『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』
著:黒川伊保子
怪獣の名前は、なぜ「ガギグゲゴ」がつくのが、
多いのか。
ゴジラ、ガメラ、キングギドラ、ギャオス、
つい最近見た、『ガメラ対大悪獣ギロン』もしかり。
これをたまたま見て、なんでコイツの名はギロンなんだ?
ギロチン?
と思ったところから、この本を手に取ったのだけれど。
なかなか、興味深い本でした。
かいつまんで言うと、言葉の音それぞれには、
クオリア(五感を通じて脳に入力される知覚情報が、
脳に描く印象の質)があり、それによって、
脳に潜在的に語りかけるもの=
サブリミナル・インプレッションを、解き明かしている。
例えば、「まったり」と「もったり」の違い。
「くったり」と「ぐったり」の違い。
「ぺたぺた」と「べたべた」の違い。
「キリキリ痛む」と、「シクシク痛む」と、
「ズキズキ痛む」の違い。
これらの違いは、言葉では上手く説明できないけれど、
でもなんとなく違う、と感じるはず。
それが、その音の持つクオリアの違いという。
「さおり」さんと「かおり」さん、
「ゆうこ」さんと「ようこ」さん、
似てるような名なのに、
どんな女性かを想像してみる時、
なんとなく性格が違うような感じを受けるのも、
言葉の持つクオリアの違いなのだろう。
そして音のクオリアは、その音を発する時の、
口腔内の動きが脳に与えるイメージに、
影響されているという。
それによると、濁音四音の「B」「G」「D」「Z」は、
その音を発する時の口腔内の動きは、
膨張+放出+振動であり、それはまさに、
男性の本能の快感に直結する音。
だから、「ガンダム」だとか「ザク」だとか「ズゴック」だとか、
その言葉の響きが、いかにもカッコイイだけでなく、
男性の本能に潜在的に訴えかける音だからこそ、
巷に、ガンダム小僧が溢れているらしい。
もっとも「ギロン」が、「ギロチン」から発生したものだとすれば、
音の響きだけではないだろうし、「ガメラ」だって、
「カメ」の形態から生じたものであるのだから、
一概に、音のみの影響だとは、いい難いかもしれない。
Wikipediaの怪獣の一覧を見ても、
ガギグゲゴがつかない怪獣も、多いし。
でも、怪獣好きでもない私にも、すぐに思い浮かぶ怪獣には、
ガギグゲゴがついている=
ガギグゲゴがついてない怪獣は知らない=
あまり活躍の場がなかった、ということだとすれば、
ガギグゲゴ論も、あながち的外れではないのかも。
ともかく、言語が何であれ、
音を発する時の口腔内での舌の位置や、
振動や空気の流れが、脳に潜在的に与える影響は、
無視できない、という説は興味深かったし、とても納得。
ちなみに、私の名は「の」で始まるが、
N音は、ナイーブで私的で内向的な音で、
母音「O」と結びつくと、より一層、
ナイーブさが強調されるらしい。
「O」は、閉じた存在感を喚起させるらしいけれど、
姓名とも、「O」が多く(母音で表すと「OOOUO」となる)、
しかも姓が「O」始まりの私は、
よっぽど存在感がある?(謎)
どちらにしろ「N」も「O」も、
内向的なクオリアを持っているらしいから、
私のこの性格は、名前に由来するということで(爆)。
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【参考】
◆その他、黒川伊保子の著書は→
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