*モナミ* SMAP・映画・本
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『まひるの月を追いかけて』 著:恩田陸 この人の作品は、「?」って終わり方の話が、 時々あるんだけど。 これもまさに、そんな一冊。 古都奈良を舞台にした、ロードミステリー、 とでもいうのか。 古代と現代が交差する土地で、 奇妙な関係の3人が、旅をする。 自分の人生ですら主役になったことがない、 という主人公が、知らぬ間に舞台に上げられ、 スポットライトを浴びていた。 奈良という土地の持つ、神聖でありながら、 どこか不気味な非日常感とリンクした、 浮遊感漂うお話。 奈良は、修学旅行でチラっとなぞっただけだったので、 その情景をくっきりと思い描くことができなかったのが、 残念なほど、登場人物の心情が奈良の散策路に、 表されている。 奈良在住の人や、奈良が好きな人には、 かなり入り込めるかも。 一見、物語とは関係のないようなおとぎ話が、 いくつか挿入されているれど、それはどれも残酷で。 昔の人が、何かの戒めを込めたおとぎ話って、 実は怖いんだよな、と、ゾクリとさせられる。 そして恩田作品に出てくる言葉の数々には、 いつもドキっとさせられる。 なんとなく感じていたことを、ずばり言葉にしてくれる、 とでもいうのか。 冒頭の主人公の、旅に行きたいような、 行きたくないような気持ちを表すところなんて、 あ~分かる、あの気持ちは、こう説明できるのか、 なんて思っちゃう。 この人は、ほんとに人間観察に優れた人なんだなぁ、 と読むたび感心する。 最後のオチに、驚くと同時に、 やや無理矢理っぽく感じたのだが、 そういうのもアリかもしれないと感じさせるのは、 この人の作品の持つ独特の雰囲気のせいか、 奈良という舞台のせいか。 不思議なラスト。 終わったように見えた三角関係だが、 形を変えて続いていくのか…。 歴史同様連綿と続く、人と人との交わりを感じた、 一冊でした。
【参考】 ◆その他、恩田陸の著書は→ ♪本日のBGM
♪本日のBGM
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