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◇◇抽斗図書館のご案内◇◇
◆レシピ・ノート 4◆ 喫茶室で見つかったノートのお話の続きです。 ノート担当の調査員は、毎日朝早くから夜遅くまで 研究を続けていました。 ノートに書かれていた文字は、解読が進んでいるものなので、 当館所蔵の研究資料を使えば、ノートの内容は比較的簡単に 理解できたからです。 ただし、レシピ・ノートだけあって、おそらく調味料だろう、 おそらく乳製品だろう、という程度のことしかわからない単語も たくさんありました。 また、料理法を表す言葉ということはわかっても、 それが具体的にどういうことをするのかは、 さっぱり見当がつかないというものもありました。 ある朝、調査員がいつものように研究を始めようとして ノートを保管している木製の箱を開けようとしたところ、 蓋があかなくなっていました。 蓋に蝶番のついたカギのない箱です。 ただ、パタンと蓋を閉じてあるだけの状態なのですが まるで接着剤で張り付けたかのように蓋は動かなくなっていました。 しばらく格闘しましたが、どうしても開かないので 調査員は、誰かに相談しようと考えて外に出ました。 庭をぶらぶら歩いてみましたが、朝早い時間なので、 誰もいません。 ずっと歩いて行くと、掃除をしているおばあさんに会いました。 調査員が挨拶すると、おばあさんも笑って挨拶しました。 「困った顔してるねぇ」 おばあさんは面白そうに言いました。 「わかりますか?」 「あなたの顔にね、困ったなぁって書いてあるよ」 調査員は手の甲で顔をこすりました。 おばあさんは大笑いしました。 「年寄りが見ればわかるってことよ」 「はぁ・・・」 「あなたはここで働いているの?」 「はい。調査チームです」 「あらまあ! それはすごい!」 おばあさんは目をまん丸にしました。 表情がクルクル変わる人だなぁと調査員は思いました。 さて、今回の引き出しは「押し花」 幼稚園から持って帰ってきた息子の朝顔が どんどん花を咲かせています。 先日、夕食を食べた後、 「あした、朝顔スタンプやりたい」 と息子が言い出しました。 ・・・平日の朝にやるのか???? と、内心ひやひや。 「わかった。じゃあ明日早起きしてね。 おかーさんに起こされる前に起きてね。 じゃないと時間がないからできない」 こういうことがあると、子どもって張り切って 起きるんですよね。 「おかーさん、朝顔スタンプ!」 こっちが叩き起こされました・・・(苦笑) ちょっと可愛そうですが、朝顔の花の色のついた部分を ハサミで切り(ドーナツ型になります) 二つ折りにしたコピー用紙に挟み、 上に子ども図鑑など重たい本を載せました。 「明日の朝までこうしておくといいことがある!」 息子がエラそうに宣言しました。 「いいことって何?」 「明日になればわかる!」 ↑こういうところで、親のマネするんですよね・・・ 子どもって本当に親の鏡です。 翌朝、図鑑をどかして、紙を開いてみると 鮮やかな濃いピンクのドーナツ型が 実にキレイな状態で平らになっていて、 本当にスタンプを捺したようになっていました。 「これでおてがみを書きたい」 (って、平日の朝に言わないでくれ・・・・) 「土曜日、ミホコさんに会うから、 その時にプゼレントしよう」 プゼレントは息子が3,4歳の頃に言っていた言葉だけど 今もそのまま使っています。 そのうち訂正してあげないと恥をかくなぁ・・・(経験者談) 土曜日の午前中、息子は張り切って朝顔スタンプの紙に クーピーでサイケデリックなお手紙を書いていました。 ミホコさんは息子にとっては伯母です。(独身貴族) お手紙を受け取ったミホコさんが大喜びをしたのは 言うまでもありません。 やはり、子育てというのは、親が全部背負うんじゃなくて、 「ただただとにかく可愛がる」 「何をやっても大喜びする」 という、役目の人も必要だと思います。 意地悪な言い方をすると「責任がないから」ということに なってしまうのですが、でも、そういう「軽やかさ」を 持った人がいれば、だいぶ違うと思います。 「とにかく自分を見て喜んでくれる」という人が 大勢いればいるほど、自尊心が高まるでしょうし、 道を踏み外しそうになった時、悪い誘惑に駆られた時、 「こういうことをしたら、あの人はきっとがっかりする」 という、抑止力にもなるんじゃないでしょうか? そういえば、私も小学生の頃、押し花作りましたねぇ。 実際は、押し花じゃなくて「押し葉」でしたが。 父親がどこかでもらってきた景品らしきアルバムに 押し葉をせっせと入れていました。 皮っぽい感じにしたビニールの黒い表紙で 横長で、写真を入れるポケットには オレンジがかった鮮やかな黄色の台紙が入っていました。 押し葉にしたのは、その辺の雑草や庭の木の葉でした。 完成させた後、しばらく机の本棚に入っ放しになっていました。 存在自体を忘れていたんですよね。 思い出して開いてみたら、厚手の押し葉のページには 小さな小さなカビみたいな虫がついていました。 ああ、これじゃダメだなあ・・・ と思って捨てました。 あまりガッカリしなかったような気がします。 何年生くらいだったのでしょうか。 「もうこうなったら仕方ないな」 と強く感じたのを覚えています。
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