私的記録用:2001年 MJ オックスフォード大学スピーチ part4
みなさん、わたしがこの世界を、今日でさえ戦争と大虐殺に翻ろうされている世界を、本当にいやせると信じているとお思いですか?わたしが子どもたちを本当にいやせると考えているとお思いですか?コロンバインハイスクールで起きたように、銃を持って学校へ行き、クラスメートを撃ち殺してしまうような子どもたちをいやせると考えているとお思いですか?1993年に2歳で殺害されたジェイミ・バルジャーの悲劇のように、自らを守れない幼児を殴って死に至らしめるような子どもたちをいやせると考えているとお思いですか? ―わたしはもちろん、そう思っています。そうでなければ、今晩ここに来ていないでしょう。すべては許すことからはじまるのです。世界をいやすためには、まず自分自身をいやさなくてはならないからです。子どもたちをいやすためには、まず子どもたちの心の中をいやさなくてはなりません。どの子どもたちも同じです。わたしは、このままでは完璧な大人にも、無償の愛を与えられる親にもなり得ないことがわかり、子ども時代のつらい記憶の扉を閉めました。みなさんにも、そうしてほしいのです。モーゼの十戒、第五の戒律(あなたの父と母を敬え)にふさわしい生き方をしましょう。親を非難するのではなく、尊敬しましょう。物事をいい方向に考えましょう。だから、私は父を許し、父を非難するのをやめようと思うのです。父を許したい。「お父さん」をほしいから。結局わたしには彼しかいないのです。わたしは過去の重荷を肩から降ろし、父との新しい関係を踏み出したいのです。過去のつらい記憶に邪魔されず、未来を築きたいのです。憎しみに満ちた世界でも、望みをもたなければなりません。怒りに満ちた世界でも、慰めの心をもたなくてはなりません。絶望に満ちた世界でも、夢を忘れてはなりません。不信感に満ちた世界でも、信じなくてはなりません。親から傷つけられたと感じていらっしゃるみなさん、失望感を捨ててください。親にあざむかれたとお思いのみなさん、これ以上自分自身をあざむくのはやめましょう。親が邪魔だと思っているみなさん、代わりに手を差し出してください。ご両親に無償の愛を与えてください。これは、みなさんに望むことであり、自分自身に言い聞かせていることでもあります。そうすれば、親たちはわたしたち子どもから愛し方を学ぶことでしょう。そうすれば、荒れ果てた寂しい世の中に、愛が取り戻されるでしょう。シュムリーが「子どもたちの心を通じて両親の心が取り戻される時、新しい世界、新しい時代が来るだろう」という旧約聖書の預言を話してくれたことがありました。みなさん、わたしたちがこのような世界をつくっているのです。 わたしたちがその世界に住む子どもたちなのです。インド建国の父マハトマ・ガンジーが言いました。 「弱者は人を許すことができない。許すことは強さの裏返しである」 さあ、強くなりましょう。そして、壊れた関係を修復するために、立ち上がりましょう。子ども時代に受けた傷が人生にどんな影響を与えようとも、乗り越えなければなりません。ジェシー・ジャクソン(民主党候補として大統領選に出馬した黒人牧師)の言葉にあるよう、互いに許し合い、互いに助け合い、そして前へ進みましょう。許し合うことだけでは、涙に暮れる世の中は終わらないかもしれません。しかし、多くの子どもたちが親との関係を修復することが、少なくとも新たな出発点となるのです。結果として、わたしたちみんな、もっと幸せになるでしょう。みなさん、信仰、喜び、興奮をもって、わたしの話を締めくくりたいと思います。 今日から、新しい歌が聞こえてきますように。 その歌を子どもたちの笑い声に。 その歌を子どもたちの遊ぶ声に。 その歌を子どもたちの歌声にしよう。 そして、大人たちは耳を傾けよう。子どもたちのもつ力に驚き、愛の美しさに浸り、ともに、心のシンフォニーを創りだそう。世界をいやし、痛みを取り去ろう。そして、ともにみんなで美しいメロディーを奏でられますように。神の恵みがありますように。“I love you”。マイケル・ジャクソン 2001年英国オックスフォード大学スピーチ 完文中の太字は、私によるものです(mimi)Copyright © 2002 写真集「マイケル・ジャクソン KING OF POP」