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*だめ*無理になった。｣ 君がそう言って すまなさそうな顔をした。 ほんとは凹んだけど 「そっか。仕方ないよ。 また今度にしよ」 笑ってみせた。 凹んだ顔なんかみせちゃダメ。 *だめ* 家に帰って カレンダーのハート印に×をうつ。 ｢楽しみにしてたんだけどなぁ･･･｣ 溜め息つきながら ベットにつっぷした。 付き合って半年。 失恋してすぐのあたしに 「スキなんだ」 って言ってくれた君。 すぐには無理だったけど ずっと一緒にいてくれる君に ずっと隣で笑ってくれる君に いつしか新しい恋をした。 ｢昼、一緒食べよっか｣ たまに君が そうやって誘ってくれると すごくすごく嬉しくて しあわせで 屋上で 君の隣に座ってると もっともっと 近付きたくなる。 でもそんなのしちゃダメ。 一定の距離を保って 君の隣に座る。 ｢じゃぁまた。 授業しっかり受けろよ｣ 昼休みが終わって あたしに手を振って かけてく君を ほんとはぎゅって 捕まえたかった。 それもしちゃダメ。 伸ばしそうになる手を ぎゅっと握り締めた。 ｢この前の映画の埋め合わせ｣ そう言って 君が差し出してくれたのは 遊園地のチケット。 ずっとあたしが行きたかった 遊園地のチケット。 「今度の休み、１０時に駅待ち合わせ」 休日。 待ち合わせの時間の５分前。 駅につくと君がいて 手ぇ振ろうと思ったら 君の隣には知らない女のコ。 ｢だから俺、彼女待ってんだって｣ ｢えぇ～なになに？ 一人前に彼女なんて出来たわけぇ？｣ 君の腕をつかむ女のコに ちょっとムカ。 今すぐにでも 引き離したいけど でもダメよ。 にっこり笑って君に声かけた。 ｢おはよ｣ ｢おはよ。ごめんな、こいつ 幼馴染でさぁ、偶然そこで掴まって･･･｣ 聞きたくない。 なんで？ なんであたしとの待ち合わせ場所に 幼馴染がいるわけ？ 偶然出逢ったからって なんでそのコは 君の腕つかんでんの？ そんなワガママもダメ。 凹むきもちを隠して ｢そうなんだ、ごめんね。 話の邪魔しちゃった？｣ 笑って見せる。 ｢ほんとに俺の事スキ？｣ デートの帰り。 急にそういって 君は足を止める。 目にうつるのは いつもの笑顔じゃない かなしそうな君の顔。 ｢ごめん、無理してくんなくていいよ｣ なにも返せないあたしを見て 君は無理して笑って見せる。 ｢無理して付き合ってくんなくていいよ｣ 君が 去っていく。 君の後ろ姿が いつもより遠くに見えて 君の姿が どんどん霞んでく。 ぬぐってもぬぐっても ぬぐいきれない涙が ぼたぼたおちる。 違うの。 違うんだもん。 いかないで。 まって。 聞いてほしいの。 あたしはね あたしは君が ｢スキだからっっ｣ あたしの声に 君は驚いて振り返る。 ｢あたし･･･あたし君がスキだから だから嫌われたくなかったんだもん･･･｣ 前の彼氏はね あたしのワガママさに うんざりしてた。 あたしのキモチは 重たすぎるって溜め息吐いた。 君には そんなこと言われたくなくて 君には 嫌われたくなくて だから 聞き分けのよくて 重たくなりすぎないようにって ずっとずっと 心掛けてきたのに。 そんなあたしの話を 君は 頷きながら聞いてた。 泣きじゃくるあたしの前に 君はちょこってしゃがみこんで あたしの頭をくしゃくしゃして 言ったんだ。 ｢ばーか｣ 顔をあげて見えたのは 君の幸せそうな笑顔。 ｢俺は前の彼氏と違うっしょ｣ 君はすっと立ち上がって ｢もっと甘えていいんだよ｣ あたしをぎゅっと抱き寄せた。 ｢わがままでもいい。 言いたいこと言っていいから。 束縛だって大歓迎。 凹みたい時は凹んで 泣きたい時は泣いて 傍にいたい時はいつでも言って。 無理しなくていいよ。 我慢なんかしなくていいんだって｣ 君の温もりと 君の鼓動が すごく近くに感じて ｢全部受けとめるから｣ 君のやさしさに ｢そんなの全部ひっくりめて 俺は君がスキだから｣ たくさん恋をした。 ｢ねぇ？｣ ｢ん？｣ ｢もっともっとぎゅってしていい？｣ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * 感想やメッセージ残してもらえると嬉しいな(^^) →bbs 読んで下さってありがとうございました☆ 良ければ他の作品もどうぞ☆ →Top ジャンル別一覧
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