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*意味がない*一日中 君を待ち続けた。 でも 君がボクの前に現れないまま 教室にはもうだれも いなくなってた。 *意味がない* 「帰る･･･か」 もう日も暮れて 窓から見える校庭の人影も まばらになってた。 ずっと待ち続けてた君は 結局ボクの前に現れなかった。 カバンを片手に 教室を出て 君の教室の前を通る。 覗いてみたけど もちろん君はいない。 勝手に期待してた 自分がバカなんだ。 そう自分に言い聞かせながら 学校を出た。 バレンタインデー。 世間はピンク色。 期待してたんだ。 もしかしたら君が チョコをくれるんじゃないかって。 いや 欲しかったんだ。 君からのチョコが。 高校に入って 隣の席の君と意気投合して すぐ仲良くなって。 クラスがわかれても たまに来てくれる君のこと いつしか 意識するようになってた。 もしかしらた君も ボクのこと･･･ なんて バカみたいに期待して 今日もずっと 君のことを待っていた。 自分からいくなんて あからさますぎてイヤで そんな自分が 格好つけてるみたいで 今は自己嫌悪。 何人かが今日 ボクのところにきてくれたけど 受け取らなかった。 ボクがほしいのは 女のコからのチョコじゃなくて 君からのチョコだけだから。 君のじゃなきゃ 意味がない。 駅のホーム。 まだ少し風が冷たい。 目の前のホームで なんだか幸せそうなカップルが 肩を寄せ合って 楽しそうに笑ってる。 そんな二人を 遮るように ホームに電車が入ってくる。 「まってっっっ」 電車に足をかけた瞬間 聞き覚えのある声が 聞こえてきたような気がして ボクは電車を見送った。 でも まわりを見渡しても どこにも声の主が見当たらなくて 「･･･うわ、俺って重症？」 君の声が聞こえたなんて 思い込んだ自分に笑えた。 ｢なにやってんだか･･･｣ ホームのベンチに 座り込んで 目を閉じた。。。 ｢･･･っっ!?｣ 間もなく 暖かい何かが ボクの頬に触れて 驚いて目を開けたら ｢おっす｣ そこにいたのは 君だった。 ｢････夢？｣ なに？ もしかして幻覚まで見えるわけ？ なんて思いながら 君を見つめる。 ｢コレ、痛いでしょ？｣ そういって君は ボクの頬をつねった。 ･･･うん。夢じゃない。 ｢電車･･･乗らなかったんだ｣ 線路の方を眺めながら 君は呟いた。 『君の声を幻聴で聞いた』 なんて言えるわけもなく 黙り込む。 ｢私、叫んだ甲斐、あったね｣ 照れ臭そうに笑う君をみて あれが幻聴じゃなかったことに気付く。 ｢ごめんね、コレ。 どうしても渡したくて｣ そう言って 君が差し出したのは紙袋。 ｢ほんとはね、 学校で渡すつもりだったんだけど なんか･･･ね 他のコが渡してるの見てると どうも･･･渡せなくて･･･。 改札で待ってたら 反対側の改札から君が来るんだもん｣ はにかむように笑う 君の顔が赤くなる。 ｢私のなんかいらないかもしれないけど ･･･もらってくれない？｣ 紙袋を受け取って ふと覗くと 君の気持ちのつまった チョコレート。 ようやく状況を把握できて 目の前の涙目の君を ボクは思わず 抱き寄せた。 ｢すっげぇ嬉しい｣ ありったけの ｢ありがと｣ ボクの気持ちを ｢バレンタインデーのチョコなんて 君のじゃないと意味ないから｣ 君にぶつける。 ｢ありがと｣ 『好き』って書かれた カードの添えられた 君の手作りチョコ。 ｢形はとにかく、おいしい｣ って言ったら 君は笑ってた。 ｢俺も好き｣ って言ったら 君は泣いてた。 手を握り締めると 君は ぎゅっと 握り返してくれた。 そんな やりとりも 君とじゃないと 意味がない。 君のチョコも 君の気持ちも受けとめるから ねぇ 君もボクの ありったけの 君への気持ち 受け止めてくれませんか？ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * 感想やメッセージ残してもらえると嬉しいな(^^) →bbs 読んで下さってありがとうございました☆ 良ければ他の作品もどうぞ☆ →Top |
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