*モナミ* SMAP・映画・本
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『ロリータ』 著:ナボコフ 中年のヨーロッパ出身の知識人、 ハンバート・ハンバートは、 アメリカでの下宿先で、そこの一人娘、 ドロレス・ヘイズに魅せられる。 その母親で未亡人のシャーロットが、 自分に恋していることを知り、彼女と結婚、 ドロレスの「父親」の立場を悪用して、 欲望を果たすべくチャンスを伺うのである。 ロリータへの感情が彼女の母親に露見した時、 運命は一転、彼はロリータを完全に手に入れる。 「ロリータ・コンプレックス」なる言葉を生み出した、 倒錯愛小説として有名な作品。 しかし、あからさまな性的描写は全く出てこない。 ロリコン的な要素を求めたら、肩透かしを食らいます。 純粋な恋心と、変わらぬ愛と情熱に満ちた、 ラブスト-リー。 ただし、主人公が40過ぎの中年男で、 彼が愛した相手が、12歳の少女でなければ。 自分の罪を告白するに当たって、ハンバートは、 驚くほど饒舌に、時に皮肉を込め、時に自嘲的に、 時に滑稽に、ロリータへの愛を訥々と語る。 「ロリータ、わが生命のともしび、わが肉のほむら。 わが罪、わが魂。ロ、リー、タ」 狂信的なロリータへの愛に、やや辟易しつつ、 読み進めるうちに、それが現実なのか幻想なのか、 分からなくなってくる。 ハンバートは、理想の「ロリータ」を、 自分で創り上げていただけなのでは…? 主人公のハンバートが作り出した、 「ニンフェット」という言葉に凝縮された魅力を持つ、 ロリータという少女は、本当に存在したのだろうか…。 人生に疲れ、草臥れた中年男が、 小生意気な青臭さを持つ少女に惹かれる。 少女は、男が自分を愛していることを知っていて、 彼を翻弄する。 「ニンフェット」なる少女は無意識に、 彼を喜ばせ、戸惑わせ、気をもませ、 熱狂させるすべを知っている。 しかし少女は、大人になる時がやって来る。 中年の変化とは、比べもにならないほどの、 大きな変化が。 ハンバートのお陰で私たちは、 ロリータがどんな少女なのか、知ることができる。 しかし、ロリータの言葉も行動も姿も性格も、 ハンバートの目を通して見られ、 ハンバートの口を通して語られたもの。 ロリータ自身はその時、 何を感じ、何を考えていたのか。 それがとても知りたい、と思った作品でした。 『ロリータ』
【参考】 ◆ナボコフの著書は→
メイキング・オブ・マッドマックス 怒り… 2015.07.24
『家族の言い訳』 著:森浩美 2015.02.07
『あなたに褒められたくて』 著:高倉健 2015.02.05
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