ミラノ風カツレツだ
「成田で電話するね」と伝えてあったものの、思うように時間が取れなかった。添乗員の説明を聞いたり、荷物を預けたり意外に時間がかかるものだ。あまり観光シーズンではないだろうと思っていたのだが、成田は旅人達でいっぱいだったのだ。出国手続きに並んでいたところ、携帯がぶるぶると震えているのに気付いた。かばんの中をゴソゴソと探し、見つけたときには既に切れていた。彼からだ。着信記録に3回も残っていた。「いや~、かわいそうなことしちゃったな。」全然気付かなかったんだ、私。すぐに出国手続きを済ませて電話をかけたいところだが、列は長く続いてた。結局、話をできずに成田を発った。13日の夕刻、スイスのチューリヒで乗り換えて、ミラノに着いた。今夜の夕食は機内食だけ。添乗員に「パンなど取っておいた方がいいかもしれません」と言われたので、夕食はホテルの部屋にて機内食で出たパンを食べる。飛行機に乗っていただけだから、それほどお腹も空いていないし。夜、フランスへ国際電話をかけてみる。何度か失敗して、やっとつながった。「声が近いね」と言われる。やっぱり、ヨーロッパ大陸内の電話はよりよく聞こえるのかしら?そんなこともないと思うけど、彼のそばに近づいた気がして嬉しかった。翌日14日の午前中はミラノ市内観光。ドゥオモ(教会)を見学。正面側が修復工事のためまったく見ることができなかった。ヨーロッパの教会や美術館などは修復工事を何年もかけて行うので、パンフレットやガイドブックのような完璧な姿を見ることは稀である。それでも、大理石の美しい教会を見ることができて満足だ。昼食は今日のメインのミラノ風カツレツ! おいしそうに見えるでしょう?でもね、たいして美味くないんだなぁ。午後、ヴェネチアに向けてひたすらバスが走る。時差の関係もあってお昼から夕方にかけて異常に眠い。夕食はホテル内でバイキング形式。部屋に戻るとしばらくして電話が鳴った。今度は彼がフランスからかけてきた。受付の女の人が出た後、彼の声がした。「イタリア語を話したの?」と聞くと「フランス語が話せるか聞いたら、話せるって言うからフランス語だったよ。」さすが隣国だ。