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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*きみの瞳にうつるボク*


 ボクは君が好きなのに

   君はボクを見てくれない。

君はボクとは

    目をあわせてくれないんだ。


 *きみの瞳にうつるボク*


「おはよ」

朝の教室

誰よりもはやい君に

ボクは声をかける。


「おはよ~。今日も外、寒いよね」

君はにっこり笑って

外を眺める。


ガラス越しに映る君を

少し離れて眺めるのは

キライじゃない。


「雪、また降るんだってさ」


ボクの言葉に


「だからこんなに寒いんだ」


君は答えてくれる。


「そうだ、昨日ね買い物に行ったんだけどね・・・」


君のそんな日常会話。

ほんとはほとんど

内容なんか聞いてない。


ただボクは

君といるだけで楽しくて

君といるだけで笑顔になれる。


なんでも楽しくて

なんでもおかしくて

なんでも笑えるんだ。


そんな君と話すようになったのは

去年の梅雨の時期だっけ。


傘のないボクに

「私と一緒はいや?」

そういって

傘を差し出してくれた君。


意識してなかったクラスメートが

違って見えた。



シチュエーションに酔っただけ。

なぁんて思ってたけど

時間が経つにつれて

ぼくの中でふくらむ君の存在。


もしかしたら君は

ボクのことを・・・


なんて思ったこともあったけど

でもね

一つだけ気になるんだ。



君は一度も

ボクの目を見て話してくれてないんだ。



ボクはこんなに君をみてるのに

君はボクを見ようとしない。

話をしてても

視線はボクに向いてなくて

座る時だって

隣に座って前をみる。




「なんでこっち見ないの?」

いつだったっけか。

君になんとなく

聞いてみた。


そしたら君ね

「なんかね・・・男のコの顔見て話すの
 苦手なんだ」

かわいらしく

笑ってた。

でも

ボクじゃない奴と話す時は

君はちゃんと

顔を合わせて目を見て話すじゃん。




なんで君は

ボクを見てくれないんですか?


君はボクが

キライなんですか?



「俺、君が好きだよ」


放課後の教室。

君とボクのふたりきり。

帰ろうとする君をひきとめて


無理矢理にでも

目を合わせて言ったんだ。


「君が俺を見てくんなくても
 たとえ嫌われてても
 俺、君が好きなんだ」


君に触れるボクの手を払いのけ

君はボクから逃げたんだ。

教室を出ていく君を

引き止めることも出来ないまんま

その場にしゃがみこんだ。




完璧

嫌われたって思った。




「・・・・だってね」


しゃがみこむボクの頭上から

聞こえてきたのは

聞き覚えのある声。


顔を挙げて

ボクの目に飛び込んできたのは

真っ赤な顔の君。


「・・・見ちゃったら・・・
  話せなくなっちゃうんだもん」


少し涙ぐみながら

君はボクの前にしゃがみ込む。


そっと触れた君の顔は

熱くって



そんなの見て

気付かない男じゃない。



「それって・・・」


つまり君は

ボクのこと・・・


「あたしもね・・・」


もしかしなくても

ボクのこと


「あなたが好きなの」


照れ臭そうに

真っ赤な顔で

まっすぐボクを見た君が

かわいくて

いとおしい。



君が初めてボクを見た。

君の瞳にうつるボクは

きっと

君しか見れないボクだから


おねがい。

これからはもっとずっと

ボクだけを

その瞳にうつしてて。









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