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カテゴリ:映画等
◆スタッフ
監督 クリント・イーストウッド 製作総指揮 ポール・ハギス 製作 クリント・イーストウッド、スティーヴン・スピルバーグ、ロバート・ロレンツ 脚本 アイリス・ヤマシタ 撮影 トム・スターン 編集 ジョエル・コックス 配給 ワーナー・ブラザーズ (アメリカ・日本) パラマウント映画 (アメリカ・日本以外) 公開 2006年12月9日 (日本) 2006年12月20日 (アメリカ・限定公開) 上映時間 141分 製作国 アメリカ 言語 日本語 ◆キャスト 渡辺謙:栗林忠道陸軍中将 * 二宮和也:西郷昇陸軍一等兵 伊原剛志:バロン西(西竹一陸軍中佐) * 加瀬亮:清水洋一陸軍上等兵 中村獅童:伊藤海軍大尉 裕木奈江:ハナコ(西郷の妻) 松崎悠希:野崎陸軍一等兵 山口貴史:柏原陸軍一等兵 渡辺広:藤田正喜陸軍中尉(栗林の副官) * 尾崎英二郎:大久保陸軍中尉 坂東工:谷田陸軍大尉(西郷らの直属の上官) 県敏哉:岩崎陸軍大尉 戸田年治:足立陸軍大佐(擂鉢山地区指揮官) ケン・ケンセイ:林陸軍少将 阪上伸正:大杉海軍少将 長土居政史:市丸利之助海軍少将 * 志摩明子:愛國婦人会の女性 ブラック縁:犬の飼い主の女性 Lucas Elliott:サム(俘虜となる海兵隊員) Mark Moses:(回想シーンでの)米軍将校 Roxanne Hart:その妻 (* は実在した人物) 日本人なら、一度は硫黄島を訪れたくなっちゃうような作品。もしかすると、米国人でも同様かもしれない。 やはり、クリント・イーストウッドらしい作品だった。 なにかを訴えたり、作品に込めたりせず、淡々と描いているだけのようでありながら、知らず知らずに惹かれ、夢中になってしまうような部分があったと思う。 描かれるべくして描かれた作品と言って良いかもしれない。 全編、ほとんど日本語なのには驚いたが、史実や取材を基にしているとはいえ、どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションなのだろうか。あれでは、日本人というのは、それこそ戦後マッカーサーが言ったように十二歳の子供も同然だ。実際、そんなことはないのだが。当時でさえ、識字率など米国より上であることなどはその一例に過ぎない。 それはともかく、追い詰められた極限状態の中では精神論に走るしかないのか、それとも組織が硬直しきってしまっているためか、理不尽な日本人の行動が多い。特に一般兵を束ねる現場の上官が馬鹿丸出しといった感じ。 玉砕、自決に拘った場面があったが、武士の名誉、もしくは恥を重んじて潔く死を選ぶ、というより、矮小な個人の面子に拘り、大局を見ることなく、無意味に死に急ぐような印象を受けた。おかげで渡辺謙さん演じる栗林中将の作戦、指揮が思うようにいかないことといったら…。個人や少数の人の目を気にし、日本を鑑みない行為は売国心に等しい。甚だ自国を不利にさせてしまっている。おまけに元々戦力に劣るのだから、簡単にバタバタ死んでもらっては戦闘どころではないわな。やっていけない消耗戦をし、さらに消耗を加速させる行為。 というような点が多々目に付いた。あれじゃ負けるわ…と思ったとしても不思議ではないぐらいに。 米軍の日本軍投降兵の処刑シーンもあったが、国際法によると、捕虜になるにもいろいろ条件があるようで。また、捕虜の扱い方もその軍隊に委ねられることも多いらしく…。元々米軍は捕虜をとらなかったようだ。残飯と共にゴミ棄て穴の中に処刑した日本兵を投げ込んでいたと記したのはかの英雄リンドバーグ。ナチスと同じ行為を太平洋で自分ら米国人がしている、といった内容を発表した途端に政治的生命を抹殺されてしまった。戦争土産に日本兵の頭蓋骨を持ち帰って飾るなんざ、良い趣味してるよ。さすがに日本が提案した人種差別撤廃案を廃案に追い込んだだけのことはある、人種差別が普通の国。現代でもその根は深いようだね。報道がされてないだけで。 結局、捕虜をとらないといった南方戦線の前例もあり、戦陣訓もあったが、ますます日本兵は捕虜になることを拒んだ模様。戦争の悲哀がそこにある。 作品全体的に戦いの流れ、侵攻具合がよく分からなかったのは難と言えるかもしれない。物語上でも、栗林の元に戦況がなかなか伝わらず、伝わってもほぼ全滅と僅かな生き残りだけ、という状態では。 なにはともあれ、惹きつけられるなにかが確実にあった作品だと思う。現場は日本人も米国人もなにも関係がないね。大局を見る者が見誤るとすべての負担は現場にかかってくる。組織も膠着していては、人数がいるだけで、組織だった行動がとれない。この辺りは普通の仕事、職場環境も同様だろう。強い組織にはそれだけの理由がある。うだつの上がらないようなところも当然の理由があるといったところ。 総括すると、見て良かった~という作品。日本人ならば見て置いて良かった~と思うのかもしれないね。昨今の風潮は良く分からないが、真実を知ることは大切で重要なことだろう。その後の影響を考えれば、知らなかったほうが良い場合もあるかもしれない。無論、その判断は各自がすること。 ということですが、米国作品でこれだけ描けるとは思わなかった。日本映画のようなものだ。興味があれば、観た方が良いと思う。とにもかくにも、稀有な作品と言えよう。 =========================================== ☆毎日の暮らしを彩るもの☆ =========================================== お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 21, 2007 12:11:32 AM
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