|
カテゴリ:経済
皆さんはサービサーという業者をご存知だろうか。
金融関係の職業に就いておられる方はご存知だろうが、それは国に認可を受けた債権回収業者のことである。 私、現在はサービサーとしての認可を受けている某業者に五年間、勤務していたことがある。最終的には追い立てられるに至った会社だが、そこでの出来事は非日常で誰の眼にも興味深いことと思い、ブログで紹介することにした。 なお、そこでの個人名、企業名はほとんどを匿名とさせていただく。私自身も名乗るほどの者でもないため、実名を明かさないでスタートさせていただく。 それは、平成5年の冬のことだった。私は失業中で毎日のように職業安定所(ハローワーク)に行っては職を探していた。 前職は新聞記者で、つぶしの利かない職業であったこともあり、面接を受けても、なかなか採用に至らず焦っていた。 そんな時、職安の紹介ファイルで見つけたのが、『K管理組合』だった。企業名からして、取立屋と推測するのは容易だった。 「債権回収は弁護士以外は、出来ないはずだがなあ・・・」 法律の専門家ではない私だったが、その程度の知識はあった。しかし、公的機関の職業安定所が紹介しているのだから、脱法をしているとも思えなかった。 私は、面接の申し入れをした。 私は、首尾良く地元、広島での現地採用となった。因みに、その会社の本部は東京だった。 広島事務所の所長は、偶然にも私と同じ大学を卒業をしていた。しかも、私が所属していた部活の先輩が所長と同じゼミで、それが幸いしての採用だったようだ。 「うちで、やっているのは債権回収じゃないから」 それが、所長の開口一番の言葉だった。ここで、所長の名を清原としておく。 債権回収でなければ、何をするのか?債権管理だという。私は清原に債権を管理し、その結果、債務者が支払いに動くのだと聞かされた。 回収をオブラートに包むための方便だったのだが、まだ若かった私は騙されてしまった。 「消費者教育だ。支払い能力を超える借金をさせないために我々はあるんだ」 そのように言われ、その気になっていた私だったが、その会社で勤めるに当たっての一番の不安があった。 今まで、散々金融機関が督促をして回収出来なかった債権が管理(回収)委託されて来るわけだ。本当に、支払い不能に陥った不幸な債務者がほとんどだろうが、中には借金を踏み倒す強面もいるのではと思っていた。 暴力団、エセ右翼といった組織の人物と対峙するのではないか、そんな不安があったのだ。 そして、その不安は早いうちに的中した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.02 13:14:02
コメント(0) | コメントを書く
[経済] カテゴリの最新記事
|