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(承前)
「ピアノ・マン(Piano Man)*」を含むアルバム 『ピアノ・マン(Piano Man)』(1973) での再デビュー後 同じプロデューサーによる 『ストリートライフ・セレナーデ(Streetlife Serenade)』(1974年) ようやく地元ニューヨークに戻ってのセルフ・プロデュース作 『ニューヨーク物語(Turnstiles)』(1976年) をリリース。 (原題はニューヨークの地下鉄の回転式改札の名称) 前者は「エンターテイナー(The Entertainer)*」 後者は「怒れる若者(Angry Young Man)*」「マイアミ2017(Miami 2017)*」「ニューヨークの想い(New York State Of Mind)*」 などを収録し 後年、ビッグ・ヒットを放ってから改めて良さを認識されましたが 当時の評価は芳しくなく それぞれ、35位、122位。(『ピアノ・マン』は27位) 僕自身の感想は 「才能あるし言いたいことも分かる。いい曲だと思うよ。でも・・・」 という感じ。 あくまで彼自身の歌であり、もちろんそれに共感する部分はあるけど 自分の事を歌ってくれたんじゃないかと勘違いしてしまうような 普遍性は獲得していない気がします。 彼のことを好きになって改めて聴く分には いいアルバムだと思いますが。 そして1977年(28歳)。 グラミー受賞アルバム『時の流れに(Still Crazy After All These Years)』(1975年) といったポール・サイモンのソロ作などを手がけた 名うてのプロデューサー、フィル・ラモーン(Phil Ramone) を招き 彼の人脈で、ジャズ系を含む NYの一流ミュージシャンも参加して制作された 『ストレンジャー(The Stranger)』で大ブレイク。 サウンドも詞も、それまでの私的なものから より広がりのある世界を構築。 ビリー・ジョエルは、多くの人に受け入れられる存在となります。 このアルバムはビルボード最高2位。 2003年には累計1000万枚を記録。 シングル・カットされた美しいラブ・ソング 「素顔のままで(Just The Way You Are)*」も最高3位。 初の大ヒット曲となります。 そしてこの曲は、グラミー賞主要3賞のうち シングルに与えられる最優秀レコード(Record Of The Year)と 作詞・作曲に与えられる最優秀楽曲賞(Song Of The Year)を受賞。 最初のレコーディングから10年。 ようやく栄光の時を迎えます。 他にも 「ムーヴィン・アウト(Movin' Out)*」(17位) 「ストレンジャー(The Stranger)*」(日本でのみシングル化) 「イタリアン・レストランで(Scenes From An Italian Restaurant)*」 「若死にするのは善人だけ(Only Good Man Die Young)」(24位) 「シーズ・オールウェイズ・ア・ウーマン(She's Always A Woman)*」(17位) などを収録。 (* を付けたものが、僕が今回行ったコンサートで演奏された曲です) その中から、今回はタイトル曲 「The Stranger」を。 ビリー・ジョエルの創作上の大きなテーマは 大都会に生きる孤独と、だからこそ求める愛、です。 この曲での切り口は 誰もが持つ「二面性」。 人はよそ行きの顔と内なる顔を持っていて それにより傷つけたり、傷ついたり あるいは自らを守ったり。 だからといって、ひるむ事なく それを認識した上で、前に進んでいくべきなのでしょう。 その一方で 愛する相手に「Just The Way You Are」と望むのも、また真実。 (アルバムで「The Stranger」→「Just The Way You Are」という流れになっています) 音楽面でも ビリーのピアノおよび口笛によるメランコリックなサウンドが 最初と最後に置かれ 中はバンド・サウンド(現在の耳で聴くと少し古臭いけど) という二面性。 そして モノクロのカバー・ジャケットが秀逸。 靴下を脱いで(欧米ではプライベートの極致) ベッドに腰をおろすビリー。 でもスーツ(よそ行き)姿のまま。 物憂げな表情で能面(仮面=ペルソナ)を見つめる。 壁には思春期に熱中したという ボクシングのグローブ(外界との闘いの象徴)が下げられ そして孤独を表すかのように長い影が伸びています。 http://www.billyjoel.com/frameset_discography.html http://plaza.rakuten.co.jp/miyajuryou/3014#thestranger Don't be afraid to try again Everyone goes south というフレーズがありますが この south はエデンの南 「失楽園」の事ですね。アダムとイブの。 渡辺淳一のエロ小説じゃなくて、ミルトンの方。 「She's Always A Woman」には She will promise you more 彼女は約束するだろう Than the Garden of Eden エデンの園以上のものを というフレーズが登場しますし 「Only Good Man Die Young」(葬儀で牧師が言う常套句)にも 聖書由来の言葉が頻繁に出てきます。 [外国語詞和訳]カテゴリの最新記事
