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ももも。のおスイス暮らし

ピクトン~旅の初っ端から

旅・ピクトン ~旅の初っ端から捻挫~



最初の目的地・ピクトンは南島の北の小さな町、北島を結ぶフェリーの発着所である。
オークランドから夜行バスで一気に首都ウェリントンまで下り、
そこからフェリーに乗り、ピクトンに降り立った。
予約したバックパッカーの送迎があるという。


「ハーイ、ももも。!」
典型的キウイの明るいお兄さん・バリーが出迎えてくれた。
正直とっても緊張していた私は少し安心した。ここでは2泊する予定。
送迎で一緒になったドイツ人・サビーネとチェックイン後、
スーパーへ買出しと少し町を歩いた。
一緒に夕ご飯を作り、食べ、翌日一緒にマルボロ・サウンドを歩くことになった。
夜行バスの疲れもあったので、その夜は早めに寝た。


翌朝、同じバックパッカーに泊まっているドイツ人2人とオランダ人1人も
行くことになり、5人一緒に集合場所に向かった。
今回のコースは船である地点まで連れて行ってもらい、そこから決められた地点まで歩き、
同じ船が迎えにきてくれるというもの。
船の時間が決まっているので、制限時間はあるものの、難しいコースではなかったはず。
最初は入り江の下船場からの登りで、その間どしゃぶりだったのがきつかったが。


ある場所で出会って以来、意気投合して一緒に旅を続けているドイツ人・イボンヌと
オランダ人・マリーンは、日本のことをいろいろ聞いてきた。
日本人はヨーロッパ人をどう思っているの?とか。
「語学学校でかわいい顔したスイス人が授業中、すごい音で鼻をかんだことが
 カルチャーショックで、日本では人前ではすごい音ははずかしくてたてないんだよ。」
って言ったら、すごくびっくりしてた。


あとでイボンヌに言われたんだけど、
彼女はNZを半年旅してきて日本人をたくさん見たけど、
挨拶以上の会話を交わしたのは、私が初めてだったそうだ。
それで日本のこととかヨーロッパとの違いを聞けて、興味深かったって。

それを聞いて、
私がなんで英語をしゃべりたいかと思っていたかを改めて思い出した、


「世界の人としゃべりたい」ってこと。


語学学校に行って、ただ勉強してて、すっかり忘れていた気がする。




木々の間から見れるマルボロ・サウンドの穏やかさにうっとりしながら歩いた。
目的地まで後30分という所だろうか、
朝のどしゃぶりで表面が粘土のようになっていた所で、私は足を滑らせてしまった。
滑りながら、足首がグギっというのが聞こえた。

痛かった。


痛かったのもあるが、昨日今日出会ったばかりの人に迷惑をかけることが正直イヤだった。
そんな心配はよそに、イボンヌとマリーンはおぶってあげようか、とまで言ってくれた。
なんとか歩けそうだったので、歩いた。船はまだ来ていなかった。ほっ。
船には30分以上乗っただろうか、船から下りると、すっかり足首が固まっていて、
歩けなかった。
イボンヌとマリーンが両脇を支えてくれ、途中薬局に寄って、宿に戻った。

マリーンがそんな足じゃ買出し行けないだろうから、
私が夕飯作るからとまで言ってくれた。
どこまでやさしいんだろ、この人。正直感動した。
そして彼女の好意に甘えることにした。

マリーンは私を庭先のいすに座らせてくれ、宿の人に冷やすための氷まで頼んでくれた。
彼女がご飯を作っている間、庭先で足を冷やしている私を見て、
イギリス人・アンドリューがやってきた。
彼も捻挫をしたことがあって、どう冷やすのがいいか教えてくれ、
度々ちゃんと冷えているかチェックまでしてくれた。

マリーンのご飯ができて食べ始める頃、どこかに行っていたイボンヌも帰ってきて、
同じテーブルに座った。
そして知らないうちに10人以上の人が同じテーブルを囲んでいた。
誰かが提供してくれたワインを飲みながら、
旅でのおもしろい経験談とかいろいろ聞かせてもらった。

楽しい夜だった。


捻挫は残念だったけど、きっと捻挫をしてなかったら、
あの時、あのテーブルで、旅人のみんなと一緒に笑っていなかったと思う。
バックパッカーという慣れないスペースで、
始めは自分をどこに置いていいのかわからなかったから、
きっと部屋に篭っていたかもしれない。


旅はおもしろいかも!

と、一人旅に出る前の不安と緊張が吹っ飛んだ、ピクトン2泊目の夜であった。



もう1泊はした方がいいと宿のバリーにも言われたけど、
もう次の目的地の宿もバスも予約済みだったので、翌日旅立つことにした。
翌朝、バリーにバスターミナルまで送ってもらった。
お世話になったマリーンとイボンヌに折鶴をあげた。
ふたりは見えなくなるまで手を振ってくれた。
旅のはじめのステキな出会いだった。


ありがとう、マリーン、イボンヌ、ありがとう、みんな。




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