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カテゴリ:Gourmet (European)
荻窪の駅ビル、ルミネをエレベータで5階まで上がる。右側に向かって歩き出すと、フロアの中央にわりとオープンで大きな店がある。廊下から覗き込むまでもなく、いつもお客さんでいっぱい。お昼時には行列もできるほど。
ここは本格(????)イタリアンが気軽に食べられると評判のラ・ヴォーリア・マッタ。名前がちょっと憶えにくいけど、「ルミネの上のイタリアン」で荻窪では通ってる。 ピッツァにはナポリ風、ローマ(あるいはミラノ)風と日本で呼ばれる2種類がある。違いは生地の厚さ。もちもち、ふわふわ、厚手の生地がナポリ風。カリカリ、うすうす、クリスピーな生地がローマ(あるいはミラノ)風。 「ピッツァは小麦粉を味わうもの」というピッツァの王道?から行けば、当然生地はもちもちで、トッピングはシンプルなほうがいい。ナポリで一番美味しいのは、やっぱりピッツァの元祖、マルゲリータだけど、これだと、トマトソース+モッツァレラチーズ+バジリコのシンプルなトッピングゆえに、素材のよしあしと生地の作り方・焼き方の腕がストレートに出てくるわけだ。 ピッツァは当然ナポリが発祥の地だから、ローマ風ピッツァ(と日本で呼んでる)クリスピーな生地のピッツァは「ピッツァ・バリエーション」だと考えたほうがいいかもしれない。トッピングされた素材のハーモニーを味わうには、正調ピッツァだとちょっと生地が重すぎる。そのかわりクリスピーな生地では、サクサクした歯ごたえと食感は楽しめても、ふくよかな小麦粉の味わいというのは期待できなくなる。 で、ラ・ヴォーリア・マッタのピッツァは、当然ながら、薪火で窯き上げる(イマドキ、ピッツァを売りにするなら、もはや当然の感もあるけどね)。直径約40cmとサイズも特大でお皿からはみ出して運ばれてくる。視覚的なインパクトもなかなかのもの。 一番人気の、お店の名前を冠したPizza "La voglia matta"には、薄く切ったナスに生ハム、トマト、ルッコラまで載っている。薄い生地は、ホント、これ以上ないというくらい薄さを追求していて、塩味がピリッと効いている。ナスも芸術的(苦笑)なまでに薄く、なんというか、生地の一部になってる感じ、このナスが、しっとりした食感を元来カリカリの生地に与えてる。そこに塩気の強い生ハムと、ちょっと青臭いトマト、独特の苦味と風味が個性的なルッコラが加わる。これはこれで素敵なハーモニーだ。 人気があるのは頷けるけど、正直、行列ができたりするのは「そこまでして?」と、ちょっと不思議でもある。80席というから、けっこう大きい店だしね。いつまでこの人気が続くんだろう(すでにもう、けっこう、長いけど)。 駅ビルという立地のよさもあるかもしれない。 ピッツァには確かに個性はある。けど、生パスタはないし、スパゲッティの味付けも「日本風」。前菜やそのほかの一品も、確かにおいしいんだけど、そんなに群を抜いてるとまでは思わない…。料理や味付けに「アタマひとつ抜けた感」は乏しいけど、といって、ハズレもない。 アンティパストは何で、プリモはコレ、セコンドはソレで、ドルチェはアレ… みたいな正調リストランテの作法が面倒なとき、3-4人で料理を分けながら、気軽にワイワイ楽しむためにはうってつけのお店かも。 · 杉並区上荻1-7-1 荻窪ルミネ 5F · 03-3393-1801 · 不定休(ルミネに準ずる) · 11:00~22:00 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.06.13 21:51:29
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