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カテゴリ:本馬鹿
「新説東京地下要塞」の秋庭俊の本。 こちらの方が「新説~」より前に出版されてる。 「新説~」よりは情報量は多いが、文章は難解。 出版順を考えると「読みやすくした」のが「新説~」ってことかな? 中身が難解なので、せめて箇条書きにすると 「東京には知られざる“地下の東京”がある」 ●それは玉川上水などの暗渠を二重構造に作り、 武家屋敷の抜け道として使ったことに始まる。 ●その地下道は江戸時代から現在に至るまで 改描された地図に暗号として描かれている。 ●1924年の地下網の計画図に書かれている地下道の多くは、 現存する不自然な位置の地下道や地下施設を結ぶ線や 延長線に当たることから、この計画が実際に進んでいたと見られる。 「新説~」がどちらかというと地下鉄の話に寄っていたのに比べると 軍事的な話に寄っている印象。 (原爆の登場で全く意味がなくなってしまったが) “大砲”の登場後、欧州各地で作られた拠点を地下に置く要塞として 東京を作り変えようとしたという仮定。 たぶん、そういうものがあったんでしょう。 別にあってもいい。 ・・・地震とか災害の時に安全が確保されてるのなら。 いつどこで御徒町駅の道路陥没事故みたいな事が起きるか わかんないってのは都民として歓迎できる話じゃない。 で、その地下計画について、 本人も書いているが、地下を掘り返すことができない以上 決定的な証拠を提示することはできないので、 いわば“状況証拠”を積み重ねる手法をとっている。 それなりに説得力のある証拠を揃えてるんだけど・・・説明がわからん。 「わかりやすく書く」という作業を放棄してるようにしか思えない。 特に地図の改描や暗号についてのくだり。 地図を併記してそれについての説明をするんだけど、 それが地図のどの部分を指しているのかさっぱりわからん。 でもわかってる前提で書き続けるので、読んでる方はどんどん置いていかれる。 (2)の後半に出てくる都市計画図。 都市の形を「クジラ」に例えているんだけど、クジラに見えない。 にも関わらず「クジラの目の部分には・・・」なんて話をするから 正直読んでてイヤになってくる。 内容そのものは面白いんだろうけど、それが伝わらないんじゃ台無し。 それでもがんばって読んでみようっていう強い意志がある人と 「最近眠れなくって・・・」っていう人にしかオススメしません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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