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カテゴリ:Travel(タイ)
先月はワット・スタットには行ったが、その近くの眺めがよいというワット・サケートには足をのばさなかった。ワット・スタットは本堂の仏陀像も素晴らしく、回廊に並んだ黒と黄金の仏像も魅力的でもう一度行きたいな、と思った。そこで、ちょっと変わったルートで街歩きしつつこの2つの観光スポットを回ることにした。
まずは水上バス(15バーツ、50円だが、17バーツに上がるという話もあり)で「メモリアル橋」で下船。 ラマ1世像のある広場を抜けて。ワット・ラーチャプラナへ。 さっそくお犬様が入り口でヘバってた。 お暑いですね~。せめて、日陰に移動されてはいかがでしょう? お犬様 「動くのもタルいしね」 ワット・ラーチャプラナは本堂は閉まっていて入れなかったのだが、建物を飾る浮き彫りと透かし彫りがなかなか見事だった。 仏教説話に疎いので、なんの場面なのかさっぱりわからず、慙愧。 だが、この動的なポーズは素晴らしい。浮き彫りと透かし彫りの組み合わせも手が込んでいる。これは『ラーマキエン』(アユタヤ王国の王子にまつわる伝説)の一場面かも? 眼に異様な力がある。 痩せたワンちゃんがお堂を守っている。近づいたら、タイで初めて犬に吼えられた。 ここには日本人の僧侶が守る日本人納骨堂があるという。確かにあったが、鎧戸も扉もかたく閉ざされたまま。日本人僧侶らしき人にも会わず。 ワット・ラーチャプラナを出てパフラット市場方面へ北上。ここらあたりは、観光客相手ではない一般市民用の日常品を売る露天が続く。600メートルほど歩くと、「オールド・サヤーム」というショッピングモールに出た。冷房で涼もうと入ってみる。名前のとおり、古めのモール(笑)。観光客相手ではなさそう。宝石や磁器を売る店もあるが、吹き抜けになった室内屋台が目を惹いた。 こんな感じ。下が屋台村になっていて、上階は吹き抜け空間を取り囲むように店が並ぶ。 結構地元民で賑わっているので、期待が膨らんだ。サクーサイムーを売ってる店を発見! やった~と1パック買う。35バーツだか45バーツとちょっと高めだが、たくさん入っていた。 ところが! 食べてみてガッカリ。冷えていて、周りのタピオカもまったく粒感がなく、しかも油っぽい。ウィークエンド・マーケットで売っていたもののほうが遥かに美味しかった。 リベンジとばかり、人が並んでいるスイーツの屋台へ行く。もち米のお団子にココナッツミルクをかけたもの。15バーツと格安だったのだが、これもハズレ。小さなお椀だったが、全部食べられずに残してしまった。 2連敗で他を試す気持ちがなくなった。残念。美味しい店もあったのかもしれないが、これも運。 オールド・サヤームからまた暑い街に出て、さらに600メートルほど歩くとワット・スタット。メモリアル橋からはほぼまっすぐのルート。 スコタイ王朝時代の最大の仏像。ラマ1世がここに運ばせた。だが大きいというだけでなく、姿の美しさもバンコクにある仏像では随一(と思う)。 こんなしなやかな仏像もあった。前回来たときは目に留まらなかったのだが、細身の腰掛け姿がたまらなく優美。 しかし、誰だロビンソンの買い物袋を横に置いたのは!? あまりにハマリすぎている! まるで買い物帰りに仏様が、「あ~、暑くて疲れた。ここで一休みっと」と腰掛けているよう。 日本の枯れた雰囲気の仏像とあまりに違うので、最初は「タイの仏像って、やたらキンキラじゃん」と思ってしまい、そのことばかりが印象に残り、なかなかよさがわからなかった。 ぐるりの回廊に安置された微笑みの黄金仏。ワット・スタットでは僧侶たちの祈りの声、奉仕学生(?)の元気な声がいつも聞えてくる。そして、回廊で眠り込む放浪者。観光客がそこに混ざり、独特なムード。敬虔と緊張と好奇と倦怠が全部ごちゃまぜになっている、とてもタイ的な空間で、バンコクでも最も好きな場所に。 ワット・スタットを出て、仏具街になっている「パルムン・ムアン通り」を西へ500メートルほど歩く。大きなブラ・スメン通りを横切って少し行くと、きったな~い運河に出る。 運河を左折して小道に入ると、そこは建具屋街。透かし彫りを施したドアの扉などが軒先に並ぶ。ステンドグラスをはめ込んだ洋風のものもある。 「ワット・サケート」の下がり看板に導かれて路地に入ると…… 唐突に、緑の静寂。 さっきまで聞えていたバイクやクルマの音が一瞬すべて消え、森に迷い込んだような錯覚にとらわれる。 ワット・サケートは人工の丘。階段を登って「黄金の丘寺院」へ。 釣り鐘が並んでいる。どことなくチベット仏教風のようでもあり。 だんだん視界が開けてくる。伝統建築の向こうに近代的なビルが。 これは王宮方面を見下ろしたところ。バンコクにこんな高い丘(しかも人工)があったとは。 眼下に開発から取り残されたような古びた地域があるのを見た。実は東京にもこういう場所がポツポツとある。白金から恵比寿にかけての一帯に雰囲気がちょっと似ている。「白金」「恵比寿」と聞くとオシャレなイメージだが、実はこのあたりの低地には、昭和30年代から変わっていないような貧しげな地域がそのままになっていて、ふと迷い込むとタイプスリップしたような気分になる。 頂上には黄金の仏塔があった。 階段のぼって疲れ果て、喧騒の「下界」へ下り、大通りに出たところで、すぐにタクシーを拾い、ホテルへ。 ホテルでガイドブックを見直して気がついた! 「ワット・サケートでは丘の麓に建つ本堂の『ラーマキエン』の壁画も必見」。 が~ん! 見事に見逃した。皆様はお見逃しのないように。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.08.04 21:29:43
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