＊モナミ＊ SMAP･映画･本

『ヘアスプレー』


ボルチモアの女子高生のトレーシー（ニッキー・ブロンスキー）は、
ダンスとオシャレに夢中。
最高にホットなTV番組「コーニー・コリンズ・ショー」を、
親友ペニー（アマンダ・バインズ）と一緒に見ることが日課。

夢は、この番組のレギュラーになって、
憧れのリンク（ザック・エフロン）と踊ること。

でも、彼女にはひとつだけBIGな問題があった。
それは彼女のサイズがBIGだということ！

ある日、メンバーのオーディションが開催されることに。
それを知ったトレーシーは、大喜び。
しかし母親のエドナ（ジョン・トラヴォルタ）は大反対。
父親のウィルバー（クリストファー・ウォーケン）に、
「夢を追ってBIGになれ」と励まされ、オーディションに参加。

ところが、メンバーの中心的存在アンバー（ブリタニー・スノウ）の、
ステージママであり、番組の実権を握るベルマ
（ミシェル・ファイファー）に、すげなく追い払われてしまう。


これぞ超ミュージカル！
のっけから歌で始まります。

歌と踊りに、すごく元気になれる映画！
だけど扱ってる問題は、結構ヘビーで。


まだまだ肌の色で差別されていた、60年代。
黒人は、白人と同じTV番組で踊ることすら許されない。
「ニグロデー」という、明らかに区別された日にしか、
出られない。

トレイシーもママに、「黒人の音楽なんか聴いて！」と叱られる。
「黒人の踊りなんて品がない」とステージママにもバカにされる。

だけどそんなことは気にしない。
だって歌と踊りが本当に大好きだから。
自分が最高にクールと思う踊りを踊るだけ。


だけどそんなトレイシーも、太ってるという理由で、
オーディションに不合格。

もっともこれは、ただ太ってるだけというより、
ライバルのステージママの策略というか。

娘は十分可愛いんだから、トレイシーなんかが（失礼）、
ライバルになると考える方がおかしいような気もするけれど、
太っているという際立つキャラに、危機感を覚えたのか、
それとも単に、おデブがTVに出るのが気に食わないのか。

でもこれって、ブロンドの可愛い子は性格悪くって、
見た目はちょっとイマイチな子は性格いいって、
これも見た目による差別っちゃぁ差別と言えなくもないような。


しかし黒人にしろトレイシーにしろ、そんな差別なんか、
これっぽっちも気にしてなくて。

気にしてるのは、むしろリベラルな白人のママたち。
「時代は変わったのよ！」と娘たちが歌い踊る。

時代や価値観がじわじわと変わりつつある時に、
それを軽々と飛び越えちゃう若者たちと、
自分たちと違うものへの偏見や先入観に縛られ、
排除しようとする大人たちの対比も。


ジョン・トラボルタのBIGなママも、最高。
さすが、ダテにサタデーナイトフィーバーしてません（笑）。


夢見がちな少女が夢を実現させちゃうシンデレラストーリーだけど、
ヒロインのニッキー・ブロンスキー自身も、まるでシンデレラ。

この映画に出る前は、ニューヨークのアイスクリームショップで、
アルバイトしてたってんだから。


歌って踊って…しているうちに、ストーリーの印象がやや、
薄かったような気がしないでもないけれど、でもラストは、
トレイシーと一緒にノリノリで手を叩いていた、映画でした♪


オリジナル･サウンドトラック

ミュージカル版『ヘアスプレー』CD

【参考】

　ヘアスプレー　公式サイト

映画ﾚﾋﾞｭｰ