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サニーMJQ

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2006.02.27
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カテゴリ:舞台感想記
では、速報につづいて詳し目に。

いまさらだが、源氏物語の葵の段のおさらいから。
光源氏の年上の愛人である六条御息所。源氏の妻である葵が身ごもったことを知り、彼の冷たいそぶりにも傷心の果てに、嫉妬に狂って生霊となり葵を取り殺してしまうという、アラ恐ろしの物語。

三島由紀夫がこのテーマを換骨奪胎して現代を舞台に描いた『葵上』(『近代能楽集』より)。演じられた役は、正確には、「六条康子」。だからタイトルは間違っていたけど、いまさら直さないでおく。

プログラムには、山口小夜子 (舞、朗読)とある。
「舞」とあるが、日本舞踊のそれではない。舞踏のほうかという気がする。が、自分は舞踏をほとんど知らない。パフォーマンス+朗読というのがぴったりくる。

空間のコーナーを使っており、ふたつの壁には、あるときはシルエットが、あるときは抽象的な模様が流れる。そんな映像を背景に演じられた。

衣裳は黒と赤とベージュのドレス風の重ね着。和風、キモノっぽくもある。

人形劇の源氏物語で人形美術・意匠に取り組んだこともある彼女ならではのオリジナルか? 歌舞伎の衣裳がマンハッタンでもアフリカの砂漠でも南極の氷上でも似合ってしまうように、時空を超えうる趣あり。

両手に持つ朗読原稿で顔を隠して登場。原稿をゆっくりとおろして最初に顔を出したとき、ドキリとした。表情がない。凍り付いている。いや、生気すらない。死体かとさえ思った。肉体も精神も一度死んで、精神だけが、執念で生霊として甦ったごとし。

音楽は、一中節っぽかった。そこに琵琶や笛やギターが絡んだり。

朗読は、声で凄みを出すわけではなく、やさしい声がひたひたと却って恐ろしい。朗毒だ。

あと、視線。
妖艶な視線はモデルとしての写真を見てもわかるが、今回はそこに緑の凄みと力が加わって、心を突き刺すようなソレであった。舞台の奥から手前に近づいてくるときなど、思わず、「こ、来ないでくれ!」と心の中で叫びたくなった。コワくて。

終演後、もう一度舞台に出てきてお辞儀をしたときは、以前ある座談会で見たような、華奢で消え入りそうな風情にもどっていた。





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Last updated  2006.02.27 11:13:59
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