>モノクロのカバー・ジャケットが秀逸。
ものすごく不安定というか、精神的に落ち着かない写真ですね。 構図的に見ても、グローブがあるおかげで目線が散ってしまう。 なければ長い影とあいまって、アーティストの顔に視線が集まるのですが、 この構図だと視線が泳いでしまう。 狙ってやったのでしょうけど、部屋に置いて飾りたい類の写真ではありませんね。 (2006/12/03 10:47:24 AM)
The Stranger」→「Just The Way You Are
この2つの対局になる二面性も とても 魅かれるものがあります。 どちらも 好きな曲です。(2006/12/03 10:58:16 PM)
ムーヴィン・アウト♪
いいですね、今の彼が歌うとどんな感じなのでしょう。 DVDが出たら早速聴きたいです。 「よそ行き顔と内なる顔」 上手に使ったらいいのか、大事にしまっておく方がいいのか・・・答えはきっと無いんでしょうね。(2006/12/04 01:24:38 AM)
>>モノクロのカバー・ジャケットが秀逸。
>ものすごく不安定というか、精神的に落ち着かない写真ですね。 >構図的に見ても、グローブがあるおかげで目線が散ってしまう。 >なければ長い影とあいまって、アーティストの顔に視線が集まるのですが、 >この構図だと視線が泳いでしまう。 アルバム・ジャケットは「アート」と呼ぶことが多いですよね。その名に値しない物も多いですが これは見事なアートだと思います。 >狙ってやったのでしょうけど、部屋に置いて飾りたい類の写真ではありませんね。 飾りたい気はあるのですが(笑) いわゆるインテリアにはならないでしょうね。メッセージが強くて、部屋のイメージを極端に限定しそう。 (2006/12/05 06:53:25 AM)
>The Stranger」→「Just The Way You Are
> >この2つの対局になる二面性も とても 魅かれるものがあります。 >どちらも 好きな曲です。 彼のアルバムの2曲目3曲目あたり。 アルバムのテーマをどーんと提示して、しかもそれがおそろしくレベルの高い楽曲ですね。 (2006/12/05 06:56:16 AM)
>「よそ行き顔と内なる顔」
>上手に使ったらいいのか、大事にしまっておく方がいいのか・・・答えはきっと無いんでしょうね。 これは僕が一番苦手としている方面です。 分かっちゃいるけど、いちいち傷ついたりします。 自分の事は棚に上げて(笑) (2006/12/05 06:57:43 AM)
はじめまして。
ビリージョエルのThe strangerについてブログを書かせて頂くにあたり、宮寿陵さまの訳詞が一番正確に思えまして拝借させて頂きました。有難うございました。 "Everyone goes south."がずっとわからなかったのですが、おかげさまでよくわかりました。南が「楽園」の意味なんて、なるほどなあと思いました。 英語の達人でいらっしゃるのですね。うらやましいです。 私も一時期それを目指したこともありましたが、才能が無いので諦めました。 今は日本語の達人を目指したいのですが、道は遠いようです。 ブログからこちらの記事をリンクさせて頂きます。 御一読頂けましたら幸いに存じます。 有難うございました。(2012/01/31 11:47:18 AM)
すみません。うっかり者なのでブログURLを書き忘れました。
http://kumokirimegusuri.blog.so-net.ne.jp/2012-01-28 「九子のダメ母の証(あかし)日記 in So-net」の最新記事です。 m(_)m (2012/01/31 11:52:11 AM)
>英語の達人でいらっしゃるのですね。うらやましいです。
うふふふふ... 外国語は苦手なんですよ! >今は日本語の達人を目指したいのですが、道は遠いようです。 和訳って日本語にどう直すかだから 日本語の語学力(?)の方が大切だと思います。 ...と自分に言い聞かせています。 さらに言えば、その曲がどれぐらい好きで、歌詞の内容をどれだけ真剣に考えるか、じゃないですかね。 (2012/02/06 06:39:49 AM) │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |
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