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by モコ
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けたたましい目覚ましの音の中でのん気にいびきをかきながら寝る少年――西海幸平は、16歳と同じ年月を一人で暮らしている。 部屋は床が見えないほどに物が埋め尽くされ、台所からはスモッグのようなものがちらほら見える。 そのお世辞にも広いとはいえない部屋のど真ん中で盛大にいびきをかきながら幸平は寝ている。目覚ましの音にはまったくの無反応。 素晴らしいと思えてしまうほどの無反応ぶりに、目覚ましも諦めたのか音を出すのをやめてしまった。が、目覚ましに続くように、ピンポン、と古臭いチャイム音が部屋に響いた。 「こ・ろ・さ・れ・る」 先ほどまで何の反応もしめさなかった男が、目覚ましの音と比べると見劣りしてしまうチャイム音で立ち上がった。 幸平は足の踏み場の無い床を行くのを諦めて、立ち幅飛びの要領で4メートルはあると思われる玄関へ向かった。 「…今日こそ全俺の終わりのときだな」 半ば諦めて外界へのドアを開けるといつもの少女は立っていた。般若のごとく形相で。 「幸平さん………何度遅刻すれば気がすむのかしら?」 先ほどまでの形相とはうってかわって、目だけ笑わない独特の表情で努めて冷静に幸平に問う少女。 その問いに反論のしようが無い幸平は黙ることしかできない。 少女――皆内ハンリは、幸平の唯一の幼馴染であり、幼少のときに同じ雑草を食べた仲でもある。もちろん彼女も16歳で16年の一人暮らしをしている不幸自慢の持ち主。 不幸な少年少女はあることがあり、高校へ通うことができている。そして、ある事のせいで毎朝共に学校に通わないといけない。 だが、幸平は時間にルーズすぎるところがあり、連続200回目の遅刻を達成した。 ハンリは最初こそ笑って許していたが、ちょうど100回目の遅刻以降からこの清々しい青春くさい展開がループしていた。 「ふふ。今日は200回目の遅刻よね………?」 走馬灯を眺める幸平をよそにハンリは言葉を続ける。 「鬼ごっこしよっか」 やはり目だけ笑っていない表情で、ハンリはスカートの裾に片手をかける。 「ルールは簡単。私が10秒数える間にあんたは逃げる。その後に私が追いかける。通常の鬼ごっこと一緒よ」 端整な顔立ちからは想像もできないダミ声でハンリは静かに終わりを告げ始める。 「1」 走馬灯に夢中だった幸平はわれに返り、ハンリがスカートの裾に手をかけている事を確認した。幸平の背筋に冷や汗が静かに流れる。 「2」 顔面蒼白の自分を奮い立たせるために、合掌する。 「3」 冷酷なカウントダウンを側に感じながらも、先の立ち幅飛びの構えをとる。 「4」 構えを更に下へ。いわゆるヤンキー座りに。 「5」 「発射角度OK。座標確認。エネルギー80%。発射準備OK。キャスバル・レム・ダイクン出るぞ」 少しヲタクの要素を含みながらも口早に幸平はつぶやく。 「6」 「7」 「8」 「9」 「10」 カウントダウンが終了した後には、ハンリの目の前から幸平は消えていた。 「ったく、あいつはあれの使いどころを間違ってる」 微笑とも苦笑ともつかない笑みを浮かべ、ハンリはスカートをめくりあげる。 そこにあるは無数のファンネル+銃器。銃刀法違反も関係ないといわんばかりの装備をハンリは女の花園の下に装備していた。 「ニュータイプ舐めんなよ!!ぁ、私も使いどころ間違えてるか」 言い終えると、口端を吊り上げ、トップランナーが繰り出す速力をはるかに超えたスピードでハンリは幸平宅の玄関を後にした。 いつものごとく開け放たれたドアはもの寂しげに風にふかれ左右に揺れることしかできなかった。 ==================================================================================== さぁバイト忙しくてナルニシアは折れ気味・・・・ で、何か久々に書いてみようと思ったらアフォみたいなものが・・・・w これが続くかどうかなんて知らん・・・先にナルニシア完結したいな・・・。。。 まぁこれ、もし見る人いたら感想くださいw p:s PCあんまできねぇな・・・バイト・・・ 働いたら負けかなと思ってる 僕は負けた byもこ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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