れを実感した。


 フランコ兵士長を先頭にして玉座の間に現れたウィルとバーバラを、王と王妃は笑顔で出迎えた。
 王妃は、生きて帰った息子の姿を見て、涙を流して喜んだ。ウィルは、自分より背の低い母を抱きしめた。「父さん、母さん、ただいま」と言いながら。王ももらい泣きをした。
 ようやく一つになれた親子を見て、バーバラは涙ぐんだ。その場にいた兵士達も、鼻をぐすぐすいわせた。

 「見よ、澄みわたる空を。感じよ、心地よい風を。それこそが真の平和の証。世界はあるべき姿を取り戻したのだ。それをもたらしたのが我が息子とは、父としてこれほど嬉しいことはないぞ!」

 王が感激に震える声で言った。
 父に褒められ、ウィルは照れた。内心、複雑ではあったが。

 「・・・ところで・・・そちらのお嬢さんは誰じゃな? 見覚えがあるが・・・」
 「えーっと・・・私の事だよね? やっぱ」
 「そりゃあ、な。ーーーバーバラと言って、一緒に旅した仲間の一人です」
 「・・・仲間、か?」
 「はい。・・・それが何か?」

 ウィルは、笑いだしたくなるのを必死に押さえながら言った。

 「ん? いや。お前もわしに似て、なかなか隅に置けん奴じゃのう。こんなかわいい子を連れて帰って来るとは」

 王の言葉に、ウィルとバーバラはとうとう我慢出来なくなり、笑いだしてしまった。たちまち周囲に妙な空気が立ち込めたのは、言うまでもない。

 「・・・あ、すみません。父さんは話が早いと思いまして」
 「何が?」
 「実はですね、俺は彼女を妻に迎えようと思うんですが、許して下さいますか?」
 「な、何じゃと?!」
 「王子様がご結婚?! これはめでたい!!」
 「まあ! それ本当なの? ウィル」

 母の質問に、ウィルはうなずいた。
 
 王妃の態度にかつてのようなものは、全く見受けられなかった。バーバラがグレイス城の流れを汲むと知って、ますます機嫌を良くしたようだ。知識溢れる王妃は、グレイス城で起きた出来事を知っていたのだ。
 すっかり友好的になったこの態度の変わりように、バーバラ本人が最も驚いた。

 それからは、てんやわんやの大騒ぎ。彼らは次から次へと、祝福の言葉を受け取った。しかし、やがて王が我に返った。

 「お前達の事は、日を改める。とりあえず今日は、無事に帰ってきた宴じゃ。さあ! 祝いの杯を持て!」



Last updated  November 11, 2009 22:29:17
コメント(0) | コメントを書く

October 18, 2009

15-1
[ 長編2:全ての終わり:本編 ]    

第十五章        巡る季節

 

  世界を救った(のではないのだが)六人を乗せた馬車を引くファルシオンは、ゆったりとしたスピードで空を駆け巡った。

 上から見るだけでも、地上にはすがすがしさが感じられた。悪の気配は一つもない。人々を恐怖に陥れた魔物達は、どこへ行ったのか。その姿は見かけられなかった。それはそれでいい事ではあるが、戦士達は少し複雑だった。
 特に魔物使いとしての修行を経験したチャモロは、どことなく寂しそうだ。彼が改心させて、すっかり仲良くなったはずの仲間達も消えてしまったのだ。本当は消えたのではなく、自分達が元いたそれぞれの地域に、一足お先に帰ったのだが。
 そうとわかっていても、彼らの心は痛んだ。まるで大切な物をなくした時のように・・・。

 天馬は夢世界を一回りした後、現実世界へと入った。

 ミレーユは、最後の最後まで強情だった。せめてゼニス王にはご挨拶していくべきだ、と言い張った。しかし、ウィルが無視したため、彼女は機嫌が悪くなった。
 理由ぐらい言ってくれたっていいじゃない! と声を張り上げるミレーユの言い分は正しかった。ウィルにだってわかっていた。しかし、現実の人間が入り込む領域ではない事もわかっていたから、何も言わなかった。
 これ以上、あいつらの世界をかき乱したくない・・・ウィルは切実に思ったが、ミレーユには伝わらなかった。いくらバーバラがしおらしく(ミレーユを含めた仲間達は、度肝を抜かれた思いがした)ごめんなさい、と言っても駄目だった。
 ハッサンとテリーがさんざんおだててごまかして、それでようやく機嫌を直したのだが、隠し事をした二人に対する仲間の態度は、少し変化が生じた。そう感じ取っていても、ウィルは口を割ろうとしなかった。

 馬車の内部で起きたゴタゴタをよそに、ファルシオンは懐かしい場所へと飛んで行く。

 ゲントの村では、長老や村人達が若い戦士の帰りを、首を長くして待っていた。
 チャモロは、旅で磨いた癒しの術を更に高度なものにさせ、ゆくゆくは祖父の後を継ぐつもりで修行を続けていきたいと、語った。彼らが使った神の船も、不思議な力によっていつの間にやら戻って来ていた。

 港町サンマリーノに帰宅したハッサンを待ちかねていたのは、父親の平手打ちだった。父親はさんざん息子を罵り叱り・・・その力を大工仕事に役立てろ! と言った。ハッサンは照れながら承知した。母親は愛する息子の無事と親子の和解を、心から喜んだ。

 グランマーズは両手を広げて待っており、彼らは久々に珍味を御馳走になった。その席でミレーユは、グランマーズへの弟子入りを正式に希望したが、グランマーズは最初からそのつもりだったと高らかに笑って、ミレーユを安心させた。

 ガンディーノで育ての両親と久々に再会したミレーユは、涙を流して抱き合い、お互い生きている事を喜び合った。テリーは仏頂面で眺めていたが、養母に心の内を読まれてもらい泣きをした。彼は、姉を不幸のどん底に落とした張本人と信じ込んでいた養父とも、ようやく和解し、四人は久々に親子水いらずの時を過ごす事になった。
 テリーは当分の間、一か所に留まらず、適当な仕事をして生活していくつもりだと言って、養父養母とミレーユをやきもきさせた。三人がどんなに言っても、彼の考えは変わらなかった。とうとう三人は、応援せざるを得なくなってしまった。

 何もかも、二年前と全く同じだった。ウィルとバーバラは、深い感動を覚えた。
 ウィルは別れ際、仲間達に、近々城に来てくれと言った。まだわだかまりを残している彼らだったが、すぐに承知した。



Last updated  October 18, 2009 23:14:52
コメント(0) | コメントを書く


<< 前のページへ一覧一番上に戻る


Powered By 楽天ブログは国内最大級の無料ブログサービスです。楽天・Infoseekと連動した豊富なコンテンツや簡単アフィリエイト機能、フォトアルバムも使えます。デザインも豊富・簡単カスタマイズが可能!

Copyright (c) 1997-2012 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.