否嘉門傑作詩集・カピバラさんがやってきた否嘉門傑作詩集より抜粋。「カピバラさんがやってきた。」 カピバラが相変わらず眠そうな顔立ちで水草は食んでいる 焦げ茶色の毛皮は光を浴びてキラキラ 草原の水場は朝から賑わっている 様々な動物がやって来るのだ でも、逃げる事しか生存競争に勝てないカピバラ 多産で子孫を残す以外生きる術はない 子供達が背中に乗ったり ミルクをねだったりしている 平穏な日になるはずだった 緑色の草原の空気がキーンと張り詰めた ジャガーの親子だ カピバラは親子揃って水中に逃げ込んだ 逃げ場を失えば、即、死を迎えねばならない 常に死と直面している弱者は 生活する事自体に逃げ道を持っていなければならない カピバラの赤ちゃんジーが聞いた 「どうして逃げるの?どうして戦わないの?」 「戦う術がないからだよ」 カピバラお父さんが言った。 ジャンル別一覧
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