*モナミ* SMAP・映画・本
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『ヴァン』 著:ロディ・ドイル 職を失った大家族の父親ジミー。 同じくクビになってしまった大親友のビンボが、 オンボロのヴァンを手に入れた。 一緒にハンバーガー屋をやろうと持ちかけられるジミー。 慣れないことに戸惑いつつも、なんとか軌道に乗り始めた、 ジミーとビンボだったが…。 アイルランドの片田舎。 パブとギネスとサッカーと、そしてフィッシュ&チップス。 ジミーは孫もいるいいオヤジなのに、やることといえば、 友達と毎晩パブへ繰り出して、女の品定め。 まるで14、15のワルガキたちと何も変わらないオヤジたち。 家庭の中で威厳を保とうとするも、無職であるばかりに、 隅に追いやられることもしばしば。 それでも家族はみな、ジミーを尊敬している。 年ごろの息子たちも、しょうがないオヤジだと思いつつ、 反抗したりもするけれど、むげにすることは決してしない。 そういうところがなんかいいな、と思ったり。 日本だったらここで親子殺人でも起こりかねないのに(爆)。 親友のビンボもクビになってしまって、これで無職仲間が増えたと、 喜んじゃうジミー。 もちろん、そんなことはおくびにも出さず、ますます親身になって、 ビンボを元気付けてやるのだけれど。 俺がいなきゃどうしようもないと思っていたビンボが、 ぼろっちいヴァンを手に入れてきて。 そしてチッパーズの屋台を、一緒にやらないかなんて、 それを持ちかけられた時のジミーと同じように、 きっと上手くなんかいきっこない、という予想を見事に裏切り。 悪戦苦闘やとんでもないハプニングは多々あったけれど、 思った以上に商売繁盛。 しかしそこには当然というか、金銭絡みの問題が。 さぁ、金を取るか、友情を取るか…! 若い頃のように単純じゃないのがまた、面白切なく。 「あの頃」よりも抱えているものが多くなった分、 「あの頃」のようにはいられない、寂しさ、もどかしさ。 少年がそのまま大人になったかのようなオヤジたちが、 アイルランドの片田舎ののんびりとした風景の中で、 家族も近所の人たちも巻き込んでの、珍騒動。 一家の大黒柱が無職というのに、そこに悲壮さはなく。 それすらも生活のスパイスにしてしまうたくましさとユーモア、 それはもしかしたら、チッパーズやギネスと同じように、 アイルランド人の生き方そのものなのかも、と思った一冊でした。
【参考】 ◆ロディ・ドイルの著書は→
メイキング・オブ・マッドマックス 怒り… 2015.07.24
『家族の言い訳』 著:森浩美 2015.02.07
『あなたに褒められたくて』 著:高倉健 2015.02.05
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